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Posted by TI-DA at

ルーパー(映画鑑賞)

2014年04月02日

少しばかり時間ができたので『LOOPER/ルーパー』(Looper)を鑑賞したので簡単に感想を…。
この作品は、ライアン・ジョンソン監督による2012年のアメリカの作品。



出演は、『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィットと『ダイ・ハード』、『エクスペンダブルズ』シリーズのブルース・ウィリス。
ブルース・ウィルスに関しては、最近、何でもかんでも作品を選ばずに、やたらと出演している感じがしますが、その理由は何でしょう…?
なので以前は、彼が出演する作品にはあまり外れがなかったのですが、最近は、ガッカリさせられることも多くなりました。

これまで鑑賞した作品の中では、タイムトラベル系にはあまりガッカリさせられた経験はありませんが、「全く似ても似つかない二人が、それぞれ主人公の現在と30年後を演じるということ」と上記の理由を含めて、今回は、期待値を「TIME/タイム」レベル(見る前の期待感と見た後のガッカリ感のギャップは半端なかった)まで下げて鑑賞しました。

作品を簡単に説明すれば、タイムマシンで送られてきた人物を消すことを生業とするすご腕の殺し屋が、殺しのターゲットとして転送された未来の自分との追跡劇を繰り広げるというもの。
なぜ、追跡劇を繰り広げる羽目になったか?というところに若干の面白さがあるかも…。

ということで、Youtubeの予告編はこんな感じ…。




(出演)
ジョー /ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
オールド・ジョー/ブルース・ウィリス
サラ/エミリー・ブラント
セス/ポール・ダノ
オールド・ジョーの妻/シュイ・チン


気軽に時間を潰すために見たい方は、これ以上ストーリーに関して知ってしまうと全く面白くなくなるので、ここでストップ。
おとなしく作品を鑑賞あれ!


さて、まず作品の柱、“なぜ未来から人間が送られてきて、それを始末するのか?”について。
1つ目に、未来で作られたタイムマシンは、いまだ不完全な作品で、いまだ30年前の過去にしか行けない一方通行であるため、公的な使用に関しては違法になっている。
しかし、それをどうしたか分からないが、犯罪組織が手に入れた。
2つ目に、完全な管理社会になっている未来では、死体の身元がすぐに割れてしまい、死体を処理できない状態にある。
3つ目に、タイムマシンを手に入れているマフィアにとっては、邪魔者を縛り上げ、マシンに乗せて、30年前に送り付け始末すれば未来の社会には何ものこらなくなるので、完全犯罪とすることができる。
そこで、マフィアは、30年前にエージェントを送り込みルーパーと称する殺し屋集団を組織させ、その時代の闇組織に殺害を依頼することにした。

ここで登場するのが、主人公の未来のルーパーであるジョー(ジョセフ・ゴートン・レヴィット)。
未来の殺し屋といっても、作業がいたって簡単。
ある場所で待ち受けて、タイムマシンで送られてきたターゲットを瞬間的にズドンと打ち殺すというもの。
いつものように、ターゲットが現れるのをいつもの場所で待っていると、目の前に現れたのは、なんと未来の自分…。
作品を真剣に見ていない私には、なぜそれが未来の自分だと分かったのかはいまだわからずじまいだが、その時ばかりは、なぜか目の前に現れたターゲットである30年後の自分オールド・ジョー(ブルース・ウィリス)を一発で仕留めることができず、最悪なことに取り逃がす始末…。未来の自分に髪がないのがよほどショックだったのだろうか…。"(-""-)"

最悪なことには、ただ殺されるために送られてきたはずの未来の自分には、ある目的があった。
この目的こそが、本作品を面白くさせるはずのスパイス。
で、主人公はそれを阻止するとともに、相手を殺害しなくてはならない状況に追い込まれ、追跡劇が始まるというもの…。

ここまで読んでくれた方に、いまさら言うのもなんだが、これ以上、書くと作品を見る価値が全くなくなるし、そろそろ出勤の時間なので、今回はここまでにしておきましょう。

作品中の粗を楽しみながらも、気軽に楽しんで見れるということで、評価「★★★☆☆60点」とします。

  


Posted by no-bu at 08:17Comments(0)映画

映画作品紹介「最強のふたり」

2013年05月22日

巷で話題の作品だったフランス映画「最強のふたり」をようやく鑑賞することができた。
この「最強のふたり」は、あの「千と千尋の神隠し」の記録をも上回り、2011年11月にフランスで公開され、「ハリー・ポッターと死の秘宝Part2」「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」などのハリウッド超大作を抑えて年間興収第1位を記録。フランス国民3人に1人が観たという。
さらには、ドイツでも7週連続1位となり、「アメリ」を抜いて過去ドイツで公開されたフランス映画の興収No.1を獲得。オーストリアでも6週連続1位、スペインでも記録を更新。第37回フランスアカデミー賞(セザール賞)に9部門ノミネートされ、オマール・シーが主演男優賞を受賞。昨年、開催された第24回東京国際映画祭ではグランプリと主演男優賞をW受賞するというすごさ。

なぜにそんなに素晴らしい作品となったか?

監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ他



「最強のふたり」は、車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越え友情を結んでいくストーリー。年齢や環境、好みなども全く異なる二人が、お互いを認め合い、二人一緒にいることで、刺激し合い変化しあっていく過程を描いていく実話を基にしたヒューマン・コメディーである。

簡単な話の流れはこうである。
パリに住む富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、体を動かすこともできない。フィリップと秘書のマガリ(オドレイ・フルーロ)は、住み込みの新しい介護人を雇うため、候補者の面接をパリの邸宅でおこなっていた。そこに、ドリス(オマール・シー)は、職探しの面接を紹介され、フィリップの邸宅へやって来る。しかし、ドリスは職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため、紹介された面接を受け、不合格になったことを証明する書類にサインが欲しいだけだった。にもかかわらず、気難しいところのあるフィリップは、介護や看護の資格も経験もないドリスを、周囲の反対を押し切って雇うことになる。
ここに実話のおもしろさがある。理由をフィリップの気むずかしさや変わった性向に落ち着かせてしまえばそれまでだが、フィリップはファーストインプレッションで何かをビビッと感じたはずである。周りの者からは計り知れないその思いつきともいえる“物好きな”選択が、その後の生まれも育ちも全く違う、趣味も個性も全く異なる二人がお互いを高め有っていく最強のパートナーとなっていくところに人生の妙が存在するのである。
“フィリップは、自分のことを病人としてではなく、一人の人間として扱ってくれる”ことを瞬時にかぎ取ったのであろう。

事細かに書くとこれから鑑賞される皆さんが面白くなくなってしまうので言わないが、障碍をもった方とのふれあいを描いた作品の場合、なぜにか何らかのテーマを見る側に押しつけてしまう傾向があるのだが、この作品は全くそんなところがない。それどころか、ドリスの行為を見ていると、障碍をある意味笑いものにしているような場面も多く存在する。しかし、ドリスのそのような行為が嫌悪感を生み出さないのはなぜなのだろうか?ここにこの作品の素晴らしさがあるのだろう。

オリヴィエ監督は、6月の来日時に行われたイベントで、次のように述べたという。
「今、ヨーロッパは経済危機など、さまざまな問題を抱えています。かつてのヒーロー像は超人的で人間離れしたものが多かったが、今の人々に受けるヒーロー像は、リアルで普通の人間。本作の主人公2人は、障害や、移民の問題で社会から排除された人間。誰も、そういう境遇になりたくないと思ってるが、その“怖い”とか“不安”という気持ちの上に“笑い”を入れることで、彼らがリアルなヒーローに見えるんです。それがヨーロッパで受け入れられたのではないかと思います」彼らが次第に、お互いの人生にとって決して欠くことの出来ない心の、魂の友となっていく、その過程から我々は自分たちの中にある壁を感じ、それを乗り越えるためのエッセンスを知ることになるだろう。

評価 ★★★★ 90点
  

Posted by no-bu at 19:00Comments(0)映画

映画作品紹介「SAFE」

2013年05月19日

“あまり何も考えずに、スカッとするような作品ない?”って聞かれたら、当然、私はすぐにこの人の出演作をおすすめいたします。

そう、 「トランスポーター」「エクスペンダブルズ」など、数々のアクション・サスペンス作品に出演してきた、あのジェイソン・ステイサムさんの作品です。

今回紹介する「SAFE」は、マフィアや悪徳警官から狙われた少女を守ってニューヨークの街を疾走するというノンストップ・アクション・サスペンスでございます。
監督は「タイタンズを忘れない」「アップタウン・ガールズ」のボアズ・イェーキン。


簡単なあらすじを申し上げますと、過去のある事件で職を失ったニューヨーク市警の元刑事ルーク・ライト(ジェイソン・ステイサム)が、地下格闘技のファイターとして落ちぶれた生活を送っていたある日、本来なら負けなければいけない八百長試合で誤って相手をKOしてしまい、そのせいで損害を受けたロシアンマフィアがルークの妻を惨殺。絶望したルークは地下鉄で飛び込み自殺をしようとするが、妻を殺したロシア人一味が1人の中国人少女メイ(キャサリン・チェン)を追っている姿を目撃し、とっさに少女を助ける。少女はある大きな秘密を抱えており、ルークは少女ともども、チャイニーズマフィアや汚職警官グループに追われる身となる、というものです。
さて、ルーク・ライトのその後はいかに…。

監督:ボアズ・イェーキン
出演:ジェイソン・スティサム、キャサリン・チェン、ジェームズ・ホン



本作鑑賞前に、ネットで鑑賞後の評価を見ていると、中国人少女メイがあまりにも不細工で作品の質を下げた!なんて評価をする人がいます。何という人でしょう。
ステイサムの作品には必ず美女が出なければいけないのでしょうか?
悪を許せない、心優しきタフガイ。弱気も守り、悪を叩く。それもド派手に!
ジェイソン・ステイサムの作品は、それで良いじゃないですか!
これまでもステイサムのアクション作品は、徹底してこの形だけを踏襲してきたはずです。
ステイサムのアクション作品のファンの皆様も、それ以外のことはのぞんでいないはずでは?
確かに、“なぜ彼がメイを気に留めたのか?”などの利湯が全く判らない“など、突っ込みどころはたくさんありますが、いいじゃないですかそれで…。
ステイサムのアクション作品とはそういうものなんです。

という思いで見て欲しい作品です。
こちらも、短く展開もスピーディで、平日の夜に“何―――も考えずに、期待せずにご鑑賞下さい。

評価 ★★★★☆ 80点

あらすじ(ネタバレ注意)
ニューヨーク。元市警の特命刑事だったルーク・ライト(ジェイソン・ステイサム)は、今はマイナーな総合格闘技のファイターにまで落ちぶれていた。ある日、八百長試合で誤って相手をKOしてしまった彼は、その試合で大損害を被ったロシアン・マフィアに妻を惨殺されてしまう。すべてを失いホームレスとなったルークは地下鉄のホームで飛び込み自殺をしようと立っていた時、一人のおびえた少女が、妻を殺したロシア人の一団に追われているのを目撃する。彼は追っ手を倒し、少女を救うが、今度はかつて彼を陥れたウルフ(ロバート・ジョン・バーク)率いる汚職警官グループやチャイニーズ・マフィアまでもが、少女を必死に追ってくる。その中国人少女メイ(キャサリン・チェン)は、一度覚えた数字を絶対に忘れない天才だった。チャイニーズ・マフィアのボス、ハン(ジェームズ・ホン)は、彼女の才能を利用し、不正に儲けた金や重要証拠などの入った秘密金庫の暗証番号を覚えさせるため、彼女を部下であるチャン・クワン(レジー・リー)の養子にしてアメリカに移住させたのだった。一方、チャイニーズ・マフィアの金庫強奪を企むロシアン・マフィアは、メイ自身が金庫の暗証番号の鍵だと知り、彼女を拉致しようとしていた。またウルフたちはチャイニーズ・マフィアとロシアン・マフィアを天秤にかけ、いい条件を出した側に就こうとしていた。そんな中、メイは携帯電話を探知され、チャイニーズ・マフィアに捕まってしまう。ルークはロシアン・マフィアのボスの息子を拉致し、その命と引き換えに彼らが狙っていた金庫の場所とその中身を聞き出す。チャイニーズ・マフィアが経営する違法カジノの地下にある金庫には、現金3000万ドルが眠っていた。ルークはウルフたちを味方に引き込み、違法カジノ摘発という名目でカジノを襲撃、金庫の中身を強奪すべく行動を開始する。激しい銃撃戦の末、現金の強奪に成功したルークはその金でメイを奪還するつもりだったが、メイを巡るこの争奪戦と抗争の背景には、ニューヨーク市長までをも巻き込んださらに巨大な陰謀が隠されていた。すべてを知ったルークはメイの安全を確保するため、命をかけて最後の死闘に臨むのだった……。
  

Posted by no-bu at 19:00Comments(0)映画

映画作品紹介「NAVY SEALS」

2013年05月18日

「何故、闘うのか?」
ホントに鑑賞後にそう思わせられた作品でした。


今回は、「NAVY SEALS」を鑑賞しました。
この“NAVY SEALS”2011年に、あのアルカイダのボス、オサマ・ビンラディンを暗殺したことでも有名です。彼らは、米海軍のなかから選りすぐられた、わずか0.5%の精鋭で構成されるという、超エリートの特殊部隊です。
このSEALSという名称は、SEが海のSEA、Aが空のAIR、Lが陸のLANDの陸海空の頭文字から構成されているそうで、あらゆる場面で特殊工作ができる能力をもった部隊という意味だそうな。ということは、陸軍が組織する特殊部隊「グリーンベレー」何かよりももっと凄い能力をもっている超エリート達が集まっているという訳!

さて、今回のこの作品の大まかなあらすじはこう!
医師に扮してコスタリカに潜入していたCIA女性エージェントが拉致される事件が発生する。黒幕は、麻薬取引や武器密輸で暗躍し財を成す、通称クリストという男と目される。アメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALSに出動命令が下り、隊員たちは迅速かつ的確に敵の拠点地を突き止め急襲し、エージェントを取り戻すことに成功。そのときに現場から押収した携帯電話を分析すると、クリストがイスラム系テロリストを支援し、全世界規模のテロを計画していたことがわかる。NAVY SEALSの中でも選りすぐりの精鋭たちに新たな国家の最高機密に関わる極秘指令が下り、ひときわ優秀なローク大尉は妊娠した妻を置いて熾烈な戦いが待つ任地へ赴く。
というもの…。

監督:スコット・ウォー
出演:ロセリン・サンチェス、ジェイソン・コットル、アレックス・ヴィードフ



さて、見終わった後の感想は、良くもなく悪くもなく…っていう感じ。正直あとに何も残っていない。何故、心に残るものが無いのかを考えると、この作品、確かに現役のNAVY SEALSの精鋭が生で出演しているので、戦闘シーンの生々しさ、本物の武器の迫力はリアルなものを感じるし、サウンド、映像、臨場感、迫力感ともに素晴らしいのだが、最終的には、何かプロモーション作品を見終わった感じで、作品の良さというものが残らない。
おまけに、“世界の正義をしょって立つアメリカ万歳”的なプロパガンダ的な匂いがプンプンする。これはフィクションだよと思ってみても、心のどこかで、アメリカなら本当に要人が拉致されたとなるとこんな風に奪還しかねんな!と疑いたくもなる。“正義”という名目があれば、ひとりの女性エージェントを助けるために何人もテロリストを殺しまくっても、それも正義というのか?
たった一つの映画ごときで、そんなことまで考えるなよ!と言われればそれまでだが…。

評価★★☆☆☆ 40点

あらすじ(ネタバレ注意!)
CIAは、一人の男を追っていた。
麻薬取引と武器密輸で莫大な富を手にする男、通称クリスト。
CIAの一番の関心は、彼と東南アジアのテロリスト、アブ・シャバールとの関係だ。
両者の接点を探るため、女性エージェントのモラレスがメキシコの医師を装ってコスタリカに潜入、クリストとシャバールの繋がりをつかむ。
だが、モラレスはCIAの動きに気付いたクリストに拉致されてしまう。
アメリカは直ちにネイビーシールズ出動を要請、任務はモラレス奪還。
ローク大尉率いるチーム7が闇のなかTバードから降下、目標地へ向かう。
川に囲まれたクリストのアジトを静かに着実に包囲する隊員たち。
屈強な見張りの男たちを一人、また一人と確実に射殺していく。
その時、モラレスの悲鳴が響き渡る。急がなければ彼女の命が危ない。
一気に踏み込んだ襲撃隊は反撃を受け、一等兵曹のマイキーが負傷するが、隊員たちは冷静に銃撃戦を制し、モラレスを確保する。
だが、安堵の間もなく2台の車両に分乗した敵の援軍が迫る。
銃弾が降り注ぐ激しいカーチェイスの果てに、隊員は車両ごと川へ突入、完璧なタイミングで現れた舟艇隊と合流し、任務は鮮やかに完了する。
だが、それは闘いのほんの入口に過ぎなかった。アジトから押収された携帯電話から、クリストとシャバールによる大規模なテロ計画が判明したのだ。
シールズに、新たな任務が発令される。折しもロークの妻は、第一子の出産を控えていた。かつてないほど重大かつ困難な任務を前に、ロークは一心同体の仲間であると同時に、私生活では兄弟同然の親友でもある副官のデイヴに、もしもの時の家族へのメッセージを託す。
チーム7から、エイジェイとレイがアフリカへ派遣される。
飛行場から兵器輸送を行うシャバールを追うのだ。大陸沖に降下した二人は、ほんの数分浮上した潜水艦に乗船、ソマリアへ向かう。
上陸した彼らからの情報で、シャバールの行く先がメキシコと判明する。
一方、姿をくらましたクリストを南太平洋に浮かぶクルーザーで発見、チーム4の協力を得て、これを迅速に確保する。
尋問のプロ、ミラーが出動し、家族の安全と引き換えに情報提供を迫る。
まだ幼い娘を想うクリストの口から語られたのは、歴史上最大級のテロ計画だった。
イスラム聖戦派のテロリスト16名が、ジェル型爆弾の球500個を付けた脅威の破壊力を持つ自爆ベストに身を包み、セラミック製のために金属探知機に引っ掛かることなく、国境を難なく越える。
行き先は、ラスベガス、サンディエゴ、サンフランシスコ--主要都市に向けて、“今”この瞬間にも計画が進行中だというのだ。
チーム7は、シャバールが待機するメキシコのメヒカリへと向かう。
アメリカとメキシコ両国が協力、現地軍が案内と援護につく。
しかし、目的地は現地の隊長も恐れる最悪の危険地帯だった。
  

Posted by no-bu at 19:00Comments(0)映画

映画作品紹介「96時間 リベンジ」

2013年05月17日

最近、今は「父さん、大好き!ハート」と言ってくれる愛娘が、近い将来、私に向かって「きもい!アガ!(痛い!)」っていうのは何時なのかと心配することが多くなってきました。

私個人的には、”そういうことはない!”ムキーと断言しておりますが、周りが絶対にそれはない!パンチ!と強く言います。世の中のお父さん、どうなんですかね?娘さんとずっと仲良しの方いらっしゃいますか?

ということで、今回も前回の「ゲット・バック」に続き、奪われた娘を助け出す強いお父さんのお話です。

リーアム・ニーソンが、すご腕の元CIA工作員ブライアンを快演したヒット・アクション「96時間」の続編、「96時間 リベンジ」です。
前作で壊滅寸前にした犯罪組織に仕返しのため捕らわれたブライアンが、自分と同様に命を狙われる元妻とまな娘を守ろうとする姿を“派手に”描いています。



監督:オリヴィェ・メガトン
脚本:リュック・ベッソン
出演:リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン




やはり、“続編”って、前作が“面白かった”ならば、当然期待するし、前作との関連も気になりますが…。
正直(前作との比較から)言うと、今回のこの「リベンジ」は少しがっかりしました。
この作品の見せ場の格闘シーンもイマイチだったし、ブライアンは凄腕と知っているはずなのに、リベンジしてきた敵があまりにも弱っちく間抜け…。

前作では、拉致されてしまった娘と言えば、今回は、寸前で拉致を逃れ、今回は、母親と父親を助ける側に回るのですが、娘が簡単に手榴弾を町中で投げまくったり、免許もろくに取れないのに、タクシーで派手なカーチェイスを繰り広げたりと、あまりにも無理があるシーンが多すぎました。
拉致されても手榴弾の爆発する音を頼りに秒数で自分がいる現在位置を把握するなんか、ある意味“さすが”ですが、話の展開上、もう少し伸ばしてよーっていう感じ…。
で、あの“秘密のトランク”は何だったの???
まあ、こちらも、時間も短いし、平日の夜にでもテンポよく見れる作品といった感じでしょうか。

評価 ★★★☆☆ 60点


あらすじ(ネタバレ注意)
イスタンブールで要人警護の職務を終えた元CIA秘密工作員ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)は、ホテルのロビーで元妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)と娘キム(マギー・グレイス)を迎え入れる。
彼の願いはこの休暇で家族の絆を完全修復することだった。
だが翌日、イスタンブールの名所のバザールに二人で出かけたブライアンとレノーアに、不気味な影が忍び寄る。
2年前、パリでブライアンに息子たちを殺害され、怒りに燃える初老のアルバニア人、ムラド(ラデ・シェルベッジア)が大勢の手下を引き連れ、復讐計画を企てていたのだ。
不審な尾行車を察知したブライアンは、ホテルに戻るように耳打ちしたレノーアをバザールの入口で下ろし、一味との怒涛のカーチェイス、そして激烈な乱闘に身を投じていく。しかしバザールの迷宮のような路地で立ち往生したレノーアを人質に取られ、彼女の身を案じて抵抗をやめたブライアンは、ホテルのプールにいるキムにその場所を離れ、ブライアンの部屋に隠れるよう携帯で連絡する。
レノーアとともに車に乗せられたブライアンは、頭に麻袋を被せられて視界は完全に失われていたが、時間をカウントし、車の進行方向や速度、周囲の物音をくまなくチェック、自分たちがどこに連れて行かれるかを分析していた。
薄暗い地下室に監禁されたブライアンは、隠し持っていた緊急用の超小型電話を取り出し、からくも追っ手から逃れて身を潜めていたキムにアメリカ大使館に避難するように告げるが、キムは危機に陥った両親を助けたい一心で大使館行きを拒絶、ブライアンの指示を仰ぐ。
そんな娘にブライアンは、様々な警護用アイテムが詰まったアルミケースからイスタンブールの地図を取り出させる。続いてキムに手榴弾を爆発させ、その轟音を手がかりに自分が囚われている場所を絞り込んでいく。
まもなくムラドが地下室に現れ、ブライアンの目の前でレノーアのノド元を刃物で切り裂き、血を流す彼女を逆さ吊りにする。
ムラドがその場を立ち去ると、ブライアンは必死に両手の拘束を解こうと試みる。
レノーアが絶命するまでに残された時間はわずか30分。
しかも、このとき既にキムの身にも敵の魔手が迫っていた……。
  

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映画作品紹介「ゲット・バック」

2013年05月15日

最近やたらと作品を出しまくっているニコラス・ケイジさん。
そんなニコラス・ケイジさんと最近みて“これ当たり!”と思った作品の一つ『エクスペンダブルズ2』を手がけたサイモン・ウェスト監督がタッグを組んで送る作品が今回の紹介作品。
娘を誘拐された主人公が12時間のタイムリミット内に命がけの奪還劇を繰り広げる様を描く。共演は、ジョシュ・ルーカスで、『J・エドガー』で見せた演技も好きだったので、こちらも期待大!

ちなみに、ニコラス・ケイジと監督のサイモン・ウエストは、『コン・エアー』の主演と監督コンビで、約15年ぶりにタッグを組む。




監督:サイモン・ウエスト
出演:ニコラス・ケイジ、ジョシュ・ルーカス、マリン・アッカーマン




一言で感想を言うと、“こんなもんでしょう”という感じ…。
まあ、B級ムービーっていうのは、こんなものをいうんだなって感じです。
クライム・サスペンス・ムービーでありながら、とりたてて派手な見せ場もなく、ド派手な爆破シーンや格闘シーンもなく、さらっと小気味よく話が展開していく。
正直、作品の粗を探すといくらでもみつかる。
例えば、銀行のビルの床ってあんな簡単に溶かして抜けるわけないでしょーーーー!って突っ込みたくなるし、なんでいちいち金塊を溶かす必要があるわけ!って、ひっくり返りそうになる。

まあしかし。テンポも良いし、時間も短いし、平日の夜にサラッと見るには良い作品かも知れません。

評価 ★★★☆☆ 60点


あらすじ(ネタバレ注意)
全米屈指の銀行強盗ウィル・モンゴメリー(ニコラス・ケイジ)は、長年チームを組む信頼のおける仲間たち、ヴィンセント(ジョシュ・ルーカス)、ライリー(マリン・アッカーマン)、ホイト(M.C.ゲイニー)らとともに夜の銀行に侵入、鮮やかな手口で金庫を破り、1000万ドルの強奪に成功する。
だが逃走中に仲間割れが起き、ウィルがヴィンセントに発砲、その様子を見て焦ったホイトの裏切りによって、ウィルは1000万ドルとともに一人路上に取り残される。
現場に駆け付けたパトカーを奪取し逃走を図るウィルだったが、警察の執拗な追跡によって最後は逃げ場のない倉庫に追い詰められ、FBI捜査官のハーランド(ダニー・ヒューストン)、フレッチャー(マーク・バレー)らの手によって逮捕される。
しかし、盗まれたはずの1000万ドルは跡形もなく消えていた……。
8年後。出所したウィルはその足で娘アリソン(サミ・ゲイル)のもとへ向かう。
8年ぶりに会う娘に許しを請うウィルだったが、アリソンはひとりタクシーに乗り込み立ち去ってしまう。
そんな娘の後ろ姿を茫然と見送るウィル。その直後、突然かかってきた電話の相手はヴィンセントだった。
昔の仲間の声に喜ぶウィルであったが、8年前の仲間割れに恨みを持つヴィンセントは「俺の分け前を寄越せ」と怒りをあらわにする。
「あの金は燃やした」とウィルは告白するが、それを信じないヴィンセントはアリソンを誘拐したことを告げ、12時間以内に1000万ドルを引き渡すことを要求する。
窮地に立たされたウィルは、かつて自分を逮捕したハーランドに助けを求めるが、消えた1000万ドルの件で逆に拘束されそうになったため、護衛の捜査官を打ち倒し逃走。
ウィルは警察からも追われる身となる。
孤立無援の状況で、警察の捜査網をかい潜り、ヴィンセントと娘の行方を必死に追いながら、同時に身代金のための無謀な銀行強盗を計画するウィル。
仲間の裏切り、警察からの追跡、誘拐犯との息詰まる心理戦の中、死に物狂いの父親は最後の賭けに出るのだった……。
  

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ボーンレガシー

2013年03月09日

ボーンシリーズ三部作
<ボーン・アイデンンティ>
<ボーン・スプレマシー>
<ボーン・アルティメイタム>

このシリーズは、本当に最高だった。
今でも時々、三作を連チャンで続けて見ることもある。
とにかく、マット・デイモンがはまり役で、このシリーズが終わると知った時に、非常に悲しかったのを覚えている。

そこに登場したのが、この〈ボーン・レガシー〉なる作品!
嬉しさとワクワクでたまらなかったのを覚えている。


で、今回の作品の流れは…

(あらすじ)
記憶を失った凄腕の暗殺者ジェイソン・ボーン。
彼をめぐる陰謀と死闘の裏で、同時進行していたもうひとつの計画と巨大な陰謀があった。それは、ジェイソン・ボーンに匹敵する能力を持つ、高度な遺伝子操作で生み出された最強の暗殺者アーロン・クロスを抹殺するというもの。
暗殺者養成計画という倫理を逸脱した計画の漏洩を防ぐため、隠蔽チームのリーダーのリック・バイヤーが全プログラムの抹消を命じたからだ。
アーロンは、工作員の体調を薬によって管理していた女性科学者のマルタと共に、真相を求めて闘うことになる…。


2012年・米=ユニバーサル/配給:東宝東和
原題:The Bourne Legacy
監督:トニー・ギルロイ
原作:ロバート・ラドラム
原案:トニー・ギルロイ
脚本:トニー・ギルロイ、ダン・ギルロイ
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ジェフリー・M・ワイナー、ベン・スミス
製作総指揮:ヘンリー・モリソン、ジェニファー・フォックス


http://youtu.be/LTGH2ygc-Wk

何度もいうが、あの大ヒットしたロバート・ラドラム原作、マッド・デイモン主演の「ボーン・アイデンティティー」に始まるシリーズ3部作の世界観を引き継ぎ、ジェイソン・ボーンの戦いの裏側で繰り広げられていた、もう1人のスパイの物語を描く新シリーズ第1作。監督は前3部作の脚本を手がけ、ジョージ・クルーニー主演「フィクサー」で監督デビューも果たしたトニー・ギルロイ。


間違いない!と意気込んで鑑賞した感想は?
ありえない。
ジェイソン・ボーンの名前は、いたるところに登場しますが、本人は全く登場なし。


本作品は、これまでのシリーズ三部作を全て観賞していることを前提とした作品であり、始めて何の予備知識もなしにこの作品単独では、全く意味が分からない言葉が満載。

トレッドストーン計画?
ブラックブライアー計画?

となること間違いなし。

こちらの用語は、シリーズの2作目と3作目でその中身が明かされているが、本作品では、全くシリーズ初心者に対しての復習的な解説や回想シーンなどもなく、???となること100%です。

ようするに、本作品はこれまでのシリーズ三作品を見ていない輩は、全く想定外という全くもって不親切な作品なのです。

「ボーン・アイデンティティー」
「ボーン・スプレマシー」
「ボーン・アルティメイタム」

を全て何度も鑑賞した上で、なおかつそれぞれの作品の内容をしっかり把握していることが前提の作品なのです。

作品の中身的には、そんなに嫌いな方じゃないけど、この不親切さは、個人的には許せません!

よって、今回は厳しく「★★★☆☆ 60点」  

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スーパー・チューズデー~正義を売った日

2012年11月06日

大接戦の米大統領選挙は、勝敗の鍵を握る激戦州で民主党のオバマ大統領がわずかなリードを維持したまま、本日の投票日を迎えている。




今日は、そうしたアメリカ大統領選挙戦の裏側をスキャンダラスに描いた政治サスペンスを紹介します。





「スーパー・チューズデー~正義を売った日(THE IDES OF MARCH)」



本作品は、2004年の民主党大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙キャンペーンでスタッフとして働いていたボー・ウィリモンによる戯曲「ファラガット・ノース」を、ジョージ・クルーニーが映画化したもの。

ジョージ・クルーニーふんする大統領候補の選挙参謀役にライアン・ゴズリング、共演には、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティら演技派俳優が豪華に名を連ねる。

監督:ジョージ・クルーニー
出演:ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティ、マリサ・トメイ、ジェフリー・ライト、エバン・レイチェル・ウッド、マックス・ミンゲラ

上でも述べたように、本作はジョージ・クルーニーの監督第4作目である。
大統領予備選の大勢が決まる、“スーパーチューズデー”を前に、そのスタッフの駆け引きを描いている、いわゆる政治サスペンスもの。

今回、クルーニーは大統領候補役で、主人公を演じるライアン・ゴズリングは、その予備選を支える若い上昇志向の強い広報官役。
本作品は、クルーニー監督作だけに、これまで同様、淡々と静かに話が進んでいくので、見方によっては好き嫌いがはっきり分かれるような作品になってはいるが、「人間は自己の保身のためなら、どこまで非情になれるか…」という、策略や裏切りが渦巻く政界の裏側を痛烈に批判した良作になっている。

クルーニー好きにはたまらない作品となっているだろう。

評価 ★★★☆65点

(あらすじ)
アメリカ合衆国大統領の座をめざし、民主党予備選に出馬したマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は、選挙ツアー最大の正念場を迎えようとしていた。
ペンシルベニア州知事として政治家の実績を積んだモリスは、ハンサムで弁舌に優れ、カリスマ性も十分。
そのうえ清廉潔白な人柄と揺るぎない政治信条で多くの有権者を魅了し、ライバル候補のプルマン上院議員をじわじわと引き離しつつある。
来る3月15日のオハイオ州予備選に勝利すれば、その勢いに乗って共和党候補をも打ち破り、ホワイトハウスの主になることはほぼ確実。
いよいよ一週間後に迫ったスーパー・チューズデーの決戦に全米の注目が集まっていた。モリスを支えるのは、ベテランのキャンペーン・マネージャー、ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)。
ある日、スティーヴンのもとに、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が電話をかけてくる。極秘の面会を求められ、一度は拒んだスティーヴンだが、何らかの情報提供をちらつかせるダフィの言葉巧みな誘いに負けてしまう。
ダフィの目的は、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだった。だがモリスに心酔しているスティーヴンは、その申し出を即座に拒絶。
その夜、スティーヴンは選挙スタッフのインターンである若く美しい女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで親密な一夜を過ごす。
翌日、スティーヴンはダフィとの密会の件をポールに打ち明け、謝罪するが、何より忠誠心を重んじるポールの怒りは想像以上だった。
二人の間には亀裂が生じ、ダフィとの密会は新聞記者アイダ(マリサ・トメイ)にも嗅ぎつけられてしまう。
圧倒的優勢を見込んでいたスーパー・チューズデーの雲行きも怪しくなり、スティーヴンを取り巻く状況はまたたく間に悪化していった。
そんな中、ポールからクビを宣告されたスティーヴンは、プルマン陣営への寝返りを決意するが、態度を豹変させたダフィにすげなく門前払いされてしまう。
怒濤の嵐が吹き荒れるスーパー・チューズデー前夜、正義を売る者たちの最後の壮絶な駆け引きが始まった……。
  


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キリングショット

2012年10月07日

九回裏、得点は3-2。
1点を追うチームが、二死満塁の逆転のチャンス。

ここで登場するのが、かつての三冠王。

最近は代打での登場が多いが、かつては、めっぽうチャンスに強く、かずかずの名場面を演出してきた名選手。

当然、観客はがぜん興奮、球場全体がヒートアップ。

さて、その結果は…………。

『キリング・ショット』

アーロン・ハーヴェイ監督/ブルース・ウィリス、フォレスト・ウィテカー、マリン・アッカーマン、他)






残念ながら、見事な“三球三振”で、ゲームセット。

そんな感じの作品でした。

ここで、三球三振の幕引きを演出した名選手とは?

そう、ブルース・ウィリス。







誰でもそうだと思いますが、本作を見ようと思う目的は、主演のブルース・ウィリスのアクションなのではないかと思いますが…。

しかしながら、主演のはずが出番がかなり遅く、前半は謎の男として、露出があまりにも少ないし、作品中でどんな位置づけなのか全く分からない。
しまいには、派手なアクションは皆無…。
あるのは、至近距離からの銃撃戦のみ。
あまりにも、ミスマッチな感じがします。
なぜに、こんな作品に積極的にでるつもりになったのか、かなり疑問?
年齢的な問題で、アクションを意図的に避けているのか?

本作を見ていると、とにかく“タランティーノ臭さがプンプン”します。
まさに、タランティーノ・シンドロームな作品。

ほんとに作品の展開、曲づかい、どこから切っても“金太郎アメ”みたいに、タランティーノの匂いがします。

おそらく、タランティーノ作品に対するオマージュなのでしょうか?

特に、作品の入りのとりとめのない意味のないガールズトーク。
まさに、タランティーノ作品を意識した入りになってますが、最初から非常に退屈きわまりない…。
そして、何度もカットバックする時間軸のリフレイン、あまりにもくどすぎます。

何度思い返しても、“残念”の一言に尽きます。

「総合評価 ★★ 40点」


(あらすじ)
夜のラスベガス。
金髪美女のテス(マリン・アッカーマン)は、仲間の姉妹ドーン(デボラ・アン・ウォール)とカラ(ニッキー・リード)と共に車を走らせている。
3人は女強盗にしてヤクの売人であり、犯罪組織のボス・メル(ブルース・ウィリス)の命令で、郊外のダイナーに向かっていた。
そこでメルのシマを荒らしている奴らの取引が行われるため、先回りしてトラックで運ばれてくるヤクを取り押さえ、彼らの正体を暴くのが彼女たちの目的だった。
3人は前回の仕事をしくじっており、これ以上の失敗は許されない。
夜の140号線を南下していた車は、エルモアと名乗る黒人の警官に呼び止められる。
警官は目的地まで後ろから着いていくと言い張り、彼女たちは渋々承諾する。
しかし彼は、ある警官を射殺し、その制服を奪ったニセ警官だった。
間もなくダイナーに到着する。
店内には、トラック運転手と1組の夫婦らしきカップルとウェイトレスがいた。
店主と思しきウェイトレスが何か知っているはずだと判断した3人は、店内に向けて銃を構える。
ウェイトレスはライフルを取り出し、カラを射殺する。
激情したドーンはウェイトレスを射殺するが、トラック運転手がドーンを射殺する。
テスは即座に運転手を撃ち殺す。
すると店の奥から、ライフルを構えたコックのビリー(シェー・ウィガム)が出てくる。ビリーは、テスを殺せばメルから大金が貰えることを告げる。
そこにニセ警官が入ってきて、怯えるカップルを射殺する。
彼は、2年前、キャバレーで働いていたテスをスカウトしてメルに紹介した、自称“配達人”のロニー(フォレスト・ウィテカー)だった。
メルは、前回の仕事に失敗したテスたちを消すようビリーに命令していた。
密かにテスに恋していたロニーは、ビリーが貰っているはずの報酬を奪ってテスと逃げようと誘う。
しかしビリーは、金はまだ貰っていないと主張する。
一方、ロニーの顔も覚えていなかったテスは、突然の求愛と、メルの真意が分からず戸惑う。
  


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BRAKE

2012年10月04日

私は、“密室”ものが好きです。

いえいえ、私自身が密室にはいるのが好きというわけではありません。

ある閉じられた空間を軸に話が展開していく作品が好きなんです。

なぜかと言いますと、当たり前のことですが、そのような作品においては、“何の特殊効果もない限られた空間、シチュエーションの中で見せる出演者の演技力=その作品のおもしろさ”となります。

必要以上のSFXや場面展開で“面白いとごまかされる”作品よりは、ストーリー展開のおもしろさ、出演者の演技力などがリアルに作品のおもしろさに直結するため、作品中、色々な工夫が凝らされので、それのでき如何では、最低の作品になるか、最高の作品になるかのどちらかでしょう。

そうした作品に初めてであったのが、私の大好きなコリン・ファレル主演の「フォーン・ブース」で、電話ボックスという限られた状況の中で繰り広げられる展開のおもしろさ、コリン・ファレルの演技力に脱帽したのを覚えています。

最近では、なぜかしら、制作費をかけずに密室状況で軸にストーリーを展開させていこうとする作品が多くなっています。

例えば、前線の戦いの中、戦車という閉じられた空間を取り扱った「レバノン」、イラクで突然襲われたトラック運転手が棺桶の中に閉じこめられるというストーリー展開の「リミット」などが挙げられます。

いずれの作品も鑑賞しましたが、やはりフォーン・ブースを越えるものはありません。
ある意味、そうした作品があまりにも好きすぎて、期待が大きすぎて、そのハードルが高すぎるのかも知れません。

そんな“密室好き”の私が今回、発見した新たな作品、それが「BRAKE」です。



疾走する車のトランクの中で特殊な箱に閉じ込められ、次々と予測不能なトラップに襲われるシークレットサービスの運命を描いた作品です。

主演は、『ブレイド』『SOMEWHERE』のスティーヴン・ドーフが務めます。
疾走する車のトランクの中で特殊な箱に閉じ込められるという逃げ場のない空間に閉じこめられ、4分ごとにさまざまな攻撃が加えられる状況で主人公がどのように戦い、脱出することができるのかが、見物です。





「BRAKE」

監督 ゲイブ・トーレス
出演 トム・ベレンジャー、カイラー・リー、スティーヴン・ドーフ、カリ・ローシャ、プルイット・テイラー・ヴィンス、JR・ボーン、サミー・シーク

当たり前ですが、この作品は、完全に上で紹介した「リミット」の完全なるパクリ以上のものではないのですが、作品の質、おもしろさ、評価としては、こちらの方が若干上でしょうか。

「リミット」と比較すると、主人公が襲われそういう状況におかれる理由づけが、この「BRAKE」では、はっきりしているからです。

よって、その理由づけをもとに、その状況をどう打開するのか、どのように話が展開していくのかという点で、「リミット」よりも、登場人物に気持ちを寄せやすいというてんがあげられるでしょう。

最後の場面で、「あーあ、このまま終わりならつまらないな」と思わせておいて最後にもう一捻りあるわけですが、その辺が作品の評価の分かれるところだと思いますが、その辺に関しては、見られた方の感想を伺いたいところです。

そうそう、この作品、個人的には、吹替え版で見ることをおすすめします。
それも、どちらも試して感想をお聞かせ下さい。

「総合評価 ★★★ 60点」


(あらすじ)
シークレットサービスのジェレミー(スティーブン・ドーフ)は、突然何者かに誘拐される。
気がつくと身動きが出来ないほどの大きさの箱の中。
車のトランクの中に閉じ込められていたのだ。
デジタル時計が4分カウントダウンするごとに、次々と襲い来る罠。
しかし、死のギリギリで“ブレーキ”がかかり、また新たな攻撃が加えられる。
死と等しい苦痛の連続。
犯人の目的は一体何なのか……?
そして、ジェレミー自身もまた、ある国家機密を守る“ブレーキ”だったのだ……。
  


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Black&White

2012年10月02日

昨日は、学園祭一日目。
我がクラスは、模擬店担当。
私は、模擬店たるものがどんなに忙しいのか、段取り、連携をいかにうまく取るのか考えて実践できなければ、パニック状態になると!事前に伝えていたが…。

等の当事者達は、入念に段取りしたつもり…。
しかし、案の定、長蛇の列で、お客さんを待たせてしまう状態で、お客からは不満の声も…。ガ-ン

現実をまざまざと体験し、自分たちがいかに何もできなかったかに、かなりショックを受ける面々。

実は、当初からこうなることはある程度、予想済みではあったが、私の方もこんなに客が殺到するとはとあまりの客の多さに内心びっくりしていたというのが事実!

予想以上のことがおきてしまい、びっくりしていると同時に、本日の二日目は、リベンジ!
生徒達は、今回の経験をもとに、昨日のようなことがないように、入念にミーティングをしたよう。
さて、その作戦は、白と出るか黒となるか…。
(話の内容を聞いていると、だいたい、経験上、どうなるかは分かってしまうが…)

そうそう、白か黒かといえば、この作品…。

「Black&White」




監督:マック・G
出演:リース・ウィザースプーン、クリス・パイン、トム・ハーディ

『チャーリーズ・エンジェル』、『ターミネーター4』のマックG監督が放つ最新作です。



CIAの腕利きエージェント・コンビが挑むとあるミッション。
そして、そのミッションの裏側では、CIAの人員と技術を惜しみなく駆使して繰り広げるプライベートなミッション= 職権乱用が繰り広げられる。

『スター・トレック』のクリス・パインと『インセプション』のトム・ハーディが、対照的なキャラでリース・ウィザースプーンをアホなまでに男の意地をかけて取り合うのだが、そのお馬鹿さんぶりには、半分呆れるが、その呆れちゃう部分が面白いかも…。

しょうがないですな、監督は、マック・Gなので…。

作品中な登場人物や流れの細かい設定よりも、スピードと下ネタとお笑いとアクションで勝負!

公私ともに大親友で互いになくてはならない存在である二人が、一人の女を取り合うために、大人げないことをここまでかってくらいにやられると、最初はそんなのありえないと思っていてもできちゃうかもって思ってしまうくらい…。

スピード感あるアクション・シーンも楽しいが、個人的に楽しんだのが、下ネタ満載の会話。

ローレンとトリッシュの会話中の、「FDRは手が小さい」「タックは英国人だから」などという隠語の数々…。
色々とこの件についても、ネットで真偽のもとを調べてみましたが、あるんですね、色々と…。
ここでは、都合により詳細については述べませんが、お好きな人はどうぞ!

前回も、何も考えずに、時間つぶしの作品を紹介しましたが、今回の作品もまさにそう!
暇を持て余している皆さん、ぜひどうぞ!

「総合評価 ★★★ 60点」


(あらすじ)
ある日、CIAの凄腕コンビFDR(クリス・パイン)とタック(トム・ハーディ)は、闇商人の取引現場を抑える極秘任務でターゲットを逃走させてしまい、謹慎処分になってしまう。
暇を持て余したタックは恋人紹介サイトで知り合ったローレン(リース・ウィザースプーン)という女性とデートをすることに。
一方FDRはレンタルビデオ店でナンパをするが、思い通りにならない美女に夢中になってしまう。
その女性はローレンだった。
紳士的なタックとロマンチストなFDR、ローレンの心は揺れ動き、ついつい二股をかけてしまう。
ところが、とある出来事でFDRとタックはお互いの恋人が同一人物だと知り、ローレンを我がものにするべく、それぞれ“重要任務”と偽って精鋭チームを招集。
二人がCIAだとは知る由もないローレンの影で、宿命のライバルは史上最大の恋の戦争を始めようとしていた……。


  


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バトル・シップ

2012年09月29日

ユニバーサル映画が100周年を記念して放つアニバーサリー大作”っていう触れ込み。





絶対に見たくなりますよね、映画好きなら誰しも…。

そうそう、今まで何度もそういう触れ込みでだまされ続けてきた私ですが、どうしても、“もしかしたら…”という淡い期待がこみ上げてしまうのです。

基本的には、“どうせあたらない”と高を括っているものの、裏腹に“もしかしたら…”と思いつつ購入する宝くじと一緒ですね。

そうそう、この作品、『マイティ・ソー』でハリウッドに進出した浅野忠信が主役級の役どころで出演していることでも、かなりアピールされているし、話題を呼んでいますね。

先に言っておきますが、ただいま沖縄地方は台風。

この記事を書きながら、三度ほど、停電しかけています。
停電するか、記事の投稿がさきか…。

この作品のバトルよりも、こっちの方のバトルが面白いかも!


さて、台風の時の時間をつぶすために、何も考えずに見れる作品が重宝します。
これは、それに打って付けの作品かもしれません。

「バトルシップ」(原題:BATTLESHIP)
監督・製作:ピーター・バーグ
出演:テイラー・キッチュ、アレクサンダー・スカルスガルド、リアーナ、ブルックリン・デッカー、浅野忠信、リーアム・ニーソン、ジェシー・プレモンス、グレリー・D・ガドソン、ハミッシュ・リンクレイター、他




映画が始まるや否や、説明の中で“地球外生命体を探すために、今までよりも5倍強い電波を発信するビーコンプロジェクト”の開始についての説明の後、次のような字幕…。

「例えば地球外生命体がコロンブスで、俺たちが先住民だったら?」

なんてわかりやすい作品(笑)

要するに、人類の長い歴史の中で起こったことが、いま、宇宙人と地球人の間で行われる訳ね…。

この作品、本当に粗を探そうと思えば、いくらでも探せるし、ホントあきれる部分もたくさんあって、真剣にこれ“ユニバーサル映画100周年”って舐めてんのかな?と思うくらいです。(なのに台風のときに見てくださいって薦めてっているのも変ですが…)

作品のスタートから、主人公の突拍子もない行動から…。
兄であるアメリカ海軍の立派な軍人であるストーンに、誕生日を祝ってもらいつつ、いい加減にしっかりしろという説教を受けている弟のアレックスは、いい年なのだがニート…。そんな兄弟の会話の最中に、いい加減な主人公のアレックスが発見したのが、カウンターのブロンド美女。
速効で兄を無視して、アレックスはブロンド美女をナンパに…。
彼女は、「ブリトー食べたい」と店員に要求するが、“もう終わった”の一言で一蹴。
そんな彼女をナンパするために、アレックスのとった行動は、閉店後のコンビニを破壊してのブリトーの購入。
料金はきちんと置いているけど、しっかり防犯カメラにその間抜けな行動の一部始終が撮影され、急行したパトーカーに追われて見事に逮捕。
しかし、ちゃっかり、彼女には、ブリトーを渡すところがすごい!

しかし、今まで結構な作品を見てきたが、のっけからこんなに破天荒というか、とんでもない行動をする奴は初めて…。

それからしばらくすると、宇宙から未確認飛行物体が地球に飛んでくるんだけど、なぜその未確認飛行物体やエイリアンが地球にやってきたのは、最後まで明かされないまま…。

っていうか、エイリアンと交流したくて五倍もの強力な電波を送ったんだろうが!

おまけに、よく考えると、先に攻撃したのは地球軍の方で、エイリアン側は攻撃されたことに反応し、攻撃し返してきただけじゃないか?
むしろ攻戦的なのは、地球人の方で、エイリアン側が無理やり壮大なバトルに巻き込まれたって感じ…。

おまけに、エイリアンが攻撃を開始した途端に、その未確認物体の正体について、「中国だろ」、「北朝鮮だ、絶対」という始末…。
中国や北朝鮮は、この作品のこのコメントみて怒らないのだろうか…。

当然ながら、“ともだち作戦”ばりのアメリカ、日本共同作戦でエイリアンへの攻撃が進み、最後はハッピーエンドで、エイリアンを倒して話は終わり、最初にナンパされたブロンド美女の厳格な父と主人公のアレックスが打ち溶け合って、ちゃん♪♪ちゃん♪♪って感じなんだけど、冷静に考えれば、あんだけの高度な技術と能力を誇るエイリアン軍団が、引退した駆逐艦なんかの砲撃でやられてしまう訳がない。

まあ、そこらへんが、アメリカ映画のアメリカ映画たるゆえんらしくって、おもろいといえば面白いが…。

今回は、壮大なロケーションとSFX技術に対し敬意を表し、「総合評価 ★★★ 60点」というところで…。


(あらすじ)
ハワイ沖。アメリカをはじめとする世界各国の自衛艦が集結して大規模な軍事演習が行われるなか、沖合に正体不明の巨大な物体が出現する。
それは、地球からの友好的な呼びかけに応じて飛来したエイリアンの母船だった。
しかし、呼びかけを行った科学者たちの意図とは裏腹に、エイリアンは次々と未知の武器を繰り出し、激しい攻撃を仕掛けてくる。
その戦いの最前線に立たされたのは、演習に参加していた米海軍の新人将校アレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)と、彼がライバル心を燃やす自衛艦の指揮官ナガタ(浅野忠信)だった。
弱点も戦略も読めないエイリアンに対し、知力と体力の限りを尽くして立ち向かう海の精鋭たち。
果たしてエイリアンの攻撃の目的は何なのか。
アレックスとナガタはそれを阻止することができるのか。
そして、彼らは地球を壊滅の危機から救うことができるのだろうか……
  


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HANNNA

2012年09月28日

昨日、沖縄方言で言うと“ちむーふぎない”(納得いかない、合点いかない)事が職場であったので、イライラしながら寝たら、早々と四時過ぎに目が覚めて寝れないので、朝早くからこの記事を書いています。

そこで、見たけどまだレビューしていない映画作品のご紹介。




「ハンナ Hannna」
監督:ジョー・ライト
出演:シァーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット、トム・ホランダー他

予告編はこんな感じ!




本作では、『つぐない』でキーラ・ナイトレイの妹を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンが、再びライト監督と組んでおります。





主人公のハンナは、他人と一切接触する事なく山里深い場所で父親に育てられ、戦闘技術や諜報術といったスパイ戦闘員としての超エリート教育を受け育ってきた16歳の見た目は、とてもカワイイ女の子。
全く外界そして父親以外の他人とふれあったことのないハンナが、エリート教育の目的となるミッションを達成するために初めて外の世界に出て、モロッコ、スペイン、ドイツと旅をしていく過程で、父親以外の他人と出会う、その出会いの中で彼女の中に起こる微妙な変化を描いていきます。

冒頭から、“こんなんありかよ”という想定外のシチュエーションとシアーシャ・ローナン演じるハンナの見た目のギャップに、ただただにびっくりさせられます。
なんせハンナは、国家による「殺人兵器」プロジェクトにより、遺伝子操作され、恐れや哀しみの感情は排除され筋力は増強され、戦闘能力と多国言語、偽の経歴を叩き込まれて育てられていく訳ですから…。

外界・他人との接触の経験がない分、初めてあった人達からすると彼女は簡単にいうと、ちょっと訳の湧かないことを言ったり、変な行動を取る“不思議ちゃん”。その辺の不思議ちゃん的な所だけは、シアーシャ・ローナンの見た目とマッチしていた感じがします。

けど、最終的に、“見終わった後に思い起こすと、イマイチなにも残っているものがない”というのが端的な感想…。
唯一、無理に挙げるとすると、アクションシーンになるとボリュームアップされ使われていたケミカル・ブラザーズの曲とリズム良いハンナの殺人シーンのみ。
こうしたシーンのために、シアーシャ・ローナンは、そうとうトレーニングしたでしょうね。
正直、ハンナが外界に出て、初めて合う人間との交流との中で起こる変化の方にも重きを置いて描いてくれると、殺人マシーンとして育てられた部分とのギャップが鮮明になってくるし、人間くさい部分も描けてくるし、深みと厚みが出てきたかと思います。

ということで、何も残っていないし、「総合評価 ★★☆ 30点」

シアーシャ・ローナンファンの皆様すみません。


(あらすじ)
ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、元CIA工作員の父エリック(エリック・バナ)とフィンランドの山奥で人知れず暮らし、並外れた格闘テクニックを叩き込まれた少女。
愛らしい外見に反し、痛みを知らず、感情を持たないまま16歳に成長する。
いつしか戦闘応力が父を越えるまでになったハンナに、ついに外の世界へ旅立つ日が訪れる。
だが、ある任務によってヨーロッパへ旅立った彼女を、かつての父の同僚であるCIA捜査官マリッサ(ケイト・ブランシェット)が執拗に追う。
行く手を阻むマリッサの手下との壮絶な戦いの中で、ハンナは自身の卓越した身体能力の秘密を知ることになる……。


  


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マシンガン・プリーチャー

2012年09月27日

衝撃的といえば、衝撃的なんだろうけど…。
見る人によっては、賛否分かれるだろうな~。




元麻薬売人からアフリカの子どもたちの命を守る人生へ

“銃を持った牧師”と呼ばれる、サム・チルダースを知っていますか?





壮絶な彼の人生を通して世界の真実がみえてくる――






「マシンガン・プリーチャー」
監督・製作:マーク・フォースター
製作総指揮・出演:ジェラルド・バトラー
出演:ミシェル・モナハン、マイケル・シャノン、キャシー・ベイカー、スレイマン・スイ・サヴァネ、マデリーン・キャロル

(サム・チルダースの活動について)(公式ページより)


<生い立ち>
1962年6月生まれ(現在49歳)
サム・チルダースは、ペンシルベニア州で慎み深く誠実な両親のもと育てられた。
しかし、小さい頃から何かと問題を起こしては、元海軍の父親から「そのうち誰かに殺されるよ」と言われていた。
10代から、サムはよく喧嘩を起こし、またドラック売人になり、女遊びも激しかった。
彼は暴力と犯罪と隣合わせの生活に陥り、やがてショットガンナーと呼ばれる麻薬売人のための銃携帯のガードマンとなる。
同時期に、彼は後に妻となるストリッパーのリンと出会うのであった。
サムは父親のあの言葉のように、いつか麻薬関係で殺される日が来るのではないかという不安がよぎるようになった。
そして、ゆっくりとではあるが足を洗う努力を始めた。
彼は建設現場の仕事を見つけ、ドラッグと酒を止めることに成功する。
一方、リンは昔行ったきりになっていた教会に再度通い始めたのだった。
サムも信仰をきっかけに、人生を再スタートさせた。ゆっくりではあるが、物事は良い方向へ向かっていった。
リンは健康な女の子を出産し、サムは自ら建設業を始めた。
すぐそばまで人生最大のチャレンジが待ち受けているとは誰も知らなかった。
1998年、サムは南スーダンのYei村を訪れる。
そのころアフリカは第二次スーダン内戦の真っ只中である。
彼は本国の司祭に促され、内戦の被害にあった住居を修復する派遣団体に参加したのだった。
この任務中、サムは偶然地雷によりバラバラになった子どもの死体を発見してしまう。
彼はひざまずき、そして南スーダンの人々を救うためなら何でもしようと神に誓ったのであった。

<スーダンの村に孤児院をつくる>
孤児院をつくるという彼の考えは、地元の人たちにとっては到底実現出来ないであろう理解し難いものだった。
LRA(神の抵抗軍)は3万人(※2009年時点、現在は推計20年間で4万人以上)の子ども達を誘拐し、数十万人にも上る市民を虐殺した野蛮な抵抗軍がこの地域を支配していたからだ。
しかし、サムは頑固であった。
彼は米国に戻り、建設業の仕事道具を売り払い、アフリカに金を送った。
そして、徐々に孤児院は形を成していった。
昼間は雑草を刈り取り、子どもたちが住むことになる小屋を建てた。
夜は聖書を片手に軍用小銃AK-47をもう片手に、かやを吊るした木の下で睡眠を取った。
一方、ペンシルベニア州でのリンと娘のペイジは別の窮地に立たされていた。
自家用車は差し押さえられ、家は抵当に入れられていた。
サムは住宅ローンを払うか孤児院を完成させるかのどちらかを賄えるだけの金しか持っていなかった。
結果、彼は有り金をアフリカに送ることを選択する。
孤児院が完成すると、サムは武装した一軍を率いてLRAから子どもたちの救出を始めた。
彼の活動のうわさは瞬く間に広まり、いつしか村民は彼のことを「マシンガン・プリーチャー」と呼ぶのであった。
13年後、1000人以上の子どもの収容経験を持つサムの孤児院は南スーダンで最も大きい孤児院となっていた。
そして今日でも200人以上の子どもたちがその孤児院で生活している。
不幸にも、今だ多くのスーダンの子どもたちが被害に合い、救いの手を求めている。
サムとリンは今でもペンシルベニア州の同じ家に住み、13年前と変わらずスーダンの子ども達の窮地に手を差し伸べている。



本作品のエンドロールで主人公、サム・チルダース本人が、こう言っている。
もし、あなたの子供や家族が誘拐されたとする。そこで俺が連れ戻してやると言ったら、あなたはその方法を問うだろうか?

この質問に「いいえ」といえる人はなかなかいないだろう。
中には、そう答えない方もいるかも知れない。
理想論では、なるべく“暴力”を排除する方法で…と心のどこかでは、思うかもしれない。しかし、現実的には、多くの人は「当然、自らの愛する人が何ものかにさらわれ、その命が危うい状況にあるならば、それを奪還するために、その手段を問わない」と思う。

まさに、サム・チルダースは、この理想論と現実の狭間で闘っている。
スーダンでは、長年、北部のアラブ系(イスラム教)の政府と南部のするアフリカ系住民(アミニズム・キリスト教)の血で血を洗う内戦が続き、この内戦の犠牲者は200万人近くに及ぶと言われる。
こうしたスーダンの内戦に絡んで、南部の弱体化を狙う北部スーダン政府の支援を受けて登場するのが、LRA(神の抵抗軍)だ。
サム・チルダースが闘う相手、それがこのLRA(神の抵抗軍)なのだが、このLRAは元々隣国のウガンダを拠点とする反政府勢力で、北部スーダン政府の支援を受け、南部スーダンまで足を伸ばして村々を襲い、子供たちを誘拐していく。誘拐された子どもたちはというと、男の子は子供兵士に、女の子は売春婦にして搾取される。
このLRA(神の抵抗軍)の創設者で、四半世紀の間リーダーとして君臨するジョセフ・コニーは、聖霊と話が出来る霊媒を自認するキリスト者でもあり、LRAは言わばキリスト教系のカルト集団である。
こうしたLRA(神の抵抗軍)の蛮行に関しては、当然、世界中から大きな批判を浴びており、その事実や批判、対応に関しては、「コニー2012」といわれる米国を発信源とするキャンペーン動画に詳しい。(この動画に対する評価は、賛否両論分かれているが、ここではそのことについて論じない)





さて、何かを守るために、力は力で応戦するとの考え方は賛否分かれるだろう。
サム・チルダースも活動を進めていく中で、当初の彼の思いと行動は、彼の衝動的な性格にも影響されているだろうが、違う方向へと進んでいく。
ある日、自分を狙ったLRAの凄腕スナイパーを射殺したら、彼もまた子供兵士だったというやり切れない現実を突きつけられ、その事に精神的に追い込まれていくサム。
追い込まれていった彼の思いは、「子どもたちを守る」ということから、「自分の行動を阻害する者たちへの憎しみ」へと変貌してしまうのである。

そんな追いつめられたサムの心を救うのは、かつて彼が救い出した一人の少年の言葉だった。
私自身の精神状態も作品を鑑賞する過程で、冷静な精神状態を失い、その憎しみは怒りと暴力の正当化へと向かっていたところだった。

憎しみで心を満たしたら、奴らの勝ちだよ

村を襲ったLRAの兵士に命じられ、自らの手で母親を殺したという壮絶な過去を持ち、今も生き別れになった弟の行方を捜し続けているこの少年の言葉は、静かにそして力強くサムと私の心に突き刺さった。そして、私たちは、ふと我に返った。

あなたは、この作品を見て、何を感じ、何を考えるだろうか?
多くの人にこの作品のこと、そしてスーダンの現実について知って欲しい。

「総合評価 ★★★☆ 75点」
  


Posted by no-bu at 12:10Comments(0)映画

ヒューゴの不思議な発明

2012年09月18日

 第84回アカデミー賞、最多の11部門にノミネートされ、撮影賞、美術賞、音響編集賞、録音賞、視覚効果賞の5冠を獲得した『ヒューゴの不思議な発明』を鑑賞。

 本作は、ブライアン・セルズニックの小説「ユゴーの不思議な発明」をもとに、あのマーティン・スコセッシが監督した作品。

 
マーティン・スコセッシ作品には、“リアルな暴力描写”が多いが、本作に関しては、ジェームズ・キャメロンが試写会後の会見において、本作を「ようやくできた子供たちを連れて行けるスコセッシ映画」と評しているように、その対象の幅を大人だけでなく子どもまで広げ意識した作品となっている。(私個人的には、小学校高学年以上の子どもでなくては、ちょっと?という感じはするが…)

「ヒューゴの不思議な発明」
原題:Hugo
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ブライアン・セルズニック




まず本作は、映画をこよなく愛すスコセッシのジョルジェ・メリエスへの尊敬と敬意を現すものとなっている。
ご存じのように、メリエスとは、映画史上最初の本格的SF映画といわれる「月世界旅行」(1902年)を制作した人物である。

 最初の頃に日本でも映画を“活動写真”と呼んでいたように、創世記における映画は、単に動くものを記録するだけというごく単純なものであった。
しかし、SFXの創始者とも賞されるメリエスは、様々な技術の開発~多重露光やディゾルブ、ストップモーションの原始的なもの~し、世界初の職業映画監督とも呼ばれている。
こうしたSFXの創始者たるメリエスへのオマージュとしても、スコセッシは、本作で彼自身初めて3D技術を用いており、その事に関しても、ジェームズ・キャメロンが「今まで見た中で間違いなく最高の3D映像」、「それは(スコセッシ自身の)美術的表現に常に効果的に使われていて、決して邪魔になっていない」と最高の賞賛を与えている。


  メリエスに話を戻そう。
ネットで調べてみると、彼は「もともとマジシャンで劇場経営者であったが、1895年に、同じくフランスのリュミエール兄弟による映画の公開を見て映画製作に乗り出した」ようである。
「彼の最も有名な作品は、1902年の映画『月世界旅行』で」、「1本の映画の中で複数のシーンがあり物語が存在するという、当時としては画期的なものであった。」ちなみに、本作でも、この月世界旅行の1シーンがイラストで登場する。
上でも述べたように、当時単に動くものを記録するだけのものだった映画の世界に、メリエスは、自身が元マジシャンであったことを活かし、その手法を駆使し、さまざまなトリック撮影を組み入れ、この「月世界旅行」を制作・公開したちまち人気者となった。
実際に、ご覧になられても分かるように、この「月世界旅行」は、わずか16分の短編であるが、ここには現在に至るまでの映画の魅力がたくさん詰め込まれている。


現在、映画界にその名を轟かせているスピルバーグやジョージ・ルーカス、ジェームス・キャメロンらの作品の多くが、このメリエスの「月世界旅行」をその元祖としている。

 このように、映画史におけるこのような素晴らしい業績にもかかわらず、メリエスの晩年はかなり寂しいものであった。
本作にもあるように、彼は、いつしか映画界から忘れられ、パリのモンパルナス駅で細々とおもちゃ屋を営んでいたという。
本作は、この時期に彼をその後の作品づくりへとインスパイアすることとなった少年との出会いを描いている。

 あらすじにも触れることになるので、端折るが、色々と評価は分かれるようであるが、個人的には、最後の場面で心を閉ざしていたメリエスが、ヒューゴのおかげでもう一度表舞台に立つ事となるのは、非常に感動的であった。
そういう面でも、個人的には、子ども心を思い出しつつ大人が見て楽しむ作品だと感じる。
あの頃を思い出しながら、鑑賞などいかがだろうか?

「総合評価 ★★★★☆90点」
  


Posted by no-bu at 11:50Comments(0)映画

テイク・シェルター

2012年09月17日

皆さん、何か以上に最近、不安になることありませんか?

いやいや、何も私は、誰かが私をずっと監視しているとか、追いかけているとか、陥れようとしているとか、誰かが私を呼んでいるとか、思っているわけではありません。

いまここの私のこの幸せな日常のささやかな生活は、いつまで続くのか?
すごく単純な疑問ですが、3.11のあの日以来、たまにそのことが頭をふとよぎります。

そんなことは、万に一つだから…。
なんて悠長なことは、現在の状況を見ていると、言えません。
私のような思いや不安は、実は、口にはせずとも、多くの方々が心の深層の部分で感じていることではないかと思います。




「テイク・シェルター
監督・脚本:ジェフ・ニコルズ 
出演: マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン、シェー・ウィガム、ケイティ・ミクソン、キャシー・ベイカー




(あらすじ)
その悪夢はある日突然はじまった。
田舎町の工事現場で働くカーティス(マイケル・シャノン)は、耳の不自由な娘ハンナ(トーヴァ・スチュワート)と妻サマンサ(ジェシカ・チャステイン)と慎ましくも幸せに暮らしていたが、あるときを境に、たびたび大災害の悪夢に悩まされるようになる。
そのあまりに恐ろしいイメージは日ごとにリアルさを増していき、やがてその恐怖に取り憑かれてしまうカーティス。
近いうちに必ずや地球規模の天災が発生すると信じてやまない彼は、家の近くに深く穴を掘り、避難用シェルター作りに没頭し始めるが、家族や友人はまったく彼の行動に理解を示さず、むしろ不信感を募らせる一方だった。
果たして、カーティスの常軌を逸した言動は哀れな妄想なのか、それとも…。

この作品の脚本は2008年に書かれたものらしいです。
上記のあらすじにあるように、カーティス(マイケル・シャノン)は、ブルーカラーながら安定した雇用に守られ、妻(ジェシカ・チャステイン)や耳の不自由な娘と幸せに暮らしていました。
しかし、大災害の悪夢を見るようになって以来、庭に頑丈なシェルターを作らねばとの強迫観念にとらわれていきます。
そこから彼と彼のささやかな日常の幸せな生活は、徐々に崩壊を始めます。

2008年頃のアメリカは、いわゆるリーマンショックの影響で、倒産や失業が相次ぎ、多くの人のささやかな日常の幸せが、想定もせずにある日突然に崩れていくケースがそこら中にあったはずです。
そのような誰も崩れていくとは予想だにしない、絶対に思わない、想定だにしない日常の突然の崩壊は、いまそこに、誰の前にでも起こりうるものであるということ~日本の3・11の天災と人災のように~を、アメリカでも日本でも多くの人びとが実体験として感じ始めているというこの時代状況に、この作品は非常大きなインパクトを持つとも言えます。

例えば、津波による原発の事故は、想定外だったと東電や政府関係者は言い続けましたが、実は原発が孕むそのような危険性は、ずっと前から言われ続けてきたことだし、それをいたずらに不安をあおっているとか、杞憂だとか、多くの人達は、そういう扱いをしてきたのではないでしょうか。
実際に、それが現実のものとなったとき…。
そう言い続けてきた人達、いい加減に扱ってきた人達は、いま何を考え、思っているのでしょうか?
 
本作品では、最後の最後まで、実際、カーティスの悪夢が統合失調症患者の妄想なのか、それとも実際に起きてしまう神のお告げ的なものなのかは、判断が分かれるところでしょう。
一方では、妻のサマンサもカーティスの狂気に感化され、精神的におかしくなったという見方もあるでしょう。
また、自分はおかしくないんだと信じたいカーティスが、サマンサ自身も私と同じように悪夢を感じているのだと幻想しているという見方もあるでしょう。
もしくは、カーティスは、本当に破滅を予知していて、それが現実のものとなったと見ることもできるでしょう。
判断は分かれるところですが、皆さんはどう解釈しますか?

見る人によっては、評価が大きく分かれるところだとは思いますが、私的には、時代状況にもマッチしている部分で、いろいろと考えさせられる部分もあり、面白い作品だなと思います。

総合評価 ★★★
☆ 70点  


Posted by no-bu at 19:42Comments(0)映画

アントキノイノチ

2012年08月08日

先日、沖縄国際大学での「パーソナル・サポート・フォーラムin沖縄 〜結まーるの再生〜縁と絆の結び直し〜 が開かれました。
私もそのフォーラムに参加しましたが、約600名が参加し、講堂が瞬く間に一杯になりとても大盛況でした。
反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんの公演や支援に関わる様々な機関の方々のリレーパネルディスカッションも行われ、社会的に行政による支援が行き届いていない現状の中で、色々な“セーフティネット”からこぼれ落ち、社会的困窮状態にある人をどのような形で支援していけるのかを考える良い機会になりました。
昨今、人人との繋がりというものが、色々な場面でたびたびクローズアップされます。
しかしながら、上記のように社会的困窮状態にある人びとがどのような形で、そのような状況に追い込まれていくのかということを考えた場合、自ら支援を要請すること(自らの親族に対してさえも)ができないとか、いったん職についても、人間関係を上手に結ぶことができず、なかなか仕事が続かないために、そのような状態に最終的に陥っていく若者たちがかなり多くいるということを知りました。
人との繋がりを自ら絶ってしまう若者、人と繋がりあうスキルを持ち得ない若者、なぜそのような若者が生み出されていく現状をどのように考えれば良いのでしょうか。
教育の仕事に携わる者として、非常に深く考えさせられるテーマです。
このことは、連日報道される“陰湿ないじめ問題”の根とも大きく関連しているはずです。



今回、鑑賞した“アントキノイノチ”を通して、人と人との繋がりを断っていく何ものかが、現代の社会、若者の間に横たわっており、その中で若者達は、心の中では繋がり合いたいと切望しているのに、それができない状況の中で、必死にもがき苦しみ悩んでいるのだろうなということを強く感じました。


「アントキノイノチ」
監督:瀬々敬久
出演:岡田将生、栄倉奈々、松坂桃季、鶴見辰吾、壇れい


本作品は、さだまさしの同名小説を映画化したものです。
遺品整理業という仕事を通して、もがき苦しみながらも成長する若者の姿を描いています。
遺品整理業という特殊な仕事を通して「命」の重さ、人と人が繋がる尊さを描いていきます。
遺品整理業とは、様々な理由から死と向き合えない遺族に代わって遺品を整理する仕事です。
その仕事を通して、出会った心に傷を負う二人の若者。
お互いの過去と向き合い、それを共有しようとする中で、新しい繋がり合い、人間や生や死と向き合っていこうとする姿が描かれています。

原作とは、結末が異なることなどから、ネットでは色々と厳しい評価を受けております。
確かに、個人的にキャストのミスマッチや演技力などでも課題があると思いますが、作品の内容としては、上記のような現代社会、若者の間に横たわるドグマの存在について提起し、人との繋がり、関係のあり方などについて、考えさせる良い部分も多く持ち合わせていると思います。
最も印象に残ったのは学園祭の場面。
山岳部のコーナーに掲示された一枚の写真からはじまるくだり…。
あらすじを読んだら分かると思いますが、ネタバレで鑑賞する意味がなくなってしまいますので、あまり多くを語りませんが、同級生の松井の今までの悪行が明らかにされる部分。
その写真を密かに撮影し、掲示することを内緒にしていた山岳部顧問の先生が、主人公の杏平がその写真を見つけたとき、それまでの杏平が受けてきた嫌がらせや苦しみを知っていて、顧問の先生が「今まで大変だったなぁ、よく頑張ったな」という場面です。
隠れた嫌がらせイジメを受けていた事をようやく分かってもらえる、苦しい胸の内を理解してもらえる人がいたんだと安心しそうな場面です。
しかし、杏平は「知っててどうして今までほおっておいたんですか…」と凄みます。
さらには、その写真の件で、松井に切りつけられそうになった杏平が逆にそれを奪い返し、松井に馬乗りになり殺しかけた場面で、周りに発した「なんで、黙ってるんだよ」という台詞。

昨今、いじめの問題で学校や教育委員会がやり玉に挙げられています。
当然ながら、学校や教師の対応や教育委員会のあり方には、多くの問題があったでしょう。
しかし、そこだけに批判の矛先を向けるだけで本当に良いのでしょうか。
本当は、周りのクラスメイト、その他の同級生も知っていたんじゃないのでしょうか。
しっていたにも関わらず、黙りを決め込む、知らないことにしておく、その部分でのみ関わりを意識的に断っていく。そんな世界がこの世の中には、あまりにも多くなりすぎた気がします。

「関係ない、なんて思うな」杏平の叫びが心に響きます。

評価 ★★★★★ ★★☆☆☆ 70点


(あらすじ)
高校時代に親友を“殺した”ことがきっかけで、心を閉ざしてしまった永島杏平(岡田将生)は、父・信介(吹越満)の紹介で遺品整理業“クーパーズ”で働くことになる。
社長の古田(鶴見辰吾)は「荷物を片付けるだけではなく、遺族が心に区切りをつけるのを手伝う仕事だ」と杏平を迎える。
先輩社員・佐相(原田泰造)、久保田ゆき(榮倉奈々)とともに現場に向かった杏平。
死後1ヶ月経って遺体が発見されたその部屋では、ベッドは体液で汚れ、虫がチリのように部屋中に散乱していた。
最初は誰もが怖気づくという現場に杏平は黙って向き合うが、ゆきに遺品整理のやり方を教わっている最中、彼女の手首にリストカットの跡を見つける……。
3年前。生まれつき軽い吃音のある杏平は、高校時代、同じ山岳部の松井(松坂桃李)たちに陰でからかわれていた。
そんな中、松井による陰湿ないじめと周囲の無関心に耐えられなくなった山木(染谷将太)が飛び降り自殺をする。
その後、松井の悪意は表立って杏平へと向かい、何も抵抗できない杏平だったが、登山合宿で松井と二人きりになった時にふと殺意が生まれる。
崖から足を踏み外した松井を突き落とそうとする杏平。結局、杏平は松井を助けるが、松井は「滑落した杏平を助けたのは自分だ」と周囲にうそぶく。
だが文化祭当日、山岳部の展示室には松井を助ける杏平の写真が大きく飾られていた。顧問の教師が撮影していたのだ。
それは、教師や同級生たちが松井の悪意や嘘を知っていながら、それを見過ごしていたという証拠だった。
杏平は再び松井に殺意を抱き「なんで黙ってるんだよ」と叫びながら松井に刃を向けた……。
ある日、ゆきは仕事中に依頼主の男性に手を触られ、悲鳴をあげ激しく震えた。
心配した杏平は、仕事帰りにゆきを追いかけ、彼女はためらいながらも少しずつ自分の過去に起きた出来事を杏平に告げる。
そのことでゆきは自分を責め続けていた。なぜ自分は生きているのか。自分の命は何なのか。
何かを伝えようとするが言葉が見つからない杏平。そして、ゆきは杏平の前から姿を消した…。
  


Posted by no-bu at 08:26Comments(0)映画

映画「アレクサンドリア」(洋画)

2012年04月30日

お久しぶりです。
いやー一ヶ月ぶりの更新です。
とにかく4月は忙しかったです。
新学期、怒濤のように時間が過ぎました。ようやくGWになって少し時間に余裕が持てたかなという感じです。

そこで、久しぶりに史実をもとにした作品を鑑賞。
正直、最初は、あまり期待していなかったが、すごく良い作品だなと感じました。

作品の舞台は、4世紀末、ローマ帝国支配下にあるエジプトの大都市アレクサンドリア。
この都市は、地中海貿易の中心地であることを活かして発展したが、その貿易の中心地であるという利点をもとに、各国の書物を収集し、それらを図書館に集めていた。その数、70万巻もの蔵書があったといわれている。
その図書館では、図書館長を務めるテオンの娘で哲学者、天文学者でもあるヒュパティアによって天体についての授業が行われていた。
哲学者といっても、現在のような哲学をイメージするのではなく、彼女の哲学は、初期の自然哲学に分類され、作品中、彼女は、天動説に異論をとなえ、思惟をめぐらせ、新しい理論を展開していこうと仲間と議論し合う。
上でも述べたが、彼女は、著名な数学者と哲学者であったテオンの娘であり400年頃アレクサンドリアの新プラトン主義哲学校の校長になった。彼女はプラトンやアリストテレスらについて講義を行い、彼女の希に見る知的な才能と雄弁さや謙虚さと美しさは、多数の生徒を魅了したという。
宗教を問わずに生徒を集めていた彼女だが、急速に数を増したキリスト教徒が古代の神を侮辱した事から、市民の間に争いが起きる。最終的には、図書館はキリスト教徒に破壊される。数年後、増大するキリスト教徒は、その支配の邪魔になるヒュパティアに狙いをつけた。



「アレクサンドリア」

【監督】
アレハンドロ・アメナーバル
【出演】
○レイチェル・ワイズ(ヒュパティア ):哲学者で天文学者。
○マックス・ミンゲラ(ダオス):ヒュパティアに想いを寄せる奴隷。後に強硬派のキリスト教徒に。
○オスカー・アイザック(オレステス):ヒュパティアを愛する弟子。後にエジプト長官に。
○マイケル・ロンズデール(テオン):ヒュパティアの父。アレクサンドリア図書館の最後の館長。
○サミ・サミール(キュリロス ):強硬派のキリスト教徒。後にアレクサンドリア総主教に。
○アシュラフ・バルフム(アンモニオス): 強硬派のキリスト教徒。オレステスに石をぶつけたことで処刑される。
○ルパート・エヴァンス(シュネシオス): ヒュパティアを慕う弟子。後にキュレネの主教に。
○ホマユン・エルシャディ(アスパシウス):ヒュパティアの奴隷で研究の助手。

この作品の魅力は、史実をもとに、宗教的に迫害されながらも、真理を求め、自らの信念を貫き通したヒュパティアの強さが描かれていると同時に、時には宇宙や上空から場面を俯瞰してみせる手法にあろう。
キリスト教徒が図書館に押し寄せ、書物を焼き払ってしまう様子を上空から俯瞰して見せる、その手法によって、宗教のもつ不寛容さ、人間の醜さを上手に表現している。

このようにして、異教徒を圧倒したキリスト教徒は、次にユダヤ人を迫害していくのだが、このような傍若無人なキリスト教徒の振る舞いのために、かつて栄華を誇ったアレクサンドリアには暴力の嵐が吹き荒れ、その高度な学術都市の面影は失われていく。
史実によると、作品とは違い、ヒュパティアの最期は裸のままキリスト教徒に生きながら牡蠣の貝殻で肉をえぐられ殺され、そのあと切り刻まれて見世物にされたということらしい。こうしたヒュパティアの無惨な死は、多くの学者たちが亡命してしまうきっかけともなり、それが古代の学問の中心地であったアレクサンドリアの凋落を招く一因にもなっている。
作品では、彼女の最後は、別な形で描かれているが、これは、監督が史実に忠実に殺され方に重きをおいて描くよりも、彼女が自らの死とどのように向き合ったかという、哲学者としての死に方を描きたかったためであろう。
本作品を通して、歴史上、過去においても現在においても、宗教のもつ不寛容さが醜い争いと悲しみを生み出しているという事実を考えていかねばと強く感じた。

「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」
  


Posted by no-bu at 08:16Comments(0)映画

映画「ブリッツ」(洋画)

2012年04月01日

先日、紹介させてもらいました「メカニック」に続いて、今回もジェイソン・ステイサム主演の作品を!
まさに、「この刑事 凶暴 ゆえに天職!」という世界を見事に表現しています。




「ブリッツ」
監督:エリオット・レスター
出演:ジェイソン・ステイサム、パディ・コンシダイン、アイダン・ギレン、ザウエ・アシュトン、マーク・ライアンス、デイヴィッド・モリッシー

強情で妥協知らず、“危険な”刑事が、警官ばかりを狙う連続殺人事件を追うという作品です。




大まかな、話の流れは次のよう…。
ロンドン市警に所属する刑事ブラントは、強情で妥協知らずの男。
その情熱と正義感の強さから、犯罪者に対してやりすぎてしまうこともしばしば。(やりすぎという言葉で収めてしまって良いか悩みますが…)
ある日、ロンドン市内で警官ばかりを狙った連続殺人事件が発生する。
ブラントの横暴さを暴露しようと彼を追いかける新聞記者ダンロップは、ワイスという男から情報を得るが、その男こそが殺人鬼、通称ブリッツであることを知る。
ワイスは警官を殺害し、そのことで有名になろうとする愉快犯だったのだ。



みなさんご存じの「トランスポーター」や前回紹介した「メカニック」などでも分かるように、彼が主演の作品では、主人公が、ガチガチに鋼のように鍛え上げた身体をもとに、まさに機械のようにクールに、そして時には熱くハードに仕事をこなしていきますが、他方で若干のユーモアも織り交ぜながら、どこかに親しみやすさも感じてしまいます。

しかし、今回の作品には、そのような親しみやすさは、一切排除されています。なおかつ、これまでの作品から、ステイサム得意のアクション場面を大方の皆様は期待されるでしょうが、そうしたアクション場面も冒頭の数分で終了します。

それは、おそらく、はみ出し刑事ブラントの“狂犬”たる所以を、表現するためだと思います。
で、ステイサムは、その危険さを十二分に表現していると思います。
そういう意味で、期待はずれの部分もありながら、満足する部分もあるといった感じでしょう。
個人的には、それなりに満足できる作品ではないかと思います。

少々、難癖をつけるとすれば、作品中で、凶暴なブラントが、その凶暴性との関連で、何度か記憶を失うということを同僚に打ち明けるのですが、その理由らしきことが全く明らかにされないし、同時にそのことが物語の流れと全く関連してこないということでしょう。
その辺を少しでもはっきりさせてくれると、物語としてもっと面白くなったかもしれません。

軽い気持ちで、さっとサスペンスっていう感じの時に見ると面白く鑑賞できるかもしれませんね。

「評価 ★★★★★ ★★☆☆☆ 70点」


(あらすじ)
ロンドン市警に所属する強情で妥協知らずな刑事ブラント(ジェイソン・ステイサム)は、その情熱のあまり、犯罪者に対してやり過ぎてしまうこともしばしば。
そんなある日、ロンドン市内で警官ばかりを狙う連続殺人事件が発生する。
ブラントの横暴な振る舞いを追いかけている新聞記者ダンロップは情報提供者から電話を受けるが、その男・ワイス(アイダン・ギレン)こそが殺人鬼であることを知る。
ワイス(通称:ブリッツ)はダンロップに記事を書かせ、自らを虐げてきた警官を殺害し、有名になろうと目論む愉快犯だったのだ。
ブラントの師や職場の仲間たち、さらには密告者までも次々と手に掛けていくワイス。
だが彼の最後の標的はブラントだった……。
  


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映画「パーフェクト・ホスト~悪夢の晩餐会」

2012年03月31日

ソウシリーズのプロデューサーが関わっている作品と聞いたら、その筋の作品が好きな方は触手を伸ばすはずですね。
私もその一人…。

今回紹介する作品は、“サンダンス映画祭”であまりにも奇想天外なストーリーで評判を呼んだという代物。
凄く期待しながら鑑賞した作品です。




「パーフェクト・ホスト」
監督:ニック・トムネイ
出演:デヴィド・ハイド・ピアース、クレイン・クロフォード、ナサニエル・パーカー、ミーガン・ペリー、ヘレン・レディ





作品の概要は次の通り…。
青年ジョンは、銀行強盗を犯して警察に追われ、ロサンゼルスをさまよっていた。
逃げ場を失い隠れ家を物色し始めた“招かれざる客”ジョンが偶然狙いを定めたのは、ひょろっとした風貌の中年紳士ウォーウィック。
強盗と暴行の前科を持つジョンにとっては、いかにも手玉にとりやすそうな人物だった。
ウォーウィックは誰が見ても物腰が柔らかなナイスガイだった。
高級住宅街の豪邸に住む彼は、気ままな独身生活を楽しみ、今夜も友人たちを招いてパーティを開くつもりだ。
そんなとき災難に見舞われて助けを求めてきたジョンは見知らぬ青年だったが、冷たく門前払いにするわけにもいかない。
なぜならウォーウィックは、つねに客人を温かくもてなす“完璧なホスト”だからだ。
かくして数奇な出会いを果たしたジョンとウォーウィックのつかの間の友情は、もろくも崩れ去る。
強盗犯だという秘密がばれたジョンが包丁をふりかざし、ウォーウィックに服従を迫ったのだ。
ところが、この家の主人はそれ以上に恐るべき秘密を隠し持っていて……。


「クライム・サスペンス」と紹介されている本作。
予告編などを通しても、かなりシリアスな内容を想像したが、結論としては、ちょっと拍子抜け…。
ある意味、想定からかなり外れたという意味で、かなり衝撃的ではあるのですが…。
ラスト20分は、思っても見ない展開で、その部分ではかなり面白かったです。
そういう想定外的・奇想天外的部分に重きがいってしまったために、大事な部分を落としてしまった感じも否めません。
作品中での“多重人格的症状”を見せるフォーウィックの異常性は、非常に興味深かったのですが、その異常性の根拠たる部分をもう少し掘り下げてくれると、作品のおもしろさがさらに増したかなと思えます。
そうした部分で、マイナス部分が目に付いてしまいました。

「評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆ 60点」


(あらすじ)
33歳前科持ちのジョン・テイラー(クレイン・クロフォード)は銀行から30万ドルを強奪するが、右足に大怪我を負ってしまう。
大金を詰め込んだバッグを隠し、あらかじめ調達しておいた車で逃走する途中、消毒液を買おうと立ち寄ったコンビニで女強盗に出くわす。
さらに店内のテレビで銀行強盗のニュースを目の当たりにし、自分の身元や逃亡車の車種まで知れ渡っているのを知る。
ジョンは車を捨て、ロサンゼルスの高級住宅街に足を踏み入れる。
プール付き豪邸の郵便受けから1枚の絵ハガキをかすめ取ると、その差出人の友人のフリをしてその家の主人ウォーウィック(デヴィッド・ハイド・ピアース)を騙し、家に招かれる。
おしゃべり好きな独身の中年紳士ウォーウィックは今夜、4人の友人を招きパーティーを開くため準備をしていた。
彼はジョンの素性を怪しむこともなく、赤ワインを振る舞う。
ジョンは、襲撃先の銀行に勤める恋人シモーン(ミーガン・ペリー)と入念に練った計画が、なぜこんなに早く崩壊したのか不思議に思っていた。
20時にウォーウィック邸にやってくるゲストの中に検事がいることを知り、ジョンは立ち去ろうとするが、ウォーウィックに引き留められる。
19時46分、ラジオのニュースでジョンの秘密が暴かれる。
ジョンはウォーウィックに刃物を突き付け、ゲストたちにパーティーの中止を伝えさせると、自分をゲストとして振る舞うよう脅迫する。
その直後、ジョンは昏倒する。
気がつくと、彼は後ろ手に縛られた状態でディナーテーブルの席についていた。
テーブルには6人分の料理が並び、ウォーウィックはいるはずのない4人のゲストにジョンを紹介していく。
ジョンの目の前に差し出されたスクラップブックには、ウォーウィックの倒錯的な欲望が生み出した恐怖のフルコースが示されていた。
  


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