読書「『のび太』という生き方」

2012年05月09日

いきなりだが、次の感想文を読んでみて欲しい。
ちょっと長いが少しおつきあい願いたい。

「ドラえもん」はマンガ世紀の最高傑作と言われ、海外でも人気の高い不朽の名作である。
このマンガの主人公でダメなやつの代名詞にもなっているのび太について多くの読者は、成績が悪く、運動もまるで駄目、先生や母親に叱られることは日常茶飯事、友だちからはいじめられてばかり、しかし、ドラえもんのひみつ道具が彼に夢を運んでくる…と思っているかもしれない。
だが、「のび太という男の子は、じつは想像以上に人生を上手に歩んでいる」と著者は言っている。
僕も本書に出会うまで、「ドラえもん」について、小学生向けのマンガとしか思っていなかったし、無理に回を重ねている感があった。
しかし、実は大部分のひみつ道具に、常に何らかのメッセージがあり、それらを総括して言うと、何が起ころうと自らの力で解決することが最も良い対処法であるということだ。
本書を読んで作者の子供たちへのメッセージが「ドラえもん」の底流にあることを知り、目から鱗が落ちた。
また、「ドラえもん」の内容は多様化しており、いじめや、不登校、自殺志願といった問題から、環境問題など、現代社会が抱えている問題を、その問題に対する価値あるメッセージと共に取り込んでいると著者は分析している。
このように考えると、「ドラえもん」は非常に奥が深く、「所詮はマンガ」の一言では片付けられないように思う。
のび太はひみつ道具の助けや自らが置かれた境遇により、潜在意識の中で眠っていた、優れた資質が現れた。
言いかえれば、のび太の中で眠っていた原石がひみつ道具などにより磨かれていった結果、美しく輝く宝石となったのである。僕の中に眠る原石はまだ、宝石にはなっていないけれども、磨くことができるきっかけを可能なだけ掴みたいと思う。
 僕は心配症でマイナス方向に考えすぎだとよく言われる。これは自分でも感じていることで、例を挙げれば数限りないほどだ。また、自分に対する自信もなく、よく失敗してしまう。
よく失敗する点は似ているが、僕とのび太との大きな違いは楽観的か悲観的かという点だと思う。
のび太はあまり事態を深刻に受け止めることなく、何事に対しても、失敗を恐れずに比較的さらりと対応する。
しかし、僕はと言うと、何事も深刻に受け止めすぎる傾向があり、失敗を恐れてなかなか行動に移ることができない。
まず、夢を叶えるために、先の事をあまり深く考えず、今取りくんでいる事に全力を尽くし、失敗してしまったら再度チャレンジすればいいという考えを念頭に置いておきたいと思う。
「ほかのものが目に入らないほどの集中力を持って目標に打ち込むことで、『くじけない心』は、さらに強さを増すことができる」と著者は言う。
「くじけない心」は僕に決定的に足りないものである。
しかし、今の僕には一心不乱になって打ち込むことができるものがないので、まずそれを探さなくてはならない。
また、のび太はどんなに痛めつけられても、悪口や妬みよりも、「なにくそ」といった反発力の方ヘエネルギーを昇華させている。このように、悪口を口にせず、行動するためには、他人の素晴らしい面を素直に「いいな」と肯定する姿勢が必要で、そういう姿勢が、自分を成長させられるのである。
しかし、「いいな」と肯定することはできても、悪口や妬みにエネルギーを使わないのは難しいと思う。
これも心のゆとりが関係しているのだろう。
本書を読み進めて、夢を叶えるための法則と今の自分との違いを知り、少々落ち込んでいる中で、ただ一つ一致しているものがあった。
それは、「欲があまり無い」という点である。
この一致は非常に嬉しく思えた。のび太の長所として代表的なものに、優しく何に対しても分け隔てなく接することができるというものがあり、そのような姿勢が楽しく暮らしながら夢を叶える基礎だと著者は言っている。
つまり今も社会に根強く残っている差別や偏見を無くし、相手がどんなものであれ、優しく接しようということだ。
これは個人がそれぞれ自覚しなくてはいけないと思う。
また、藤子・F・不二雄が「ドラえもん」を描いていた頃よりも、大人も子供も忙しくなっているので、その分、ストレスが溜まりやすいと思う。
それは少年犯罪の件数が増えていることからも分かる。
日々、メディアを騒がせている少年犯罪の中には、両親や学校の先生に見離されたことが原因となっているように見受けられるものがある。
親が子供を叱ることは、実は子供がまだ親に信用されており、見離されてはいないことの証なのだということを改めて感じた。
 ダメなやつの代名詞であるのび太から人生について学んだことは癪ではあるが、僕以外にものび太から色々と学ぶべき人々は沢山いると思う。
やがて勝ち組となるであろうのび太の生き方を見ていると、大らかに、前向きに、自分を見失うことなく、淡々と生きていく事が大切だと思うし、親や友だち、ひいては社会に受け入れられているという実感もとても大切なことだと思った。
また、のび太が夢を叶えることが出来た根本的な理由はドラえもんと出会ったからである。つまり、ドラえもんはロボットの形をした希望そのものであると言える。
僕にロボットの形をしたドラえもんはいないけれども、心の中にドラえもんは存在する。
希望を持ち続けることにより、心の輝きを失わずに、豊かな人生を送りたいと思う。」


この感想文は、逗子開成中学高等学校の糸久拓見という子の書いた「『のび太』という生き方」という本の感想である。
この感想文をもとに2004年に発行されたある本が、いま再度、話題になっている。
それが、今回紹介する「『のび太』という生き方」横山泰行著、アスコムである。




国民的漫画『ドラえもん』の主人公、野比のび太。
ご存じのように、勉強もスポーツもできずルックスもイマイチ。
常に何らかのトラブルに巻き込まれがちであるが、そんな時にはいつでも未来からやってきた猫型ロボットのドラえもんをはじめとした誰かが助けてくれて、最終的には、あのクラスのマドンナ・しずかちゃんと結婚!
表面的には、いわゆる“ダメ人間”のように見えてしまうのだが、結果論的には実は“勝ち組”に属する。

こう書いていくと、いや普通の見方・考え方からすると、「のび太の生き方」から学べ!と言われると、何でもかんでも他人任せで優柔不断のダメ人間、すべてドラえもんのおかげでラッキーを手に入れ勝ち組になった奴から学ぶ事なんてあるか!と思われるだろう。

しかし、富山大学名誉教授で「ドラえもん学」 を研究し、本書『「のび太」という生きかた』の著者である横山泰行先生は次のような見方をしている。
ちなみに、横山先生は、富山大学で「ドラえもん学」なるものをを研究し、年間平均2000時間、全作品を50回以上も読んでいるという第一人者。

結論から言わせてもらうと、“目から鱗”とはまさにこのことだと思った。
のび太というのは、単なる“ダメな奴”では無く、彼が勝ち組になるには、それなりの根拠があったんだなということに気づかされた。

「ドラえもんは、のび太のことを助けているというイメージがありますが、実は助けているんじゃなくて、 のび太が何かしようとすることを後押ししているだけなんです。『ドラえもん』は “ひみつ道具”を中心に話が展開していきますが、最終的には道具に頼らず、のび太自身で問題を解決している。そういう意味で、ひみつ道具はきっかけづくりのひとつなんです」
「のび太にとってひみつ道具とは、あくまでも『自分のいいところ』を伸ばしたり、ちょっと足りない何かを後押ししたり、また潜在意識のなかで眠っているのび太の優しい心を覚醒させたりする、触媒のような存在なのです。」

本書を読んで、良く分かったことですが、言われてみれば、のび太は色々な意味で、“チャレンジング”な生き方をしています。しかし、あくまでも“チャレンジング“なだけであって、実は”思ったらすぐ行動する“だけで、そこには多くの失敗が残されます。
しかし、大事なことは、そのチャレンジと失敗から、のび太は自分にあったやり方を発見しているし、諦めなければ、いつかは克服できるというメッセージを多くの人に発しているのです。
カッコつけずに、誰にでも優しく、失敗を恐れずにチャレンジし続ける。そうすれば幸せな人生を 手に入れることができる。のび太は、そう教えてくれているのです。
さらにいうと、どんなに意地悪されても、のび太はジャイアンにもスネ夫にも、誰にでも優しくすることができるし、他人の素晴らしい面を素直に認めることのできる人なのです。

そんな彼の素晴らしさを指し示す一番のエピソード。
ドラえもん の短編25巻の『のび太の結婚前夜』で、のび太との結婚に不安になったしずかちゃんに対し、しずかちゃんのパパは、次のようにアドバイスします。
「のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ。あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね」
ステキな話じゃないですか?
皆さんもぜひ、本書から、背伸びしないで今の時代を生きるあなたなりのヒントを見つけてみてはどうでしょうか?

「人は共感できる夢を持ち、その夢に対するあなたの熱意がまわりに伝われば、自然と協力者が現れ、夢はおのずと叶いやすくなる。」(p103)

「つまり、のび太なりに負けん気を起こして、積極果敢に彼らにチャレンジしています。こうした積極的なエネルギーの積み重ねのなかにこそ、夢が生まれたり、夢が叶わないかが潜んでいるのです。」(p127)

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」

  

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読書「あんぽん~孫正義伝」

2012年05月05日

最近、買う本、買う本(ナミヤ雑貨店の奇蹟舟を編む)ぜんぶヒットしてます。

で、今回紹介するのは、「あんぽん~孫正義伝」佐野眞一著、小学館です。

















今から55年前の昭和32(1957)年、佐賀県鳥栖駅に隣接し、地番もないという理由で無番地とつけられた朝鮮部落に生まれ、豚の糞尿と、豚の餌の残飯、そして豚小屋の屋でこっそりつくられる密造酒の強烈なにおいの中で育った。
にもかかわらず、現在では、世界長者番付で例年日本人ベストテンの中にはいるまでの成功をおさめた男、そうソフトバンク社長、孫正義。
これまでも、彼の人物像に迫ろうとした人間は何人かいたでしょう。
しかし、「孫正義にいつもまとわりついているいかがわしさは一体どこから来るのか」「誰でも感じているはずのそんんないかがわしさの根源」に迫ることができた者はいない。
そんなどことなく掴みとれない孫正義という傑出した人物を生み出した背景に迫るノンフィクション作品、それがこの「あんぽん」です。

本書を読もうと思ったきっかけ、それは題名の「あんぽん」にあります。
あまりにも衝撃的でした。
「あんぽん」とは、孫の旧姓・安本から取られたもので、孫は、この姓を音読みして「あんぽん」と呼ばれることをひどく嫌っていたようです。在日三世という出自を隠して生きてこなければならなかった自身の半生に対する侮蔑につながるからです。

だからこそ、孫は1990年日本に帰化したが、あえて安本ではなく韓国人としての本来の姓である孫を名乗ることを選びました。だが、法務省からは「日本にはその姓がないから」という理由で拒絶されます。
そこで孫は日本人である妻をまず「孫」に改姓させ、「日本人にも孫姓がいる」という前例を作って、強引に改姓を認めさせたのです。孫のこの行為には、上で述べたように、あえて差別を覚悟して、それを乗り越えていくという孫の覚悟と力強さを見て取ることができます。

この孫と名乗る事への彼の思いは、ソフトバンクの前身であるソフト卸の会社ユニソン・ワールドの社名にも現れています。
会社設立にあたって、孫の名前を使うか、日本姓の安本を使うか、2つの選択肢があったが孫は迷わず前者を選んでいます。韓国の名では銀行からも差別される、なぜ難しい道を選ぶのか、と反対する親戚たちに、孫はこう答えたといいます。

「(前略)孫という本名を捨ててまで金を稼いでどうするんだ、と言いました。それがたとえ十倍難しい道であっても、俺はプライドの方を、人間としてのプライドの方を優先したいと、言いました」
こうした彼の出自に関わるプライドと思いを知ることが、彼の強さと現在の彼の立ち位置を決定づける源になってるということを強く知ることができます。

こうした新たに知ることができた事実に始まり、本書の醍醐味はこれら新事実を発見する度に、孫氏本人にインタビューを行い、それが彼のパーソナリティーにどのように影響したのかを確かめていった点にあります。
そうした事実の中には、孫氏も知らない真実を掘り起こしたことすらあります。
そうした著者である佐野に対して、孫は「しかし、佐野先生の取材力はすごいですね。僕も随分勉強になりました。」といいいます。まさに、孫も賛美するその取材力から導き出される事実、1つ1つが孫という人間を奥底から理解するためのものとなり、彼の人間らしさに引き寄せられる。

二つめに、本書の魅力は、彼に触れたその他の著書と異なり、彼を一方的に賛美するものではないという点です。
本書でも触れられていますが、彼はソフトバンクの創業者として、他人を裏切り、人の人生を狂わせるようなこともしています。
さらに、孫の親族は異常に見えるほど互いに仲が悪く、文字通り骨肉の争いをしている者たちもいるのです。

また、佐野は、「孫が最終的に目指すという、誰もが情報の発信者になれるという社会は、本当に理想郷なのだろうか。それは究極の民主主義社会に見えて、実は究極の愚民社会になるのではないだろうか。」
「私がここで言いたいことを要約すれば、人間の本当の価値を決める“知の等高線”を一切なくしたフラットな社会に、人間は本当に耐えられるのか、ということである。一見平等なその社会は、おそろしく退屈で人間の努力や生真面目さを奪う結果になるのではないか。そんな世界が本当に実現したら、何を糧にし、何を目標にして生きていいかわからない人間が大量に生まれ、たぶん自殺者が続出することになる。」(p181~183)と孫の目指す「光の道」構想を辛辣に批判しています。
このような孫の出自にまつわる負の側面だけでなく、彼に対する辛らつな批判までも余さず佐野は、本書に描く。
このようにして虚飾を剥ぎ取った末に浮かび上がったものが、文字通り等身大の孫正義像なのです。

佐野は、最後にこういっています。
「孫正義よ、頼むから在日でいつづけてくれ。そして物議を醸しつづけてくれ。あなたがいない日本は、閉塞感が漂う退屈なだけの三等国になってしまうからである」。

読了後、リーダーがいない、閉塞感漂うこの日本にあって、彼のような存在の重さを強く認識させられました。
ぜひ、一度、読んでみる価値のある内容である。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」
  

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読書「舟を編む」

2012年05月05日

何となく辞書をつくるという題材がとても魅力的だったので購入した作品。
何と、大都会ならぬ「大渡海」という辞書を編纂するストーリー。名前の由来は、日本語の広く深い海にこぎ出すための舟=辞書という意味を込めて…。
小学校の頃、初めて国語辞典を手にした時って、結構、感動しませんでした?引き方も知らんくせに、何かたくさん難しい言葉の説明が、それもびっしり書いてあるし、持ってるだけで、何か偉くなったような気がして…。日常使っているヘンチクリンな言葉をひいたりして笑ってみたり、思い返すと辞書の思い出って結構あるなと思いました。
最近では、そんな辞書をひくという行為からかなり遠ざかって、解らない言葉があればインターネットでパパッとすぐに調べてしまってます。
本書では、大人になった私たちが最近手にする事がなくなった国語辞典、「大渡海」を編集するために集まった人々のドラマティックな人間物語を描いています。人間物語といっても、お堅いものではなく、日本語うんちくには、“ふーーん”と感心したり、人と人とのつながりや愛などもたくさん盛り込まれ、すごく感動的です。

辞書は、パッと引いてパッと閉じるもので、あまり「読み込む」類のものではないが、良く考えれば何万語という言葉を載せるためには、すさまじい労力と時間がかかっている訳です。
限られた枚数の中に、字数を調整しながら、なおかつ簡潔にしっかり意味を持たせて、それを埋め込んでいく編集者の苦労は想像を絶する。辞書作りだけではない、言葉に対する情熱をもった人たちがまっすぐに生きている姿にすごく感動させられます。
仕事とは、こういうものだよね!って皮膚感覚で理解できる作品です。

そして、二つ目に感動的なのは、仕事へのプライドだけでなく、その情熱をかけた仕事をやり遂げる中で培われる人と人との関係、出会いでした。
成長とか出会いという言葉は、いくつになっても大事だなって改めて思いました。
何歳になってもこういう出会いを大切に、そして、そのような出会いができる生き方って人を大きく成長させるんですね。
“一期一会”と良く言いますが、皆さんも出会い大切にしてください。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」
  
タグ :三浦しおん

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読書「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

2012年05月05日

さすが!とうなる一冊ですね。












これまでの東野作品とは、ちょっと志向が違いますが、いつもの東野作品の読了後には感じなかったような気持ちになれた作品です。
すごく温かな気持ちになれる作品ですね。読み始めると、かなり入りこんであっと言う間に読み終えることができました。好きな人は、2~3時間で一気に読み終えちゃうんじゃないでしょうか。

タイトルを担う「ナミヤ雑貨店」は、なんでもない郊外の寂れた住宅地に残されたシャッターが下りたままの古びた雑貨店。
その雑貨店を起点に過去、現在と悩みを抱えた人たちが絡まり、繋がり話が進んでいきます。
 前半は短編の物語が独立しており、いつもの東野作品の感覚で読んでいくと、ちょっと“あれっ”と感じて、少し淡泊な感じで話が進んでいきます。
しかし、読み進みめていくと、登場人物すべてが、「ナミヤ雑貨店」と児童養護施設「丸光園」と上手く繋がっていきます。後半になればなるほど、それぞれの物語の流れが集まって、大きな河の流れのようになっていきます。
悩み相談の手紙をシャッターのポストに投函すると、牛乳箱に返事の手紙が入っているという不思議な店「ナミヤ雑貨店」。人生の岐路にたたされた迷える人間がナミヤ雑貨にやって来て、活路をいかに見出せばいいのか?といった内容の手紙を投函していくのですが、その雑貨店が、いつしか過去と現代をつなぐ郵便ポストの役割りを果たしていきます。
そして、様々な悩みが時空を超えて取り交わされた時、そこに信じられない繋がりが浮かび上がってくるんです。その一つ一つのつながりをつなぐ東野さんの技がすごいですね。感心させられます。
人というのは、基本的に弱い生き物だと思います。何かに直面し、困った時には近くにいる誰かに寄りかかるのが自然です。何か困った時には、そうした人に相談するのが一番ですね。  
この本を読んだ方が感想でおっしゃってました。
人は、相談するときに、実は答えを導いてほしくてするんじゃなくて、自分の答えに対して背中を押してほしくてするんじゃないのかと…。まさに、そうだと思います。皆さんは、この本を読んで、人に打ち明けること、相談することの意味や、人と人の繋がり、暖かさを改めて感じ、考えることができるのではないでしょうか。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」


  
タグ :東野圭吾

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映画「アレクサンドリア」(洋画)

2012年04月30日

お久しぶりです。
いやー一ヶ月ぶりの更新です。
とにかく4月は忙しかったです。
新学期、怒濤のように時間が過ぎました。ようやくGWになって少し時間に余裕が持てたかなという感じです。

そこで、久しぶりに史実をもとにした作品を鑑賞。
正直、最初は、あまり期待していなかったが、すごく良い作品だなと感じました。

作品の舞台は、4世紀末、ローマ帝国支配下にあるエジプトの大都市アレクサンドリア。
この都市は、地中海貿易の中心地であることを活かして発展したが、その貿易の中心地であるという利点をもとに、各国の書物を収集し、それらを図書館に集めていた。その数、70万巻もの蔵書があったといわれている。
その図書館では、図書館長を務めるテオンの娘で哲学者、天文学者でもあるヒュパティアによって天体についての授業が行われていた。
哲学者といっても、現在のような哲学をイメージするのではなく、彼女の哲学は、初期の自然哲学に分類され、作品中、彼女は、天動説に異論をとなえ、思惟をめぐらせ、新しい理論を展開していこうと仲間と議論し合う。
上でも述べたが、彼女は、著名な数学者と哲学者であったテオンの娘であり400年頃アレクサンドリアの新プラトン主義哲学校の校長になった。彼女はプラトンやアリストテレスらについて講義を行い、彼女の希に見る知的な才能と雄弁さや謙虚さと美しさは、多数の生徒を魅了したという。
宗教を問わずに生徒を集めていた彼女だが、急速に数を増したキリスト教徒が古代の神を侮辱した事から、市民の間に争いが起きる。最終的には、図書館はキリスト教徒に破壊される。数年後、増大するキリスト教徒は、その支配の邪魔になるヒュパティアに狙いをつけた。



「アレクサンドリア」

【監督】
アレハンドロ・アメナーバル
【出演】
○レイチェル・ワイズ(ヒュパティア ):哲学者で天文学者。
○マックス・ミンゲラ(ダオス):ヒュパティアに想いを寄せる奴隷。後に強硬派のキリスト教徒に。
○オスカー・アイザック(オレステス):ヒュパティアを愛する弟子。後にエジプト長官に。
○マイケル・ロンズデール(テオン):ヒュパティアの父。アレクサンドリア図書館の最後の館長。
○サミ・サミール(キュリロス ):強硬派のキリスト教徒。後にアレクサンドリア総主教に。
○アシュラフ・バルフム(アンモニオス): 強硬派のキリスト教徒。オレステスに石をぶつけたことで処刑される。
○ルパート・エヴァンス(シュネシオス): ヒュパティアを慕う弟子。後にキュレネの主教に。
○ホマユン・エルシャディ(アスパシウス):ヒュパティアの奴隷で研究の助手。

この作品の魅力は、史実をもとに、宗教的に迫害されながらも、真理を求め、自らの信念を貫き通したヒュパティアの強さが描かれていると同時に、時には宇宙や上空から場面を俯瞰してみせる手法にあろう。
キリスト教徒が図書館に押し寄せ、書物を焼き払ってしまう様子を上空から俯瞰して見せる、その手法によって、宗教のもつ不寛容さ、人間の醜さを上手に表現している。

このようにして、異教徒を圧倒したキリスト教徒は、次にユダヤ人を迫害していくのだが、このような傍若無人なキリスト教徒の振る舞いのために、かつて栄華を誇ったアレクサンドリアには暴力の嵐が吹き荒れ、その高度な学術都市の面影は失われていく。
史実によると、作品とは違い、ヒュパティアの最期は裸のままキリスト教徒に生きながら牡蠣の貝殻で肉をえぐられ殺され、そのあと切り刻まれて見世物にされたということらしい。こうしたヒュパティアの無惨な死は、多くの学者たちが亡命してしまうきっかけともなり、それが古代の学問の中心地であったアレクサンドリアの凋落を招く一因にもなっている。
作品では、彼女の最後は、別な形で描かれているが、これは、監督が史実に忠実に殺され方に重きをおいて描くよりも、彼女が自らの死とどのように向き合ったかという、哲学者としての死に方を描きたかったためであろう。
本作品を通して、歴史上、過去においても現在においても、宗教のもつ不寛容さが醜い争いと悲しみを生み出しているという事実を考えていかねばと強く感じた。

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」
  

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映画「ブリッツ」(洋画)

2012年04月01日

先日、紹介させてもらいました「メカニック」に続いて、今回もジェイソン・ステイサム主演の作品を!
まさに、「この刑事 凶暴 ゆえに天職!」という世界を見事に表現しています。




「ブリッツ」
監督:エリオット・レスター
出演:ジェイソン・ステイサム、パディ・コンシダイン、アイダン・ギレン、ザウエ・アシュトン、マーク・ライアンス、デイヴィッド・モリッシー

強情で妥協知らず、“危険な”刑事が、警官ばかりを狙う連続殺人事件を追うという作品です。




大まかな、話の流れは次のよう…。
ロンドン市警に所属する刑事ブラントは、強情で妥協知らずの男。
その情熱と正義感の強さから、犯罪者に対してやりすぎてしまうこともしばしば。(やりすぎという言葉で収めてしまって良いか悩みますが…)
ある日、ロンドン市内で警官ばかりを狙った連続殺人事件が発生する。
ブラントの横暴さを暴露しようと彼を追いかける新聞記者ダンロップは、ワイスという男から情報を得るが、その男こそが殺人鬼、通称ブリッツであることを知る。
ワイスは警官を殺害し、そのことで有名になろうとする愉快犯だったのだ。



みなさんご存じの「トランスポーター」や前回紹介した「メカニック」などでも分かるように、彼が主演の作品では、主人公が、ガチガチに鋼のように鍛え上げた身体をもとに、まさに機械のようにクールに、そして時には熱くハードに仕事をこなしていきますが、他方で若干のユーモアも織り交ぜながら、どこかに親しみやすさも感じてしまいます。

しかし、今回の作品には、そのような親しみやすさは、一切排除されています。なおかつ、これまでの作品から、ステイサム得意のアクション場面を大方の皆様は期待されるでしょうが、そうしたアクション場面も冒頭の数分で終了します。

それは、おそらく、はみ出し刑事ブラントの“狂犬”たる所以を、表現するためだと思います。
で、ステイサムは、その危険さを十二分に表現していると思います。
そういう意味で、期待はずれの部分もありながら、満足する部分もあるといった感じでしょう。
個人的には、それなりに満足できる作品ではないかと思います。

少々、難癖をつけるとすれば、作品中で、凶暴なブラントが、その凶暴性との関連で、何度か記憶を失うということを同僚に打ち明けるのですが、その理由らしきことが全く明らかにされないし、同時にそのことが物語の流れと全く関連してこないということでしょう。
その辺を少しでもはっきりさせてくれると、物語としてもっと面白くなったかもしれません。

軽い気持ちで、さっとサスペンスっていう感じの時に見ると面白く鑑賞できるかもしれませんね。

「評価 ★★★★★ ★★☆☆☆ 70点」


(あらすじ)
ロンドン市警に所属する強情で妥協知らずな刑事ブラント(ジェイソン・ステイサム)は、その情熱のあまり、犯罪者に対してやり過ぎてしまうこともしばしば。
そんなある日、ロンドン市内で警官ばかりを狙う連続殺人事件が発生する。
ブラントの横暴な振る舞いを追いかけている新聞記者ダンロップは情報提供者から電話を受けるが、その男・ワイス(アイダン・ギレン)こそが殺人鬼であることを知る。
ワイス(通称:ブリッツ)はダンロップに記事を書かせ、自らを虐げてきた警官を殺害し、有名になろうと目論む愉快犯だったのだ。
ブラントの師や職場の仲間たち、さらには密告者までも次々と手に掛けていくワイス。
だが彼の最後の標的はブラントだった……。
  

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映画「パーフェクト・ホスト~悪夢の晩餐会」

2012年03月31日

ソウシリーズのプロデューサーが関わっている作品と聞いたら、その筋の作品が好きな方は触手を伸ばすはずですね。
私もその一人…。

今回紹介する作品は、“サンダンス映画祭”であまりにも奇想天外なストーリーで評判を呼んだという代物。
凄く期待しながら鑑賞した作品です。




「パーフェクト・ホスト」
監督:ニック・トムネイ
出演:デヴィド・ハイド・ピアース、クレイン・クロフォード、ナサニエル・パーカー、ミーガン・ペリー、ヘレン・レディ





作品の概要は次の通り…。
青年ジョンは、銀行強盗を犯して警察に追われ、ロサンゼルスをさまよっていた。
逃げ場を失い隠れ家を物色し始めた“招かれざる客”ジョンが偶然狙いを定めたのは、ひょろっとした風貌の中年紳士ウォーウィック。
強盗と暴行の前科を持つジョンにとっては、いかにも手玉にとりやすそうな人物だった。
ウォーウィックは誰が見ても物腰が柔らかなナイスガイだった。
高級住宅街の豪邸に住む彼は、気ままな独身生活を楽しみ、今夜も友人たちを招いてパーティを開くつもりだ。
そんなとき災難に見舞われて助けを求めてきたジョンは見知らぬ青年だったが、冷たく門前払いにするわけにもいかない。
なぜならウォーウィックは、つねに客人を温かくもてなす“完璧なホスト”だからだ。
かくして数奇な出会いを果たしたジョンとウォーウィックのつかの間の友情は、もろくも崩れ去る。
強盗犯だという秘密がばれたジョンが包丁をふりかざし、ウォーウィックに服従を迫ったのだ。
ところが、この家の主人はそれ以上に恐るべき秘密を隠し持っていて……。


「クライム・サスペンス」と紹介されている本作。
予告編などを通しても、かなりシリアスな内容を想像したが、結論としては、ちょっと拍子抜け…。
ある意味、想定からかなり外れたという意味で、かなり衝撃的ではあるのですが…。
ラスト20分は、思っても見ない展開で、その部分ではかなり面白かったです。
そういう想定外的・奇想天外的部分に重きがいってしまったために、大事な部分を落としてしまった感じも否めません。
作品中での“多重人格的症状”を見せるフォーウィックの異常性は、非常に興味深かったのですが、その異常性の根拠たる部分をもう少し掘り下げてくれると、作品のおもしろさがさらに増したかなと思えます。
そうした部分で、マイナス部分が目に付いてしまいました。

「評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆ 60点」


(あらすじ)
33歳前科持ちのジョン・テイラー(クレイン・クロフォード)は銀行から30万ドルを強奪するが、右足に大怪我を負ってしまう。
大金を詰め込んだバッグを隠し、あらかじめ調達しておいた車で逃走する途中、消毒液を買おうと立ち寄ったコンビニで女強盗に出くわす。
さらに店内のテレビで銀行強盗のニュースを目の当たりにし、自分の身元や逃亡車の車種まで知れ渡っているのを知る。
ジョンは車を捨て、ロサンゼルスの高級住宅街に足を踏み入れる。
プール付き豪邸の郵便受けから1枚の絵ハガキをかすめ取ると、その差出人の友人のフリをしてその家の主人ウォーウィック(デヴィッド・ハイド・ピアース)を騙し、家に招かれる。
おしゃべり好きな独身の中年紳士ウォーウィックは今夜、4人の友人を招きパーティーを開くため準備をしていた。
彼はジョンの素性を怪しむこともなく、赤ワインを振る舞う。
ジョンは、襲撃先の銀行に勤める恋人シモーン(ミーガン・ペリー)と入念に練った計画が、なぜこんなに早く崩壊したのか不思議に思っていた。
20時にウォーウィック邸にやってくるゲストの中に検事がいることを知り、ジョンは立ち去ろうとするが、ウォーウィックに引き留められる。
19時46分、ラジオのニュースでジョンの秘密が暴かれる。
ジョンはウォーウィックに刃物を突き付け、ゲストたちにパーティーの中止を伝えさせると、自分をゲストとして振る舞うよう脅迫する。
その直後、ジョンは昏倒する。
気がつくと、彼は後ろ手に縛られた状態でディナーテーブルの席についていた。
テーブルには6人分の料理が並び、ウォーウィックはいるはずのない4人のゲストにジョンを紹介していく。
ジョンの目の前に差し出されたスクラップブックには、ウォーウィックの倒錯的な欲望が生み出した恐怖のフルコースが示されていた。
  

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読書「弁護士 探偵物語~天使の分け前」

2012年03月30日

来年度、三年生対象の“総合社会”なる授業を担当することになり、その内容を構想中。
基本的には、教科書はなく、授業者自身が自由にどのような授業内容にするかを決定しても良いとのこと…。
だから、通常は、受け持つ側に嫌がられる科目となりがち。

しかし、見方によっては、ちょっと違ってくる。
毎週、2コマの授業で、それも2時間連続。
この2時間連続というのが私にとっては非常に魅力的。
マイクロバスに乗って野外観察なども可能だし、非常に使い勝手が良いと思う。

そこで、まだおおざっぱな構想ではあるが、私はこれまで見た映画をテーマにして、2時間を利用し、作品を鑑賞した後、それぞれの作品が提起する社会的問題点を明らかにし、それをもとに小論文やディベートでそれぞれの見解を深めていけるような授業ができないかと考えている。

そこで、再度、自身がもっている約200本のDVDコレクションの中から、教材になりそうな作品をチョイス中。

その中に、「それでもボクはやっていない」がある。
本作では、日本の裁判制度が孕みもつ問題点を辛辣に描いている。
一端、起訴されると99%有罪となる日本の刑事事件裁判と冤罪の問題点について、裁判員裁判に関わることになる可能性のある当事者として、裁判にどう向き合うか?や憲法中の自由権の学習を深めながら、仮に冤罪で逮捕された場合にどのように自己防衛し不当な国家権力の行使に挑んでいなかければならないか?を個々の生徒が考えていければと考えている。

そうした中で、たまたま書店で平積みされてる本書を発見。
「弁護士 探偵物語~天使の分け前」法坂一広著、宝島社
第10回『このミステリーがすごい!』大賞に輝いた作品。




法曹界の“常識”にくみしない酔いどれ弁護士が連続殺人事件の真相を追うミステリー小説。

物語の冒頭は、一人称的な語りが続き、ちょっとした軽口がくどいなーと感じる人もいて、ここらあたりで、この語り口が個人的に肌に合わない方にとっては、嫌になるのかも知れない。
ネットでの低評価もこのあたりに原因があるのかもしれない。
しかし、総合的には非常に楽しめる内容になっているのではないかと思う。

ストーリー展開は次のよう。
主人公の「私」は3年前に起きた母子殺害事件をめぐり、裁判所、検察と対立し、1年間の業務停止処分を受ける。
その後復帰したものの、今度は自らの事務所で殺人事件が発生。
その後も周囲で起こる殺人事件に巻き込まれていく。

著者は福岡市在住の現役弁護士で、物語は福岡で展開される。
たまたま、九州大会の引率中に佐賀、福岡で本作を読んでいたので、いろいろ思いを巡らすことができ楽しめた部分もあった。

本作で、著者は、法曹界が抱える問題を提起しており、推定有罪に傾き、結託する裁判官と検事の姿をリアルに描いている。
本作もある意味、教材と成り得る作品ではなかろうか。

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」

  

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映画「メカニック」(洋画)

2012年03月30日

Amat Victoria Curam
- Victory Loves Preparation
”周到な準備が勝利を招く”


私自身すごく大事だなと思う言葉です。
いろいろな展開を想定し、どの展開にも対応できるような周到な準備…。
先を読む力ももちろん、それぞれの展開の関連も見据えつつ、それに対して準備できる能力…。
今回の作品は、まさにその「周到な準備」をリアルに実感できる内容です。



「メカニック」
監督:サイモン・ウエスト
出演:ジェイソン・ステイサム、ベン・フォスター、ドナルド・サザーランド、トニー・ゴールドウィン、ジェームズ・ローガン、ミニ・アンデン、ジェフ・チェイス

皆さん、ご存じのジェイソン・ステイサム主演のアクションです。
どうしても例のシリーズとだぶってしまいますが、本作は、1972年にチャールズ・ブロンソン主演作品のリメイク版だそうです。原作と見比べた訳ではないですが、本作の完成度からすると原作のストーリー展開の良さが想像できます。
いつか機会があったら、オリジナルも鑑賞してみたいと思います。




ストーリーは、次のよう…。
南米コロンビアの麻薬王が自宅のプールで暗殺されるも、事件は事故死と判断される。
痕跡を決して残さない暗殺者、アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)の犯行であった。
常に慎重を期し、誰とも組まないアーサーに、闇組織の雇い主サンダーソン(トニー・ゴールドウィン)から、指令が下る。
アーサーの親友であり、この仕事を始めるきっかけを作ってくれた恩人ハリー・マッケンナ(ドナルド・サザーランド)を暗殺しろというのだ。
サンダーソンによれば、ハリーは組織を裏切って他の暗殺部隊を壊滅させたという。
アーサーは葛藤を抱えながらも、プロとしてこの仕事を引き受ける。
ハリーの葬儀に出席したアーサーは、ハリーの息子・スティーブ(ベン・フォスター)と再会。
父がアーサーに教えたことを自分も教わりたいというスティーブ。
アーサーは彼を助手に迎え、暗殺のテクニックを教え始める。
暗殺実行中、ハリーの裏切りによって死んだはずの男を見つけたアーサーは、ハリー暗殺の本当の意味を知る。
一方、スティーブはアーサーの私物から父が大切にしていた銃を発見。
父の敵はアーサーだ!と知ったスティーブは…。




スリリングな展開でしょ!
最終的に父の敵討ちを思い続けるスティーブと師匠でありパートナーであるアーサーの関係やいかに…。
二人の微妙な関係の変化が見どころですね。そういう意味で言うと、二人のセリフの中にいろいろあとで「なるほどね」と思える伏線がちりばめられているので、そういった部分が好きな方にとっても楽しい作品だと思います。

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」

(あらすじ)
南米コロンビアの麻薬王が自宅のプールで暗殺、だが事件は事故死と判断された。闇の犯罪組織に雇われ、殺人の痕跡をいっさい残さない暗殺者、アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)の犯行であった。常に慎重を期し、米ニューオリンズの沼地の奥にある隠れ家を誰に知らせることもない。クラブで知り合った美女サラ(ミニ・アンデン)との関係もその場限りで、誰とも組まずに孤独を受け入れる男。そんなアーサーの元に闇組織の雇い主サンダーソン(トニー・ゴールドウィン)から新たなミッションが下される。アーサーの親友であり、この仕事を始めるきっかけを作ってくれた恩人ハリー・マッケンナ(ドナルド・サザーランド)の暗殺。サンダーソンによれば、ハリーは組織を裏切って他の暗殺部隊を壊滅させたという。アーサーは葛藤を抱えながらも、プロとしてこの仕事を引き受ける。車椅子生活をおくるハリーを抹殺するのは、友人を騙すことに対する苦悩を除けば、たやすいことだった。ハリーの葬儀に出席したアーサーは、ハリーの息子・スティーブ(ベン・フォスター)と再会。父を殺したヤツに復讐したい、そして父がアーサーに教えたことを自分も教わりたいというスティーブ。アーサーは罪悪感も手伝い、彼を助手に迎え、暗殺のテクニックすべてを叩きこもうとするのだった。最初の仕事こそ手際が悪かったが、スティーブはメキメキと腕を上げていく。勝手に助手を雇ったことがサンダーソンには面白くないが、アーサーは使えるヤツだと説得する。次なるターゲットは自称“救世主”のカリスマ的な金満宗教家。二人は標的が滞在するホテルに手際よく潜入。だがスティーブのちょっとしたミスから、派手な銃撃戦は避けられなくなる。この頃から、何かが確実に狂い始めていた。死んだはずの男の突然の出現、ハリー暗殺ミッションの意外なからくり、そして父を殺したかもしれないアーサーに対するスティーブの疑念。誰を信じ、誰を敵とみなすべきか。混沌とした状況下、アーサーの命を懸けた戦いが始まろうとしていた……。
  

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映画「アウェイク」(洋画)

2012年03月28日

いきなりのカミングアウトですが、わたし“全身麻酔”だ~~~い好きなんです。
次第に眠くなりますからって言われ、1・2・……って、3も数えないうちに、あの手術室の照明がボーッとしていくあの気持ちよさ、何度味わっても良いくらいです。

でも、麻酔に関しては、本人がしっかり認識・判断できる年齢になると、本人に対しても前もって危険性に関する説明ならびにそれに関する同意も取られます。当然ながら、これは万全を期していんですが、万が一のための説明です。

私も何度となくその説明を受けているのですが、その時は、ふ~~ん、危険性が0ではないので、ある意味覚悟も必要だなと思い、少し緊張しながら説明を聞いています。
が…、結局、何ともなく、気持ち良い経験だけがメインになりますので、説明の内容のあまり細かい部分って覚えていないんです。

で…、いきなりですが、術中に麻酔が覚めてしまうという“術中覚醒”の件に関しては、説明があるのでしょうか?

興味本位で、以前から、手術中に麻酔が覚めてしまったらどうなるんだろう?って考えたことあったのですが、まれに(0.2%)あるんですねそんなことが…。

で、今回はその“術中覚醒”をテーマにした作品です。





「アウェイク」
監督:ジョビー・ハロルド
出演:ヘイデン・クリルテンセン、ジエェシカ・アルバ、テレンス・ハワード、レナ・オリン、クリストファー・マクドナルド、サム・ロバーズ


本作は、“術中覚醒”(アネセシア・アウェアネス)状態に陥った男性の苦痛と、その彼に襲いかかる過酷な運命を描いています。
若き経営者・クレイトンを演じるのは、「スター・ウォーズ」シリーズのヘイデン・クリステンセン。手術中に覚醒し、身動きできないままで激痛を感じ、意外な事実を知るという役を演じています。


クレイトンの恋人・サムを演じるのは、『マチェーテ』のジェシカ・アルバ。
相変わらずのセクシーさで、別な意味で、私は主演のクレイトンよりも、彼女に集中してしまいました。

さて、クレイトンは、作品中NYの大財閥の跡取り息子であります。
若くてハンサムな億万長者。欲しい物をすべて持ち合わせる、誰もが羨むような存在です。

そんな彼がきれいで優しいメイドに恋をした。美男美女のカップル。
そんなところから話が始まります。
で、昼ドラのようですが、全てを順風満帆でいかせると面白くないので、ここで決まって登場するのが、邪魔者です。だいたいは、その金持ちの口やかましい母親です。
夫に先立たれたあと、会社の実権を握り、息子を溺愛しております。

当然ながら、彼女は、それ相応の相手とのおつきあいをのぞんでいますし、結婚にはまだ早いと考えています。ですから、彼女がメイドとの結婚を認めてくれる可能性はゼロ。

すべての物を手に入れ、他には何も要らない、何不自由ないと思われているクレイトンの目下の悩みは、母親に彼女との結婚を認めてもらうこと…。
さて、二人の恋の行く末は…。

さて、何もかも満たされていると思わせといて、もう一つクレイトンは、問題を抱えています。そうでなければ、話は全然おもろくありません。
それは、彼が心臓疾患を抱えているということ。
時折、極度に昂奮したりすると、痛みが生じうずくまったりしてしまいます。

クレイトンの心臓疾患は、結構な重傷で、そのままでいると余命は…という状態。
そこで、クレイトンは、いずれ心臓の移植手術を受けることになっています。
息子を溺愛する母親は、万が一のことを考え、その道のエキスパートに彼の状態管理、手術をと考えますが、彼はそれを拒否します。

それは、彼の主治医の人柄と彼との精神的な深い繋がりによるものです。
彼は、人を包み込むような非常に温厚でやさしい人物、いつもクレイトンの話し相手になり、悩みを聞き、アドバイスを送ってくれます。



そんな彼のアドバイスは、「手術の前に彼女と結婚しろ。母親もいつかは分かってくれる」というもの。そんな彼のアドバイスを受け入れ、彼は、強固な反対を押し切り、彼女との結婚を選びます。

さて、ここまできて、皆さんどうですか?全く、この話、面白くなさそうですよね。
まさに、ありがちな昼ドラのよう。
違うんです。ここからが、少しずつ面白くなってくるんです。
それは、見てからのおたのしみです。

この作品、私は嫌いな方ではないのですが…。
実は、この作品、第28回ゴールデンラズベリー賞で最低主演女優賞と最低スクリーンカップル賞にノミネートされたようなんです。
どうしてでしょうか…。

「評価 ★★★★★ ★★☆☆☆ 70点」


(あらすじ)
亡き父から大会社を継いだクレイトン(ヘイデン・クリステンセン)は、秘書サム(ジェシカ・アルバ)との身分違いの恋を母リリス(レナ・オリン)に打ち明けられず、サムからは結婚を懇願されるという板挟みの状態だった。
その上、すぐにも移植手術が必要な心臓疾患を抱えていた。
友人の心臓専門医ジャック(テレンス・ハワード)は、クレイトンの珍しい血液型に適合するドナーを探すために奔走している。
ジャックを信頼しているクレイトンは、恋の悩みも打ち明けていた。
クレイトンはジャックに背中を押され、母の反対を押し切り、サムと二人だけで結婚式を挙げる。
奇しくもその夜、ドナーが見つかったとジャックから連絡が入る。
クレイトンがサムに付き添われ病院へ行くと、リリスが心臓医療の権威ナイヤー医師を連れていた。
医療ミス疑惑でいくつかの訴訟を抱えているジャックに、一人息子の手術を任せられないとリリスは訴えるが、クレイトンはジャックの腕に委ね、手術室へ運ばれていく。
全身麻酔が施され、クレイトンの感覚は鈍っていくが、なぜか意識だけは目覚めたままだった。全身に電流のように激痛が走る。
さらにクレイトンは、心もズタズタにされる衝撃の事実を知らされる。
  

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映画「フェアー・ゲーム」(洋画)

2012年03月12日

ナオミ・ワッツ × ショーン・ペン
二大アカデミー俳優共演!
「アメリカ合衆国史上最大のスキャンダル」


フェアー・ゲーム





この作品、非常に渋い作品で、見る人によっては「つまらない」と思われる作品かも知れませんが、私個人的にこのような作品大大大スキです!

実話をもとに描いた「ポリティカル・クライム・サスペンス」でありながら、その中にも「夫婦の愛と葛藤、そして二人を結びつける絆の強さ」などのエッセンスを織り交ぜながら、非常に秀逸な作品の仕上げになっております。

「フェアー・ゲーム」(FAIR GAME)
監督:ダグ・リーマン
原作:ジョセフ・ウィルソン、ヴァレリー・プレイム  
出演:ナオミ・ワッツ、ショーン・ペン、ノア・エメリッチ、タイ・バレル、ジェシカ・ヘクト、トーマス・マッカーシー、ノーバート・レオ・ブッツ、レベッカ・リグ




ご存じのように、ブッシュ政権は、イラクには大量破壊兵器が存在すると主張しイラク戦争を開戦しました。
しかし、戦争中も戦争後も、開戦のきっかけとなった大量破壊兵器は発見されなかったのは多くの方が知っていることだと思います。

実は、開戦前から調査をしていたCIAは、大量破壊兵器は存在しないと主張していました。
しかし、ブッシュ政権はその主張をねじ伏せ、押しつぶし開戦に踏み切ったのです。

その状況をCIAで女性エージェントとして活動していた「ヴァレリー・プレイム」は、新聞社にブッシュ政権の方針が間違っている事を寄稿して世論に訴えでました。

当然ながら、この彼女の行動は、当然アメリカ合衆国政府にとっては、非常に煙たいものでした。
そこで、政府は、“禁止されているはず”の彼女の身分を公開する等の報復行動に出て圧力をかけたのです。
これが、のちに近代アメリカ史上、最大のスキャンダルと呼ばれる「プレイム事件」に発展していきます。(プレイム事件の詳細に関しては、ここをクリックして、お読み下さい。)


私は、アメリカという国を正直、好きではありません。
アメリカは、“世界の警察官・裁判官”と例えられ、世界中で争いごとがおこると(時刻に有益ならば…)率先して出向き、行動します。
しかし、その行為を正当化するような正当な理由も、まっとうな正義も本当にそこにあるのだろうか?と思うことが多々あります。

テロリズムを賞賛したり、正当化する気は毛頭ありませんが、2001年9月11日に発生した“同時多発テロ”。
この事実は、世界中でアメリカを憎んでいる人もたくさんいる(アメリカの行動がいかにねじ曲げられた正義とウソによって行われてきた事に対する抵抗)という事も現しているのではないでしょうか。

やはり、こうしたアメリカという大国の持つ“汚さ”“おこがましさ”“自国中心主義”をしっかり知った上で、世の中で起こっている事をしっかり、客観的に見て判断する力が凄く必要であると、本作を鑑賞して強く思いました。

そのためにも、こうした国家の不正を白日の下に晒した作品が多く作られ公開されるべきでしょう。
ブッシュ政権自体のいい加減さを描いた「ブッシュ」やイラクの大量破壊兵器の捜索の裏側を描いた「グリーン・ゾーン」などのような作品が…。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」


(あらすじ)
2001年9月11日の同時多発テロ以降、アメリカのブッシュ政権はイラク政府が大量破壊兵器を密かに保有し、世界にテロを“輸出”する「悪の枢軸」のひとつだとして、世論を動かしながら攻撃準備を進めていた。
極秘にこの疑惑を調査していたCIAの秘密諜報員ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)は、潜入捜査の末、イラクに核兵器開発計画がないことを突き止める。
一方、ヴァレリーの夫で、元ニジェール大使のジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)も、国務省の依頼でアフリカ・ニジェールへ赴く。イラク政府が核兵器開発に必要な濃縮ウランを密かに買い付けているとの情報の真偽を確認するためだ。
そして彼もまた、イラク政府によるウラン購入の事実はないとの結論に達する。
だがブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視、2003年3月20日、イラクへ宣戦布告する。
4ヶ月後、ジョーは自身の調査報告を元にイラク戦争の真実をニューヨーク・タイムズ紙に寄稿、ブッシュ政権を揺るがす大論争を巻き起こす。
核兵器開発計画が最初から存在しないならば、イラク戦争を始めたブッシュ政権の正当性が疑われかねない。
ところがその直後、ワシントンの有力ジャーナリストたちに、ヴァレリーがCIAの秘密諜報員だという情報がリークされる。
情報漏えいを指示したのは、チェイニー副大統領主席補佐官のルイス・“スクーター”・リビー(デヴィッド・アンドリュース)だった。
身分を暴露され、たちまち世間の好奇の目に晒されるヴァレリー。
家族や各国に散らばる協力者にも危険が迫り、彼女のキャリアと私生活は崩壊し始める。匿名で送られてくる脅迫状や無言電話、容赦ない世間の中傷……今まで証券会社勤務だと偽っていた彼女から友人も離れていった。
ジョーは、メディアに自身の正義を論じるが、ヴァレリーは沈黙を貫く。
公の場で事実を明かすべきだと言い募るジョーと対立し、唯一の安らぎの場所だった家庭さえもが崩れ落ちそうになったとき、彼女はいつも温かく見守ってくれた両親のもとへ向かう。
家族との穏やかな時間を過ごす中、大切なものとは何か気付いたヴァレリーは、自らの名誉と家族を守るため、強大な国家に戦いを挑むのだった……。
  

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映画「モールス」(洋画)

2012年03月11日

スティーブン・キングが「この20年のアメリカでNo.1のスリラー」
「全世界絶賛」
「第37回サターン賞2部門受賞 ホラースリラー映画賞、若手俳優賞 クロエ・グレース・モレッツ


こんだけ書かれたら、大方の人はレンタルしたくなるでしょう?
どうですか?

単純な私は、スティーブン・キングがこれだけ評価するなら間違いない!と思って、躊躇なくレンタルしました。

ちなみに、この作品は、スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」を「クローバーフィールド/HAKAISHA」のマット・リーヴス監督がハリウッド版として映画化したものです。連続猟奇殺人と、幼い男女のピュアな初恋の行方を描いた作品です。
出演は「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツ、「ザ・ロード」のコディ・スミット=マクフィーとなっています。


『モールス』
監督:マット・リーヴス
出演:クロエ・グレース・モレッツ、コディ・スミット=マクフィー、リチャード・ジェンキンス、イライアス・コティーズ

雪に閉ざされた田舎町で、12歳の少年オーウェンは母親とふたり暮らし。
学校ではいじめられ、孤独な毎日を送っている。
そんなある日、となりの部屋に同い年くらいの少女が引っ越してきた。
彼女の名前はアビー、裸足で少し変わった香りのする女の子。
次第に彼らは心を通わせはじめるが、ふたりの間にはどうしても超えることのできない壁があった…。

ストーリ的にみると、ジャンル的に本当に「スリラー映画」なの?と疑問を持つだろうと思います。
さらにいえば、観賞後もその思いは強くなるでしょう。

本作では、オーウェンの初恋を描きながら、同時に“猟奇的な殺人事件”が連続して起こる過程で、オーウェンが初恋相手のアビーがその殺人事件に大きく絡んでいることに気づいていく流れで話が進んでいきます。
離婚調停中で精神的に不安定な母親とのなかなかうまくいかない関係と、学校での酷いいじめを誰にも相談できないオーウェンは、謎の美少女アビーに心を寄せていきます。




そんな彼女となかなか一緒にいることができない彼は、壁を隔ててモールス信号で気持ちを伝えようと提案します。
なんともアナログな方法でありますが、初々しいなんとも甘い切ない恋なんですね。



さあ、そんな中、彼女の本当の姿を知ってしまった彼は、どうするのでしょうか?

さて、評価ですが、最初の期待があまりにも大きかったために、正直、うーんという感じですかね。

ストーリ的にもですが、ちょっとCGがイマイチでした。
もうすこし、“猟奇的”な部分に焦点を当てるなら、その辺をうまく描写して、酷く描写できるCGじゃないとダメですね。
ちょっと、チープなCGでした。

「評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆ 60点」



(あらすじ)
雪に閉ざされた田舎町。12歳のオーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は学校でいじめられていたが、二人きりで暮らす精神的に不安定な母親に相談できずにいた。
彼の唯一の楽しみは、自分の部屋から望遠鏡で他の部屋を覗き見すること。
ある夜、望遠鏡を覗いていた彼は、雪の中を裸足で歩く隣に越してきた少女を見る。
雪の夜、オーウェンが中庭で一人遊んでいると、あの少女が現れ、夜の中庭で何度か会ううちに段々と二人はうちとけていく。
彼女は、12歳くらいだが自分の誕生日を知らず、ルービックキューブが得意で、アビー(クロエ・グレース・モレッツ)という名であった。
彼女に惹かれていくオーウェンは、アビーの部屋から聞こえてくる荒々しいどなり声に心を痛めていた。
ある日、オーウェンはモールス信号のメモをアビーに渡し、壁越しに話そうと伝える。
自分を心配してくれたオーウェンがいじめられていることを察したアビーは「やり返すのよ。私が守ってあげるから」と言う。
二人は自分の部屋から壁越しにモールス信号で二人だけの合図を送りあうようになり絆を深めていく。
アビーを守りたいと変わっていくオーウェンは、いじめっ子に仕返ししたことに興奮し、アビーに血の誓いを交わそうと指を切る。
すると今まで笑顔だったアビーが血を見た途端に様子が急変、「消えろ」と言って走り去る……。
時を同じくして、この小さな町で残酷な連続猟奇殺人が起こり始めた。
生きたまま首を切り裂かれ血を全て抜き取られた少年、トンネルで惨殺された男性……。そんな中、車の事故で容疑者と思われる男が病院に搬送されたが、彼は頭から硫酸を被っていて刑事と話もできない。
そしてその男は手がかりとなるメモを残し病室から転落死してしまう。
だが、血液が抜かれたジャックという男の死体が湖から発見されたことで事件は進展。
彼の自宅を調べていると、近隣の女性が最近、首を噛み切られ病院に搬送された後、病室が発火して死んだらしいことが判明する。
この団地に何かがある。
刑事は団地へ乗り込み、ドアの前で拳銃を構えるが、家の中からは応答はない。
ドアの向こうで息を殺していたのはオーウェンだった……。
  

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映画「マッド・ブラザー」(洋画)

2012年03月10日

大好きなんです。
エドワード・ノートン。あの演技力!


『真実の行方』、『ファイトクラブ』などの作品で、人間の持つ二面性や二重人格を見事に演じ分けたその実力!

特に、『真実の行方』で見せたアーロンの“二重人格”の演技。
デビューとなる作品で、そのすばらしい演技力でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞 助演男優賞を受賞したのもうなずける力の持ち主です。

そのエドワード・ノートンが出てるから見たい。
おまけに、一人二役を演じるっていうんだから、“また、あの凄い演技みなくちゃ”とレンタルしました。(けど、若干、変な胸騒ぎもしたのだけどね。)




結果…………、予感的中!

当然、エドワード・ノートンの演技力はまあまあ良かったと思うけど、まあまあというレベルは超えず。
少し、期待が大きすぎたかな?
けど、このストーリー展開では、どうにも面白くならないわ。
脚本がダメ。

さらに付け加えれば、この作品の原題は 「Leaves of Grass」
米国の詩人ウォルト・ホイットマンの詩集(1855)「草の葉」からきているらしい。
作品中で読まれる詩に関連していると思うのだけど…。
しかし、これがなんで「マッド・ブラザー」となるんだろう。
作品しっかり見てから、邦題つけていないのだろうか?
ホント、邦題のつけ方が安易で面白くないと思うケースが最近おおいなー。

「マッド・ブラザー」(Leaves of Grass)
監督:ティム・ブレイク・ネルソン
出演:エドワード・ノートン スーザン・サランドン ルーシー・デビート リチャード・ドレイファス ケリー・ラッセル


話の内容は、だいたい次のようなもの。

家族と疎遠になっていた大学教授のビルは、弟のブラディが死んだという報せを受け、故郷のオクラホマに戻る。
しかし、それはビルをおびき寄せるためのブラディのついた嘘だった。
実は、ドラッグビジネスに手を染めていたブラディは、借金トラブルを抱えており、そのトラブルを解決するための、アリバイ工作としてビルを利用としていたのだ。
真相を知って、反発するビルだったが…ブラディに押し切られる形で、渋々承諾…ブラディに紹介された教師の女性とアバンチュールを楽しむのだが…。


お堅い真面目な兄貴と見るからにヒッピー風な出で立ちの悪弟。
二人は一卵性双生児で瓜二つ。

お堅い古典文学専門の大学教授で頭の良い兄に対して、悪の世界に浸る大麻を栽培し生活する弟も、見た目はそうでもないが、大麻の育成方法とかを独自に編み出し、そのシステムは、非常に精巧で化学的、すごく能力は高い。
もしかすると、大学教授の兄貴よりも(法には触れているが)“生きる力”は逞しい。

で、そんなに逞しい力を持っているのなら、“あのアリバイ作り”はないでしょう!というのが、大きな減点の対象!
さらに、せっかくのアリバイづくりだったのに、“途中のあの行動”はない!

これは、完全に脚本を作成した人が単純すぎる。
もう少し捻りをきかせて欲しかった。

せっかく演技派のノートンが二役なのに、その魅力と才能を十分に生かし切らない脚本。

で、残念ながら、「評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆ 60点」
  

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しーぶん=おまけ

2012年03月10日

以前までは、ジャ○コさんやサ○エーさんといった大型ショッピングセンターで買い物を済ませることが多かったです。
結構な方々が、このような買い方をしているでしょう。

当然、何度も買い物に行っている時間がないとか、買いたいものが一ヶ所で殆どそろうとか、車でののりつけが簡単であるとか、いろいろと理由はあるでしょう。

しかし、私は最近、地元商店街(名護公設市場)の利用にウエイトを移しました。
それは、市場ならではの新鮮さと専門とする商品の種類の多さ(鮮魚店や八百屋など)、さらには地産地消を実践できるところでしょうか。



さて、こうした理由に付け加えて、私が楽しみにしているのが、沖縄方言でいう「しーぶん」。
いわゆる“おまけ”のことなんですが、市場に何度も通って、顔なじみになると、売り上げに貢献してくれているというお礼も含めて、このおまけの特典が付いてきます。

たとえば、いつもいく肉屋さんで、次のような商品(スキヤキ用牛肉¥1000、チーズ巻きフライ¥500)を購入したら、しーぶんが次のように付いてきます。


しーぶんといっても、ちょっとしたものじゃないですよ。
かなりの量のしーぶんです。


正直、おおすぎると思うときもあるくらいですから…。

しかし、このようなしーぶんは、ただ単に常連客をつなげるための手段だけではないと考えています。
こうした行為は、販売側と顧客とのコミュニケーションの活性化にも繋がっているだろうし、買い物という消費行為に大型ショッピングセンターでは感じることができない“味わい”というスパイスを付け加えます。
さらには、それが精神衛生上もプラスの方向の影響を及ぼしていると私は感じます。

残念ながら、
(1)市街地の地価の高騰による住宅地の郊外への移転
(2)モータリゼーションの進行
(3)小売店主が魅力ある商品やサービスができていない等
の様の様々な要因により、こうした地域の商店街が衰退しています。

しかし、こうした地域商店街衰退の大きな要因は、マクロ経済の大きな変化にあると思われます。
一番大きな変化といえば、2000年に施行された「大規模小売店舗立地法」(大店立地法)により、それまでの大型小売店の出店規制が廃止(“大店法”廃止による)されたことが大きな要因です。
その結果、郊外に相次いで大規模スーパーなどがオープンしました。欧米などの有力スーパーも日本進出をはたすことになりました。

さて、小さな小売店を保護する目的も併せ持っていた大店法とは、どのような法律だったのでしょうか?
そして、その法律は、どのような経緯で廃止され、「大規模小売店舗立地法」(大店立地法)が成立したのでしょうか?

大店法は、1973年10月1日制定、1974年3月1日施行の法律です。
目的は、「消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業者の事業活動の機会を適正に保護し、小売業の正常な発展を図ること」とされます。

こうした“中小小売業者の事業活動の機会を適正に保護し、小売業の正常な発展を図ること”を目的とした法律が改正されるきっかけを作ったのは、現在うりあげを伸ばしている国内の大手流通業界・ショッピングセンターではありません。

この法律の改正大きく関与しているのは、日米貿易摩擦に絡む「日本市場の開放を求める米国の外圧」でした。
日米の貿易格差を縮小する目的で行われた日米構造協議において1990年に米国が「大規模小売店舗法(大店法)を地方自治体の上乗せ規制を含めて撤廃すべきだ」と要求したことがきっかけです。

ここでは、当時、設立されたばかりの日米合弁会社である“日本トイザらス”が国内第1号店として新潟市への出店を計画していましたが、大型店の出店に反対する地元商店街の意向を受け、その結果、事実上の大型店出店凍結により進出の見通しが全く立たないままであったことが大きく影響しています。

こうした自体の中で、米国は日本のこうした法律自体が“非関税障壁”に当たり、自由貿易の原則に反するものであり、規制緩和によって、適正な状態にするべきだとする政治的圧力をかけました。


こうした流れの中で発表された日米構造協議の中間報告で「現行大店法の枠組みの中で法律上実施可能な最大限の措置である下記の運用適正化措置を実施する」として出店調整処理期間の短縮や出店調整手続き・機関の明確化・透明化、地方公共団体の独自規制の抑制が合意されました。

さらには、翌年1991年に行われた大規模小売店舗法(大店法)の改正でこれまで商工会議所(商工会)に置かれて大型店の出店を扱っていた商業活動調整協議会(商調協)が廃止されることとなりました。

これ以降、大店法の運用は大幅に緩和され各地で大規模なショッピングセンターの進出が進むこととなった訳です。

沖縄にもこの時期に、トイザらスが嘉手納にオープン(1992年)しましたね。
(トイザらス嘉手納店は、2003年に沖縄市の旧ハイパーマートに移転しました。)

長くなりましたが、こうした大きな逆風に立ち向かい現在まで経営を続けてきた地元の商店街の皆さんの努力にも敬意を称して、さらには、一方的な消費活動ではなく、相互コミュニケーション型の消費活動を目指し、一番は、しーぶんを楽しみに、これからも地元商店街での買い物を率先していきたいと思います。
  

Posted by no-bu at 09:16Comments(1)TrackBack(0)日常の生活

映画「モンスター上司」(洋画)

2012年03月09日

最近、とにかく洋画の邦題のセンスのなさには、飽き飽きしているのだが、今回、鑑賞した作品ほど、的を得たものはない。
さらには、体調の悪いときは、やはり、こんなおバカな作品に限る!とつくづく思った。

で、今回、紹介するのが、その名も「モンスター上司」
上司に“ハラスメント”を受けている人は、どれくらいいるのだろうか?
実際に、私自身もこれまでバイトの時から数えると、これは“ハラスメント”だと感じた瞬間は何度もあった。
時に、東京で派遣のバイトをしているときの、ハイミス上司のパワーハラスメントは凄かった。
気の弱い僕は、時に胃がキリキリ痛むほどだった。

今回鑑賞のこの作品に登場する3人の主人公達も上司に毎日酷く苦しめられている。
そんな彼らは、さすがにその酷さに我慢できなくなる。
見られたら分かると思うが、そう思うのも無理はない。
そのハラスメントの内容は、見ているこっちも少しイライラするくらいだから…。
で、しまいに3人は、そうした酷いそれぞれの上司殺害を思いつく。



が、とにかくおバカさんな3人は、深く考えずに行動に移すから、当然その計画は穴だらけというわけ。
さて、事の顛末は、どうなることやら。

で、この作品のおもしろさにさらにエッセンを与えているのが、作品中では“悪役”で登場する上司3人。
おバカさんたちは、日本ではあまり知られていない俳優を起用しているのだが、それに対して悪役としてスターを起用している。

ケビン・スペイシーのサディスト上司は、実にハマり役で、その酷さといったら、自分がその場に立たされたらと思うとぞっとするし、コリン・ファレル(ハゲヅラだから最初は気づかなかったが)のヤク中のバカ息子のあまりの世間知らずで、自己中心的なあの考え方にため息が出たし、また、ジェニファー・アストンのエロ・キャラは、俺だったら“喜ぶかも”とちょっと、当事者でないから何も考えず、ただエロイ発想させられてしまうし、といった感じ…。




ところで、「ワーナー エンターテイメント ジャパン」は、この「モンスター上司」を公開するにあたり、 20~39歳の有職者男女500名を対象に「上司」に関する意識調査を実施したらしい。
そこでは、次のような結果が出たようだ。
少し長くなるが、読んでみて欲しい。

(1) まず、「あなたは職場に“苦手”または“キライ”な上司がいますか?」とたずねた
ところ、67%と約7割が「いる」と回答。
(2) そこで具体的に“苦手”“キライ”なポイントを聞くと、「すべてのことに自慢が入り、話が長い」(28歳・女性)、「仕事が出来ないのに偉ぶって、ミスを部下のせいにする」(28歳・男性)、 「上司らしくない。甘えん坊で、だらしない」(31歳・女性)などの声が寄せられた。
(3)また、「あなたの会社に『モンスター上司』(部下に対して、自己中心的な態度をとったり、不快な思いをさせたり、理不尽な要求をしたりする上司)はいますか?」とたずねると、39%が「いる」と回答。約4割のビジネスマンが、自分の上司を“モンスター上司”だと認識しているようだ。
(4)さらに職場の上司たちの言動について詳しく聞いたところ、「部下によって態度を変える上司がいる」 (55%)、 「人格を否定するような言葉遣いをする上司がいる」(39%)、
「部下の手柄を横取りしようとする上司がいる」 (24%)など、 “パワハラ(パワー・ハラスメント)”気味の上司が多いことがわかった。
(5)また、「下ネタを言う異性の上司がいる」(18%)、「休日やプライベートにしつこく誘ってくる異性の上司がいる」(6%)との回答もあり、異性の上司からの“セクハラ(セクシャル・ハラスメント)”に悩まされている部下もいる。
(6)そして、「自分よりも能力が低いと感じる上司がいる」(47%)、「すぐに感情的になる上司がいる」(46%)といった声もあり、仕事面や精神面で、上司を未熟だと捉えている部下は少なくない。
(7)ちなみに、「上司に対して“いなくなってほしい”と思ったことはありますか?」
と聞くと、61%が「ある」と回答。 続けて「上司が違う人にかわったら、
自分の職場はもっと快適になると思いますか?」という質問には、 63%が「思う」と回答している。  


この結果からも、この作品の内容は、誇張表現でも何でもなく、リアルな世界を描いているのかもしれない。

「モンスター上司」
監督:セス・ゴードン 
出演:ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、ケヴィン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス、ドナルド・サザーランド、ジュリー・ボーウェン、ヨアン・グリフィズ



ところで、最初にも書いたように、主人公3人が勤める各職場のモンスター上司たちはかなりの強者。

ケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレルとそれぞれピンで主役を張る大物俳優たちが嫌みたっぷり+存在感たっぷりに上司役を演じている。

モンスター上司の筆頭格"パワハラ上司"を演じるのは、ケビン・スペイシー。
昇進をエサに、部下のニック(ジェイソン・ベイトマン)を奴隷のようにこき使う。
その上、出社に1分遅れただけで、ネチネチと責め続ける神経質な性格の持ち主。

“セクハラ女性上司”は、ジェニファー・アニストンが演じている。
婚約したばかりの助手デール(チャーリー・デイ)に対し、勤務中にエロトークをガンガン炸裂させ、身体の関係を迫るる歯科医役。

3人目の“バカ息子上司”は、コリン・ファレルが演じる。
はげ面なので最初は、気づかない方も多いかもしれない。
先代社長にかわいがられていた経理担当のカート(ジェイソン・サダイキス)に、焼きもちを焼いてか、有害廃棄物の違法投棄を指示したり、職場のトイレであたりまえのようにコカインを吸うわ、自分の遊ぶ金ほしさに、どんどん社員を首にしようとしたり、何のコンプライアンスもそこには存在しない。

そんな、凄い上司たちをどのような方法で、ドタバタ3人組は、痛めつけるのだろうか?
さあ、おたのしみ!

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」


(あらすじ)
出世を目指すニック・ヘンドリクス(ジェイソン・ベイトマン)は、毎日12時間働き、ひねくれた上司デビッド・ハーケン(ケビン・スペイシー)が昇進と引き換えに出してくるどんな理不尽な要求にも耐えてきた。
それだけ苦労すれば昇進は当然の報酬のはず……なのだが、彼はそれがいくら待っても実現しないことを知る。
一方、歯科助手のデイル・アーバス(チャーリー・デイ)は、口腔外科医(D.D.S.)の資格を持つドクター・ジュリア・ハリス,D.D.S.(ジェニファー・アニストン)のセクハラに耐える日々。
突然、アダルト映画もどきの挑発を繰り出す彼女に対し、デイルは自尊心をなんとか保とうとしていた。
そして会社で経理を担当するカート・バックマン(ジェイソン・サダイキス)は、会社の新しい悪徳経営者ボビー・ペリット(コリン・ファレル)が、彼のキャリアを潰すことに夢中になっているだけでなく、有害廃棄物を何も知らない住民たちが住む場所に垂れ流そうとしていることに気づく。
ニック、デイル、カートにとって、毎日うんざりする仕事を少しでもマシにさせる方法は、どうにも耐えられないそれぞれのボスの存在を葬り去ることだった。
もちろん、自分たちから仕事を辞めるという選択肢などあり得ない。
そこで3人は、なんとも怪しげで酒飲みの元詐欺師(ジェイミー・フォックス)のアドバイスを受けながら、絶対にしくじりようのない“上司排除計画”を考案する。
しかし、その計画には大きな穴があった。
たとえ、頭の中では最高の計画でもいざ実行に移してみると、全然ワケが違うのだった……。
  

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映画「陰謀の代償」(洋画)

2012年03月08日

主演が『G.I.ジョー』のチャンニング・テイタム、その他、アル・パチーノ、ジュリエット・ビノシュ、レイ・リオッタといった名優が出演しているので、かなり期待してレンタル。

“陰謀”というくらいですから、もっと大がかりなものを期待したのですが…。



「陰謀の代償」 (THE SON OF ON ONE)
監督:ディート・モンティエル
出演:チャニング・テイタム、トレイシー・モーガン、ケイティ・ホームズ、レイ・リオッタ、ジュリエット・ビノシュ、アル・パチーノ

ジャケットで主演であるはずのチャンニング・テイタムよりもアルパチーノが前面に出て、目立っているのが、最初かなり気になったのですが、やはりそのとおりでした。
チャンニング・テイタムがかなり地味ですな~。
それから、アルパチーノ、年とったね~って感じです。71歳です。
ちょっと前までは、ギラギラしたものを感じましたが、なんか本作では、少し干涸らびた感じがして…。(ファンの方すみません)








話の大まかな流れです。

イマイチだつたので、ちょっとネタバレします。

ここまできて作品を見たいと思った方は、ここからは読まないでください。

ニューヨークのスタテンアイランドに暮らす警察官のジョナサン・ホワイト(チャニング・テイタム)は妻ケリー(ケイティ・ホームズ)と病気を抱えた幼い娘とともに暮らしていました。

しかし、その幸せな日々が、彼の突然の移動によって大きく転換していきます。

配属先は車で2時間もかかるクィーンズ警察署。

なぜに、このような遠距離に配属になるのか?

帰りの毎日遅い、口数の少ない夫に妻は、浮気を疑うまでに…。

治安の悪いクィーンズ地区では、マサーズ警部(レイ・リオッタ)が治安回復に躍起になっています。。

特にクィーンズ・ボロ公営住宅は黒人の失業者が多く、犯罪が絶えません。

配属直後、ジョナサンは、上司のマリオンから地元新聞が始めたキャンペーンをやめさせるよう命令を受けます。

その記者が扱うのは、16年前にジョナサン自身が起した後に闇に葬られた2件の殺人事件…。

遠い昔に葬ってしまったはずの過去…。 なぜに今頃…。

これは、誰の仕業で何が目的か???

当時の関係者の口はすべて封じているはずなのに…。

姿の見えない告発者の存在…。

マリオンがジョナサンを部下にした理由は、告発状を書いた人間を探しだして始末させるためでした。

時に脅迫めいたメッセージを送りつつ彼を監視し、警察の威信を傷つける記事をつぶそうします。

危機感を感じジョナサンは、事件以後縁を切っていた公営住宅に戻り、昔の知人たちと再会します。

その過程で、知的障害があるがたった一人の親友だった男に疑いの目を向けてしまいます…。



いろいろと主人公のジョナサンが、見えない糸をほどこうともがいているのは、よく分かりましたが、陰謀というにはなぜか、それぞれの出演者の行動の意図がいまいちピンとこず、あいまいで深みを感じませんでした。

その辺が、出演者の豪華さに対して、作品のつまらなさの原因となったのでしょう。

残念です。

「評価 ★★★★★ ☆☆☆☆☆ 50点」



(あらすじ)
9.11アメリカ同時多発テロ発生の翌2002年。
ニューヨークのスタテンアイランドに暮らす警察官のジョナサン・ホワイト(チャニング・テイタム)は妻ケリー(ケイティ・ホームズ)と病気を抱えた幼い娘とともに暮らしていた。
勤務先は車で2時間もかかるクィーンズ警察署。
治安の悪いクィーンズ地区では、マサーズ警部(レイ・リオッタ)が治安回復に躍起になっていた。
特にクィーンズ・ボロ公営住宅は黒人の失業者が多く、犯罪が絶えない。
1986年、祖母とクィーンズ・ボロ公営住宅に住んでいた13歳のジョナサンは、白人ゆえの色の白さから“ミルク”と呼ばれ、黒人たちから目を付けられていた。
そんな彼の味方は、同じ棟に住む黒人の少年ヴィニーと妹のヴィッキーだった。
ある日、麻薬常習者を射殺してしまうジョナサン。
だが、ヴィニーの入れ知恵によって死体は放置。
警察も本気で捜査を行なわなかった。
さらに、愛犬を殺されたことで、犯人の黒人を階段から突き落として殺してしまう。
2件の殺人により、スタンフォード刑事(アル・パチーノ)から尋問を受けるジョナサン。
だが、罪に問われることなく事件は隠蔽される。
スタンフォードは殉職したジョナサンの父とかつてコンビを組んでいた仲だったのだ。
そのまま何事もなく成長し、ジョナサンは警官になる。
だがある日、事件を匂わせる脅迫状がジョナサンのもとへ。
差出人は不明。
さらに、地元新聞に2つの事件隠蔽を告発する手紙が届き、記事として掲載される。
2つの事件の真相を知るのはヴィニー(トレイシー・モーガン)だけ。
ジョナサンはヴィニーに脅迫をやめるよう頼むが、その甲斐なく、新聞社には事件を隠蔽した警官の名前を記した手紙が届く。
マサーズ警部の命令により、ジョナサンは女性記者ブリッジス(ジュリエット・ビノシュ)に記事の掲載中止を頼むが、ブリッジスは応じない。切羽詰まったジョナサンはヴィニー殺害を計画するが……。
  

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映画「私を離さないで」(洋画)

2012年03月07日

生まれたときから自分の人生が決定づけられていたら…?

そして、その人生があまりにも過酷なものだったら…?

自分の生き方を決めるのは、自分でしかない。

至極あたりまえの事だが、そうでない世界に私達が産み落とされたなら、私達はそれをどう受け止めるのだろうか?



「わたしを離さないで」
監督:マーク・ロマネク 原作:カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』早川書房刊 出演:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ、シャーロット・ランブリング

何とも切ない作品

前回、紹介の「メッセージ」同様、人の生と死について描いた作品。

見終わったあと、何とも言えない余韻がしばらく消えませんでした。
この作品は、イギリスの権威ある文学賞 『ブッカー賞』 の2005年の最終候補にも残った作品らしいです。

外界との交流が閉ざされた寄宿学校「ヘールシャム」で育った若者、キャシー、ルース、トミー。

この3人の隠された秘密…。

そして、彼らを待ち受ける残酷な運命…。




まずは、原作をという方もいらっしゃるでしょうが、予備知識なしで、徐々に事実を知って行った方が楽しく見れるでしょう。

最初から自分の運命、人生を決定づけられている彼ら。

生まれ出た時から、いずれは他人のために自らの命を差し出すことが決定づけられている彼ら。

そんな彼らには、自ら作るアイデンティティや愛し合うことなど必要ない。

なぜならそれは、いつか必ず奪われてしまうものだから。

自らのアイデンティティ形成の主体となり得ないことがどれだけ苦しいことか。

愛を永遠に分かち合う相手がいないということがどんなに悲しいことか。

しかし、ヘイルシャムの子供たちは、そんな未来を悲観して自殺したりしないし、逆に冷静なまでに自らの過酷な運命、人生を受け入れる。

それは仏教でいうところの『諦念』のような悟りの境地に近いものがある。

彼らはなぜにまでそこまで強いのか?

なぜにそこまで冷静でいられるのか?

その心の平静、強さの源は何か?

教えて欲しい。

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」


(あらすじ)☆ねたばれ注意!
緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校ヘールシャム。
そこで学ぶキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)の3人は、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。
しかし、外界と完全に隔絶したこの施設にはいくつもの謎があり、“保護官”と呼ばれる先生のもとで絵や詩の創作に励む子供たちには、帰るべき家がなかった。
18歳になって、校外の農場のコテージで共同生活を始める3人。
生まれて初めて社会の空気に触れる中、ルースとトミーは恋を育んでいく。
そんな2人の傍にいながらも、次第に孤立していくキャシー。
複雑に絡み合ったそれぞれの感情が、3人の関係を微妙に変えていく。
やがて、彼らはコテージを出て離れ離れになるが、それぞれが逃れようのない過酷な運命をまっとうしようとしていた。
やがて再会を果たしたルース、トミーとかけがえのない絆を取り戻したキャシーは、ささやかな夢を手繰り寄せるため、ヘールシャムの秘密を確かめようとする。
だが、彼らに残された時間はあまりにも短かった……。
  

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映画「メッセージ そして、愛が残る」(洋画)

2012年03月06日

死とは、どの生物にも訪れる、逆らいようのないさだめ。

では、人間にとって“死”とは、どのような意味を持つのか?

もし、あらかじめ、自らの死が近いことを知ったとき、あなたはどのような生き方を選びますか?

私もそうなるだろうと思うのだが、死という事実を真っ直ぐに見つめることができず狼狽えてしまうであろう。



「メッセージ」(AFTERWARDS/ET APRES)
監督:ジル・ブルドス 出演:ロマン・デュリス、ジョン・マルコヴィッチ、エヴァンジェリン・リリー、リース・トンプソン、グレンダ・ブラガンザ

ニューヨークの法律事務所に勤める敏腕弁護士のネイサン(ロマン・デュリス)。
幼い息子を突然の病で亡くした彼は、そのショックから立ち直ることができず、妻のクレア(エヴァンジェリン・リリー)や娘のトレイシー(サラ・ウェイスグラス)を遠ざけて仕事に逃避する日々を送っている。
そんな彼の前に現われた医師のジョセフ・ケイ(ジョン・マルコヴィッチ)。
次々と人の死を予見するケイの不思議な力を見たネイサンは、自分にも死期が迫っていると直感。
別れた妻との絆を取り戻そうとするが、予想もしない運命が待っていた―。



原作は、フランスで120万部を突破したギョーム・ミュッソのベストセラー。

私が、この作品を見ようと思ったのは、演技派ジョン・マルコヴィッチが出演しているから…。
本作で彼が演じるのは、人の死を予見する力をもっているという医師。
主人公の敏腕弁護士ネイサンは、ある日突然自分の前に現れたこの男と接するうちに自らの死を意識するようになり、人生を振り返り始める。 自分がやがて死ぬ存在だということを人が知ったとき、人はそれを拒絶したり、死ぬと言うことを知らせた人へ怒りをぶつけたりするが、本作では、その拒絶や怒りを人が受け入れた時に、その人に訪れる新たな思いや希望、そして、その死をも乗り越える(宗教的な)卓越の境地にいたる過程が非常に繊細なタッチで描かれている。

その繊細なタッチに、素晴らし程にマッチした映像の美しさにも目を見張る。
本作の撮影を手掛けたのは台湾出身のリー・ピンビン。
是枝裕和監督の『空気人形』やトラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』などでも撮影監督を務めたリーが紡ぐ映像美も必見である。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」


(あらすじ)☆ねたばれ注意
ネイサン(ロマン・デュリス)は、ニューヨークの法律事務所に勤める敏腕弁護士。
幼い息子を突然の病で亡くした彼は、そのショックから立ち直ることができないまま、妻クレア(エヴァンジェリン・リリー)と娘を遠ざけ、仕事に逃避する日々を送っていた。
そんな彼の前に現れた医師ジョセフ・ケイ(ジョン・マルコヴィッチ)。
次々と人の死を予見するケイの不思議な力を見たネイサンは、自分にも死期が迫っていることを悟る。
自分の生命の期限を知った彼は、別れた妻との絆を取り戻そうと、ニューメキシコにいる家族のもとへ向かう。
だがそこで待っていたのは、予想もしない運命だった……。
  

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映画「スーパー8」(洋画)

2012年03月05日

前評判が非常に高かった作品!

TVドラマ「LOST」シリーズ等のヒットメーカー、J.J.エイブラムスが監督、製作に巨匠スティーブン・スピルバーグという最強タッグが生み出した、SF超大作!

どんな作品だろってすごく興味持ってました。(じゃあ、劇場で見ろよ!って感じですが…ガ-ン

舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに熱中していた1979年。
ちょうど、スリーマイル島の原発の事件が起こった年で、作品中にもその描写が出てきます。

まあ、予告編を見ると、だいたいのストーリーは予想できます。

簡単に言うと、ストーリは…

オハイオの小さな町に住む14歳のジョーは、仲間たちとの8mm映画作りに没頭していた。
ある日、真夜中に家を抜け出し、駅に忍び込んで撮影をしていた彼らは、貨物列車が脱線・炎上する大事故を目撃してしまう。
まもなく町に大挙してやってきたのは、武装した空軍関係者。
あの列車で、空軍は極秘裏に“なにか”を運んでいたのだ。
やがて町では、飼い犬が姿を消し、車のエンジンのみが盗まれるなど不可解な事件が続発。
さらに9名の行方不明者が出るなど、事態はどんどん深刻になっていく…。

こんな感じ…。



「super8」



「super8/スーパー8」

監督:J・J・エイブラムス
制作:J・J・エイブラムス、スティーブン・スピルバーグ
出演:エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ロン・エルダード、ノア・エメリッチ、ガブリエル・バッソ、ケイティ・ロウズ、ザック・ミルズ、ジョエル・コートニー、ライリー・グリフェス


本作で私が最も気に入った場面は、やはり真夜中にこっそりと映画撮影をしている主人公達の眼前で発生する貨物列車事故。

重量感溢れる貨物列車が次々と玉突き衝突して宙を舞い、轟音と共に周囲を破壊していく様はまさに圧巻。(劇場の大画面、大音量で見るべきだったと大後悔…びっくり!
その圧倒的映像技術に感心させられました。

近年の映画の宇宙人ものって、基本的に、宇宙人=人を襲う侵略者として描かれやすいのですが、本作では、もちろん敵意を抱く相手には容赦なく襲いかかるのですが、元々はたまたま地球に不時着したときに捕まってしまって、人間の実験台にされてしまった被害者的な側面もあります。

ですから、最終的には、そんな被害者である宇宙人を救おうと一生懸命になる少年達と宇宙人は通じ合うと言うわけです。

ストーリー的には、すごく難しいわけでもなく、ある意味先が読めてしまって、そこが面白くないと思う方々もいると思いますが、ETなどの70年代の作品が好きな方は、懐かしさを感じる作品で、楽しめるでしょうね。

ご家族でどうぞ!

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」
  

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読書「ジェノサイド」高野和明

2012年03月05日

ようやく読み終えたーーーって感じ…。
すでに読まれてしまった方からすると、ようやくって???って思うはず。

だって、読まれた方は大方、作品に入り込み、寝る間も惜しんで最後まで読み終えるはだから…。
当然、私も同じように読み始めると、「次はどうなるのだろう?」とワクワクの連続で早く読み進めたい気持ちがいっぱいであったが、仕事が忙しくなるし、体調を崩した家族の看病などでパタパタして時間を取られ、結局、途切れ途切れで1週間以上も読み終えるまでにかかってしまった。

「ジェノサイド」高野和明、角川書店


で、一言でいうと、さすが2011年のミステリーランキングでは1位の作品。
大変面白い。読み終えた後は、何か素晴らしい映画を1本見終えた満足感以上のものがある。

創薬化学の研究室で有機合成をやっている大学院生の古賀研人は、父が駅で倒れて急死したため厚木の実家に帰省し、その葬儀を終えてようやく東京文理大学の園田研究室に復帰した。
久しぶりにパソコンを立ち上げてメールをチェックしていたところ、差出人「多摩理科大学 古賀誠二」というメールに気がついた。
死後5日以上も経過してから発信された、大学教授だった亡父からのメッセージだった。

「このメールが届いたということは、私が五日以上お前やお母さんの前から姿を消しているのだろう。だが心配はいらない」という書き出しだった。
「アイスキャンディで汚した本を開け。このことは誰にも言ってはならない」との内容だった。
研人が幼いときに汚した父の本…、二人にしか通じない内容で、妙に用心深く、不思議なメールだった。


とにかく面白いおすすめの作品だが、ちょっと注意しておきたいことがある。
色々と本作は賛否両論あるのも事実である。
というのは、作品中の表現に多々出現する作者の歴史観への批判である。

書き方的に、確かに、妙な正義感を、それも凄く高みから振りかざしているような部分が沢山あるので、それが鼻につく方も多いのであろう。

あくまでもフィクションなので、そのへんは良しとしても、ここまで人間の愚かさを詳述する意味がどこにあったのかという事も個人的には気になる。
確かに、主題は「ジェノサイド」であるので、歴史上、人間という生物がくり返してきた蛮行を描くことで伝えたい世界があったのだろうが…。

まあ、色々と気になる部分もあることにはあるのだが、“おもしろさ”という点では、最近読んだ本の中でも群を抜いていることは間違いない。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」
  

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