ジーン・ワルツ(邦画)
「チーム・バチスタの栄光」海道 尊の医療ミステリーというところにかなり惹かれました。
「ジーン・ワルツ」監督:大森健太郎、出演:菅野美穂、田辺誠一、吹雪ジュン、南 果歩、白石美帆、桐谷美玲
私の住んでいる沖縄県北部の県立病院では、常に産婦人科医、小児科医の不足で診療がままならない状態が続いています。日本全土、地方に行けばいくほど、そのような問題を抱えているでしょう。それは、産婦人科、小児科とも(訴訟)リスクが非常に高いのでなり手が少ないということに原因があります。そのような産婦人科医療の現状の報告も含めながら、そこに人間ドラマを織り交ぜているという作品構成です。
やはり、生命の誕生の瞬間というものは、言葉では語り尽くせないほどの感動を人にもたらします。この作品をとおしてつくづくそう感じさせられました。鑑賞しながら、自分の子どもたちの誕生の瞬間とあの何ともいいようのない高揚感、喜び、感動…。あの瞬間がよみがえってきました。ミステリーとしては、オチがすぐに分かってしまうので評価が分かれるところでしょうが、現状の問題を鋭くえぐり出しているという部分では高評価が与えられてもよいかと思います。
ということで、今回の評価はそうした部分をプラス、マイナスして、少し辛めに「65点 ★★★☆☆」というところでしょうか。
(あらすじ)★ネタバレ注意★
人工受精のスペシャリストとして 医療の最高峰、帝華大学病院に勤務する曾根崎理恵。彼女は町の産婦人科医院「マリア クリニック」の院長代理として、現在、4人の妊婦を担当していた。それぞれに事情があり授かった小さな命と向き合っていたがある一人の女性に対しての出産は覚悟を決めなくてはいけなかった。曾根崎医師はそのクリニックで現在の日本ではタブーとされている“代理母出産”という禁断の治療をしていたのだ。
その代理母は55歳という高齢で、しかもお腹に宿った命は双子と判明。母子ともに非常にリスクのある出産になる。曾根崎と共に 以前はこのクリニックを支えていた清川医師は今では教授の地位が約束されている程にまで上り詰めていた。清川と曾根崎は恋仲であり 互いに日本医療の矛盾さに不満を抱えた過去を持っていた。しかし、曾根崎の人生を狂わす事になるかもしれないこの出産には清川は反対だ。しかし、曾根崎は何としても成功させたかった。曾根崎は清川に言った「私も一緒に戦っているんです」果たして曾根崎の言う戦いとは?そして嵐の日にこのクリニックに奇跡が起こる。
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