9・11 自由への扉
事実をもとにした作品だということだし、9.11 がタイトルになっているので、もう少しリアルな内容を期待したのですが…。
作品の素材になっているのは事実だと思うが、それをもとにしてつくった作品は、その事実から離れてフィクションになっている…。
厳しい言い方だが、この作品は「事実、史実から離れたプロパガンダ、商業主義にはまった作品」でしかないと感じた。
「ストーリー」
女性弁護士のリビーは、上司の命令でアメリカへの永住を求めるアフガニスタン人女性ミーナの難民申請を請け負うことになった。
報酬を期待できない仕事に、気の進まないリビー。
そんな彼女にミーナもやがて心を閉ざし、事態は強制送還という最悪の結果に向かっていく。だが、タリバンの圧政に苦しめられていたミーナの過去を聞くにつれ、リビーの気持ちは徐々に変化。少しずつ2人の間に国境を越えた友情が芽生え、リビーはミーナを救うために全力で奔走し始める。
しかし、すべてがうまく進み、難民の認定も間近に思われていたある日、衝撃のニュースが2人の希望をうち砕く。2001 年9月11 日、アフガニスタン人と思われるテロリストにハイジャックされた2機の飛行機が、ニューヨークの巨大ビルに激突したのだ…。
9.11があった後の状況は、私も映像やその他の記録で間接的にしか知ることはない。しかし、その間接体験でも、如何に事件直後の状況が緊迫したものであったかは、感じ取ることができるくらいアメリカという国全体がピリピリした状況であったはず。
しかし、「9.11」という文字をタイトルに入れながら、あの事件の後の厳しい緊迫した状況が全くこの作品からは感じ取ることができなかった。
作品を見ている間も、見終わってゆっくりと考えてみても、なぜ、制作者は「9.11」を作品の題名に入れたのか?不思議でならないし、理解できない。
同時に、この作品からは「アメリカの正義」の押し売りとも取れるものしか感じ取ることができない。
タリバンの悪だけに焦点を当て、描写するが、アメリカには微塵の不正義や問題点の描写は、存在しない。
あの悲惨な歴史的事実から、世界は何を学んだか?アメリカは何を学んだか?アメリカは、絶対的に正義なのか?
本当にこの映画で伝えたいことは何だっのか?
どう考えようとしても、私にはちっとも理解できなかった。
「総合評価 ★★☆
30点」
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