BRAKE
私は、“密室”ものが好きです。
いえいえ、私自身が密室にはいるのが好きというわけではありません。
ある閉じられた空間を軸に話が展開していく作品が好きなんです。
なぜかと言いますと、当たり前のことですが、そのような作品においては、“何の特殊効果もない限られた空間、シチュエーションの中で見せる出演者の演技力=その作品のおもしろさ”となります。
必要以上のSFXや場面展開で“面白いとごまかされる”作品よりは、ストーリー展開のおもしろさ、出演者の演技力などがリアルに作品のおもしろさに直結するため、作品中、色々な工夫が凝らされので、それのでき如何では、最低の作品になるか、最高の作品になるかのどちらかでしょう。
そうした作品に初めてであったのが、私の大好きなコリン・ファレル主演の「フォーン・ブース」で、電話ボックスという限られた状況の中で繰り広げられる展開のおもしろさ、コリン・ファレルの演技力に脱帽したのを覚えています。
最近では、なぜかしら、制作費をかけずに密室状況で軸にストーリーを展開させていこうとする作品が多くなっています。
例えば、前線の戦いの中、戦車という閉じられた空間を取り扱った「レバノン」、イラクで突然襲われたトラック運転手が棺桶の中に閉じこめられるというストーリー展開の「リミット」などが挙げられます。
いずれの作品も鑑賞しましたが、やはりフォーン・ブースを越えるものはありません。
ある意味、そうした作品があまりにも好きすぎて、期待が大きすぎて、そのハードルが高すぎるのかも知れません。
そんな“密室好き”の私が今回、発見した新たな作品、それが「BRAKE」です。
疾走する車のトランクの中で特殊な箱に閉じ込められ、次々と予測不能なトラップに襲われるシークレットサービスの運命を描いた作品です。
主演は、『ブレイド』『SOMEWHERE』のスティーヴン・ドーフが務めます。
疾走する車のトランクの中で特殊な箱に閉じ込められるという逃げ場のない空間に閉じこめられ、4分ごとにさまざまな攻撃が加えられる状況で主人公がどのように戦い、脱出することができるのかが、見物です。
「BRAKE」
監督 ゲイブ・トーレス
出演 トム・ベレンジャー、カイラー・リー、スティーヴン・ドーフ、カリ・ローシャ、プルイット・テイラー・ヴィンス、JR・ボーン、サミー・シーク
当たり前ですが、この作品は、完全に上で紹介した「リミット」の完全なるパクリ以上のものではないのですが、作品の質、おもしろさ、評価としては、こちらの方が若干上でしょうか。
「リミット」と比較すると、主人公が襲われそういう状況におかれる理由づけが、この「BRAKE」では、はっきりしているからです。
よって、その理由づけをもとに、その状況をどう打開するのか、どのように話が展開していくのかという点で、「リミット」よりも、登場人物に気持ちを寄せやすいというてんがあげられるでしょう。
最後の場面で、「あーあ、このまま終わりならつまらないな」と思わせておいて最後にもう一捻りあるわけですが、その辺が作品の評価の分かれるところだと思いますが、その辺に関しては、見られた方の感想を伺いたいところです。
そうそう、この作品、個人的には、吹替え版で見ることをおすすめします。
それも、どちらも試して感想をお聞かせ下さい。
「総合評価 ★★★ 60点」
(あらすじ)
シークレットサービスのジェレミー(スティーブン・ドーフ)は、突然何者かに誘拐される。
気がつくと身動きが出来ないほどの大きさの箱の中。
車のトランクの中に閉じ込められていたのだ。
デジタル時計が4分カウントダウンするごとに、次々と襲い来る罠。
しかし、死のギリギリで“ブレーキ”がかかり、また新たな攻撃が加えられる。
死と等しい苦痛の連続。
犯人の目的は一体何なのか……?
そして、ジェレミー自身もまた、ある国家機密を守る“ブレーキ”だったのだ……。
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