映画「バード」(洋画)

2012年02月12日

皆さんは、読書しながらどんな音楽を聴きますか?

私は、ジャズ派です。

えっ違うだろ~~~~っって……。

いやいや、人を見かけで判断してはいけません。

で、読書に欠かせないのが“ビル・エヴァンス” 得に「ワルツ・フォー・デビィ」なんか好きな一曲です。



その他に、秋の夜長の読書などには、志向を変えてジョン・コルトレーン。
“A Love Superme”(至上の愛)なんかも聞いたりします。



かといって、そんなにジャズに詳しいわけではないですが、クリント・イーストウッドが大のジャズ好きということぐらいは知っています。

「アメリカ文化はジャズとウエスタンしかない」と言い切るくらいですから…。

今回は、そのクリント・イーストウッドが信奉するチャーリー・バード・パーカーの半生を描いた作品を紹介しましょう。

映画「バード」(洋画)
















「バード」
監督:クリント・イーストウッド
出演:フォレスト・ウィテッカー、ダイアン・ヴェノーラ、マイケル・ゼルニカー、サミュエル・E・ライト、キース・デヴィド、マイケル・マクガイア、ジエームズ・ハンディ、Damon Whitaker


映画「バード」(洋画)































この作品で、クリント・イーストウッドは、ゴールデングローブ監督賞を受賞、パーカーを演じたF・ウィテカーがカンヌ映画祭の主演男優賞を受賞しています。

父をヘロイン中毒でなくしたり、コンテストでシンバルを投げつけられた少年時代のトラウマを引きずりながら、当時は新しジャンルで、現在のモダンジャズのもとになった“ビバップ”を創設し、伝道したパーカー。

しかし、その新しい世界が理解されるまでは、非常に孤独な世界を歩むことになります。

非常~~~に暗い作品の仕上がりになっていて、ジャズが好きではない人には、ある意味たまらない作品となるかもしれません。
しかし、非常に繊細なパーカーが当時、孤独の中で苦しみ崩壊しそうになるのを支え守り続けた妻との人間的つながりの深さや親友であるディジー・ガレスピーとの心と心の繋がりなどを非常に細かいタッチで描いています。

なぜにか、パーカーの姿を見ていると、尾崎豊を思い出してしまいました。

どの世界にも言えることですが、いままでの流れに逆らい新しい何かを生み出そうとする力は、ある意味、爆発的なパワーも持ちますが、その流れに逆らい歩み続けようとする者とそれを簡単には受け入れようとしない者達との軋轢はすさまじいものがあるでしょう。パーカーもその繊細さゆえに傷つき、酒とドラッグという破滅の道へと歩んでいってしまいました。

尾崎も当時、若者のカリスマといわれながら、その繊細さゆえに、自分の中で、自らの歩みを妨げる大きな何ものかの存在に苦しんでいたはずです。
時代を変えるパワーがありながらも、その繊細さや傷つきやすさゆえに、彼も酒やドラッグの道へと進んでいってしまったのではないでしょうか。

そうした新しいものを生み出す者たちの生みの苦しみと切なさとは何かをこの作品を通して感じてください。

そうそう、作品中で使われている音楽もパーカー自身が演奏する原曲を使用しています。

そこも、すごく素敵ですね。

「評価 ★★★★★ ★★★★☆ 90点」


(あらすじ)☆ネタバレ注意!
54年9月1日、自殺を図り精神病院に収容されたバード(出演 Edward_Garlick: Forest_Whitaker)の脳裏に、18年前、16歳の時の故郷カンサス・シティでの記憶、ヘロイン中毒死した父の遺体、そしてレノ・クラブでのコンテストでシンバルを投げられた屈辱が蘇る。
それから8年後の43年、ニューヨークの52番街のクラブで<ビ・バップ>を創始して成功を収めつつあるバードの演奏に、観客は熱狂している。
その頃彼はダンサーのチャン(ダイアン・ヴェノーラ)と出会い、バードの音楽にはひかれてもプロボーズには応じない彼女に、サックスを質に入れ白馬を借りて、仲間の演奏をバックに颯爽とチャンを迎え、これによって彼女のハートを射止めた。
やがて彼らは西部に進出するが、そこではビ・バップは侵略者扱いされ、バードは酒浸りとなり入院、そんな彼が再びニューヨークで仕事に戻れたのはチャンの奔走のおかげだった。
49年はバードにとって飛躍の年となった。
パリでのコンサート、「バードランド」の開店、白人トランペッター、レッド・ロドニー(マイケル・ゼルニカー)を仲間に引き入れた南部の演奏旅行で成功を収めるが、レッドが麻薬捜査官に逮捕され、ニューヨークで仕事がしにくくなりロスに旅立った頃から、バードに影が差し始める。
娘ブリーの死、そして半年後の自殺未遂。
ショック療法の勧めを断ったバードは、一家でウエストチェスターに移り静かに暮らそうとするが、彼は仕事に出ねばならなかった。
52番街の変貌に驚くバードは、パラマウント劇場でのロックンロール・コンサートで、バスター・フランクリン(キース・デイヴィッド)演ずるところの“新しい音楽"のあまりの幼稚さを目にし、深いショックをうける。
街をさまよい打ち合わせに遅れたバードに、エージェントはチャンに電話するよう勧める。彼女はいつになく優しく気遣わしげだ、まるでこれが最後の電話と予感しているかのように……。
55年3月12日、チャーリー・“バード"・パーカーは死んだ。
死因は心臓麻痺、34歳であった。




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Posted by no-bu at 16:22│Comments(0)映画
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