グッドナイト&グッドラック
ジョージ・クルーニ監督作品の「グッドナイト&グッドラック」を見ました。
この作品は、1950年代の米ソ冷戦下。アメリカで共産党員を告発するという「赤狩り」(マッカーシズム)により、数千人の国民が職を奪われ、密告と告発、裏切りの恐怖が全米を覆っていた頃の話です。当時、マスコミも報復を恐れ批判を控える中で、そうした状況に屈することなく、言葉を武器に権力に立ち向かった国民的ニュース・キャスター「エド・マロー」と若き記者たちの熱き闘いを描いています。
私もあまりよく知らなかったのですが、調べてみると、実際、ハリウッドでも、告発によって何人もの監督や俳優が消えていったようです。
そうした影響は、今でも根強く残っており、『エデンの東』など数々の名作を残した監督エリア・カザンが名誉賞を授与された1999年のアカデミー賞の授賞式では、彼が赤狩りに協力的だったことから会場の反応は賛否に分かたようです。
この作品は、一貫して思い雰囲気の中でストーリーが転換していくのですが、ストーリーの展開の中で、エド・マローが発する言葉のひとつひとつは、とても深みがあり、力強いものでした。
現代のマスコミへの警笛とも言えるとも思いますが、彼の「報道よりも娯楽ばかりを優先するようなテレビはメカが詰まったただの箱だ。」という最後の言葉が特に、自分の中では印象に残っています。
社会派の渋い映画が好きな方はしびれるでしょうね。
総合評価「90点」ですね。
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