読書「仕事をしたつもり」

no-bu

2012年01月18日 22:45

書名に惹かれてAMAZONで衝動買いした。

『仕事をしたつもり」(海老原嗣生著、星海社)































今の多くの現場では「残業している人に対しては、そこまでがんばっているのだから…と、周囲の目はたとえ業績悪くても許してくれる。逆に定時で帰る人は、もっとやれたんじゃないかと批判される。」

まさに、自分の職業、職場でもそういう空気を感じるときがある。
その結果、あまりにも、仕事を抱えすぎるがためにストレスを抱え、心の病を患い、仕事を休職する人も多い。

どっちかというと、自分はいい加減な人間なので、本気モードでとことんやる部分ではトコトンやるが、“自分がどうでもよいと思う部分”に関しては、かなり手を抜いてしまう。
性格的な問題ではあるが、それがちょうどうまい具合にバランスをとっているのかもしれない。

おまけに、時間はないくせに、熱しやすく冷めやすい好奇心旺盛で、やりたいことが山ほどある。
だから…、原則、残業はほとんどナシだし、仕事を持ち帰ることは、よっぽどの事がない限りなし。
(これは、ある意味、自分のポリシーでもある)
そうでなければ、自分の好きな事に割く時間が全くなくなってしまうから…。

しかし、現実はうまくいかないもので…

遠距離通勤から家に帰ってもたくさんの家事が待っているという現実もそこにはある(>_<)
この記事を書く前、ようやく洗濯物+乾燥機+洗濯たたみ、食器洗いが終わったばかりである。

それはさておき…。
そんないい加減な自分とは対照的な方々が周りには、“職業柄”からか沢山いる。
と同時に、休職される方も年々増加しているという統計も良く見聞きする。

以前の職場が一緒だった方が風のうわさで休職されていたり、退職されていたりすることを聞いてびっくりする事があるが、よくよく思い返せば、“とにかく何でも(かんでも)一生懸命に頑張られる方々”であった。

ある意味分かり切ったことを書いている部分も多々見られるが、本書を読んで色々と考えるところもあった。
また、いままでの仕事のこなし方やこれからの仕事への向き合い方についても考え直すきっかけができたと思う。

わたくしの同僚だけでなく、私のパートナーにもぜひ読んで欲しいと思う。
どうやったら、無理に進めずに自然に手にさせることができるか、現在、作戦中…(-_-)


この本には、5つの「仕事をしたつもり」が出てくる。

①「量の神話」:量が多い、時間をかけた方がいいと思っている。
②「ハコモノ思考」:意味をあまり考えず、とりあえず形だけはやっておく。
③「本末転倒」:目的と手段を履き違えている。
④「横並び意識」:意味や効能を考えず、みんながやるからやっている。
⑤「過剰サービス」:度を超えた要求に対して、媚びることで対処している。



みなさん、どうだろうか?
「俺は、私は、ここにカテゴライズされるような仕事の仕方はしちゃいないよ!」と即答されるかもしれない。
けど、冷静になって考えてみよう。

冷静になってもピンと来ない方、ポイントだけ挙げられては、わかりにくいという方もいるかもしれない。
そういうときは、実際に本書を読んでみたらどうだろう?
そんなに高いものではないので…。

読み終えた後に、おそらく「俺も(私も)そうかも」と思う部分があるはずだ!
沖縄の方言でいえば“ウチアタイ”する部分がかなりの部分であるということ。
集中すれば、スラッと2時間程度で読めましたから。
イラストも含め読みやすい文体です。

最後に、本書で、私が一番納得いった部分を紹介して終わりたいと思います。

まず、「仕事をしたつもり」を半分にする(ゼロにはできっこないから)。
残りの半分は、「仕事をしたフリ」をする。
「つもり」と「フリ」の違いは、前者は無駄な仕事を無駄と気づかず、一生懸命行うことであり、後者は、無駄と気づいて手を抜き、周囲に対して「しているように」ポーズを取り、その実、さっさと仕事を終えることです。
そもそもが無駄な行為なのだから、フリをしたところで、それほど成果は落ちません。
これで浮いた時間を、半分は余暇に費やします。例えば会社近くのスタバでコーヒーでも飲んで、疲れを癒すのです。
そして、残りの半分の時間を、真剣に考えることに費やす。
(p226)


自分を見つめ直す機会を与えてくれ、考えさせられることは多かったけど、もう少し深く突っ込んで書いてほしかった部分ん¥もあったので…

「評価 ★★★☆☆60点」かな。


(目次)
第1章 何十枚も資料を作って、それで仕事をしたつもり?
    ――「量の神話」を突き崩せ――
第2章 流行のビジネスモデルを学んで、それで仕事をしたつもり?
    ――中身より形にこだわる「ハコモノ志向」――
第3章 みんなで一緒に考えて、それで仕事をしたつもり?
    ――大義が引き起こす「本末転倒」――
第4章 業界トップの真似をして、それで仕事をしたつもり?
    ――過去の自分までもが加担する「横並び意識」――
第5章 「お客様は神様です」とへりくだって、それで仕事をしたつもり?
    ――商売の原則を無視した「過剰サービス」――
第6章 新しいことにチャレンジしないで、それで仕事をしたつもり?
    ――「安全策」や「奇策」に逃げるな――
終章  「仕事をしたつもり」からの抜け出し方

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