北京バイオリン

no-bu

2012年09月16日 20:46

いつしか、少年の奏でるヴァイオリンの音色と暖かな人間関係の輪の中にに引き込まれていきます。



「ストーリー」
中国北部の田舎町。13歳のチュンは父と2人暮らし。
チュンは、彼が幼いころに亡くした母の形見であるヴァイオリンを上手に弾き、周囲で評判になっていた。父リウはそんな息子に質の高いヴァイオリンの教育を受けさせ一流のヴァイオリニストにしようと、必死に働き金を貯めていた。
ある日、2人はコンクール出場のため北京へとやって来る。コンクールでは、惜しくも5位に終わったチュンだったが、彼の才能を確信したリウは、有名な先生の個人授業を受けさせるため北京に移り住むことを決心する。
その後、音楽教師チアンの情熱的な指導の下、チュンも練習に励むのだったが…。


この作品のジャンルでは、よく「あの映画には泣けた。だから…」と表現する方がいる。確かにストーリーや登場人物に自分自身の心や身体、経験などがシンクロした時に、自然な感動と一緒に涙はあふれるものであろう。

けど、よくよく考えてみると、それじゃ多くの人は、作品に対して感動し、この作品は素晴らしいという評価を与えるときには、必ず涙がなければならなく、「良い作品=  」という公式に当てはめて考える癖がついているようにも見える。

今回、この作品を見て、私は泣けなかった。

確かに、この作品を見て、泣けたという人もいるであろう。けれど、泣けなかったから、私はこの作品に対して、どのような評価を与えるのか?というと、「かなり良かった」という評価を与えるであろう。ストーリーでは、ぐっと来る場面が何度かあったけど、最終的には、なぜか知らないけど、さわやかさが残る作品であった。

以前、紹介した「再見」に比べると、数段良い作品であると思う。ぜひ、バイオリンの好きな方は一度ご鑑賞あれ!


「総合評価 ★★★★☆ 90点」

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