シリアナ

no-bu

2012年09月16日 21:47

以前に紹介した「クラッシュ」に続いて、2度目の敗北宣言です。

衝撃の話題作「シリアナ」みました。



石油利権が渦巻く中東を舞台にして、ベテランCIA工作員の暗躍をドキュメンタリー・タッチで描いた政治サスペンスものです。

元CIA工作員ロバート・ベアが著わした告発本『CIAは何をしていた?』をもとにしているとか。

「並行して描かれる複数の物語が複雑に絡み合い、石油利権に群がる人々の欲望とそれが生み出す巨大な陰謀を白日の下にさらす。」ってことで、本当にこういった「並行していくつものストーリーがあって、それがどこかでつながっているのさ!」っていう作品は、苦手なんですよね~。

「ストーリー」
改革に意欲的な王子ナシールが王位継承権を持つ中東のとある小国。長年危険な諜報活動に従事してきたCIA工作員のボブ・バーンズは息子の大学進学を機に引退を決意する。
 そんなボブに最後の極秘指令が下される…。
 ワシントンの大手事務所で働く野心溢れる弁護士ベネットは、アメリカの巨大石油企業コネックス社が絡んだ大型合併を巡る調査を任される…。
 ジュネーブに暮らすエネルギーアナリストのブライアンは、ある不幸な出来事をきっかけに、ナシール王子の相談役に抜擢される…。
 ナシールの国に出稼ぎに来てコネックス社の油田で働いていたパキスタン人青年ワシームは、突然の解雇に遭い、路頭に迷う…。
 まるで繋がりを持たないはずの彼らの運命は、容易に見通すことのできない一つの巨大なシステムの中に深く組み込まれていく。

原作本は、まだ読んでないけど、とにかく、こうした衝撃の事実を映画化したということは、すごいと思う。アメリカのでの人気もうなずける。

けど、個人的には、これだけ、並行していくつもストーリーを流すのであれば、もう少しそれを結びつけたり、頭の中で整理できるようなヒントなり、説明が欲しい。
おつむの回転の遅い私には、交通整理が必要だ。

まあ、事前にサイトなどでチエックしてから見れば良かったんだけど…。

「この登場人物は、どのような立場の人で、どのような思惑で行動しているのか。誰と、どのような関係で結びついているのか。」一回見ただけでは、わからないよ。3回見て、ようやく納得。

あるサイトで、「シリアナとは、イランとイラク、そしてシリアがひとつの民族国家を形成した場合の想定国家の名前。これは、ある程度中東問題に詳しい人なら誰でも知っている。そしてこの映画は、ここまで解説してわかるとおり「何も知らないお客さん」を対象にしたお知らせ映画ではなく、このタイトルを見て、「ああなるほどね」と合点がいくレベルの人たちにこそ、劇場にきてもらいたいという作品なのだ。
」って、書かれていたけど。

本当に「そうだ!」と強く思った。

そういうわけで、大衆受けする作品ではないからなのか、井筒監督にも叩かれる理由が分かりました。

それにしても、この作品の役づくりのために、体重を20kgも増やしたジョージ・クルーニーの役者魂はすごいね。爪をはがされるシーンなんか、爪がはがされる度に、一緒に思わず足が浮かせちゃいましたよ。

「総合評価 ★★★★ 80点」

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