シルミドとブラザーフッド

no-bu

2012年09月16日 19:22

今回は、2つの韓国映画を紹介していきたいと思います。

まず、紹介する作品は、「シルミド」です。

この作品は、韓国映画史上初めて12000万人の観客動員記録を達成した作品らしいです。

この数字は、この映画を鑑賞できる15歳以上の韓国国民3500万人の3分の1以上にあたるようです。

この大ヒットの背景には、90年代後半から小説・テレビなどで、これまで隠され続けてきた闇の史実の存在があります。
いわゆる「実尾島事件」とよばれる事件ですが、その事件を、様々な妨害や脅迫にあいながらも映画化したのが「韓国のスピルバーグ」と評されるカン・ウソク監督です。

この「実尾島事件」に関しては、ネットで検索していただければ詳細についてはわかると思います。

(「朝鮮日報 スペシャルフォト」「実尾島事件に関する一考察」など)


これ以上細かいことを書くとネタバレになってしまうので、これ以上書きませんが、私の感想・評価としては、総合点「75点」くらいですかね。

映画が公開された後、映画の内容が史実と異なっていると言うことで裁判なども起きたようですが、見て損はしない映画だと思います。

個人的に一番印象に残っているのは、クライマイックスで、自決を決めた彼らが、せめて自分達がそこにいた証を残そうと、バスの車内で名前を書くシーン。これは、彼らがそれまで戸籍を抹消され、名前だけでなく存在すら消された悲しい境遇であったということを象徴しています。

2つ目は、「ブラザーズフッド」です。



見終わった後に、いつまでも尾を引く、私には、とにかく内容が重すぎました。
作品の中の兵士の言葉「同朋同士殺しあう程、思想というのは大切なものなのか?」 が今でも耳に残っています。この映画は、リアルな戦闘シーンが多いです。
こうした戦闘シーンを通して、同じ民族が闘わなければならない悲しさやその厳しさの中の兄弟愛を描く中で、「もう二度と同じ過ちは犯してはいけない」ということを監督はメッセージとして伝えたかったんだろうと思いますが、個人的に映画全体のバランスからすると多すぎたと思います。正視できないシーンもたくさんあって、正直、気分が良いものではありません。見る時間帯、状況は考えた方がよいでしょうね。

けど、内容はすばらしい映画だと思います。

総合評価「90点」

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