香りと脳の関係について
2014年03月13日
私は最近になってすごくコーヒーを飲むようになった。
以前までは、誰かが淹れてくれなければ、しいて飲まなかったコーヒー。
しかし、最近では、職場で仲間と飲むコーヒーも、家で飲むコーヒーも私がすすんで買いに出かける。
なんでこんなにコーヒーが好きになってきたのだろう?不思議なものである。
コーヒーを好きな人に共通して言えるのは、その味もさることながら、あのコーヒーを淹れた時のあのふわっとした香りを好きなんだろうと思う。あの香りには、なぜか人の気持ちを落ち着かせる何かがあるはずである。
匂いに関して、私の最近の二つ目の変化。
それは、アロマを始めたこと。これは、最近体調の優れない私の状況を見て、職場の女性が勧めてくれたもの。
アロマデフューザーなるものに興味を持った私に彼女がお勧めのデフューザーとアロマオイルを紹介してくれたことに始まる。
良いと思えるのものはすぐに取り入れる好奇心旺盛な性格。
その場にて携帯でAMAZONから検索し商品を購入。
そして寝室で使ってみて数日たった後、今までよりも入眠と朝起きてからの爽快感が違うことに気づいた。
子供たちも寝る前のラベンダーの香りが好きになったみたいで、自分たちですすんでディフューザーのセットを始める。
「これは良い!」と実感し、現在は、リビングでもかなり大きめのデュフーザーを購入し、香りを楽しんでいる。
さて、動物にとって香りを嗅ぐという行為は至極大切な行為である。
ネットをググってみると、動物にとって匂いは大きく分けて二つの働きを担っているという。
一つは、自分の行動範囲を他者に知らせる働き。
マーキングという行為は敵に自分のテリトリーを知らせたり、あるいは求愛のための行為だったりする。
匂いは種の存続のためには欠かせない。
もう一つは、食べてよいものと悪いものを識別する働き。
食べるという行為は、動物にとってその生命維持のための第一条件となる。
自分の命を維持するために有益かそうでないかを一瞬のうちに見極めるために匂いをかいで判断するわけである。
このように動物が生き抜くために必要な機能が「匂いをかぐ」という行為であり、動物からその能力や行為を奪うことは、すなわち「死」を意味する。
食べ物が安全かどうかの判断や敵が近づいてきたときの察知能力が弱まることは、子孫繁栄のための機会の喪失などを引き起こすからだ。しかしながら、野生動物と異なり、人間は嗅覚が退化してしまった。
これは、人間が外界の情報の7~9割を視聴覚、いわゆる「見る」「聞く」に頼ってしまっていることによるものらしい。
仮に人間に嗅覚がなくなっても生きていけるようになってしまっているという訳である。
たとえば、蓄膿症になって匂いをほとんど嗅ぎ分けられなくなったとしても人間は簡単に死ぬことはない。
では、なぜ動物にとって最も大切な嗅覚が、人間にとってはこのように視覚や聴覚よりも大切にされなくなっていったのか?
それは、人間の脳が発達したためであるという。
嗅覚をつかさどる部分は、脳の前頭葉にあるようだが、人間は前頭葉が高度に発達したがゆえに、嗅覚をつかさどる部分の割合が追いやられてしまったらしい。
人間が文化的な暮らしを営むことによって、嗅覚は必要ないものとして退化していったというのである。
しかし、匂いが人間にとって大切な機能だったという名残も、味期限が迫った食べ物を確認するため、人は無意識に匂いをかぐ行為などに見て取れる。
大分、前置きが長くなってしまったが、今回は、この人間の脳と香りの関係に迫った本を紹介したい。
[編集担当者より]
本書によると、香りと脳がいかに密接な関係にあるのかがわかる。
まず、嗅覚にかかわる神経は、味覚、聴覚などと違い、中継地点を経由しないでダイレクトに脳に入ってくるようで、その途中の経路で、大脳辺縁系と呼ばれる本能に関係する場所を通過したり、海馬に近いところを走っていくので、記憶にも関係していくということである。
脳の中には、経験の中で、匂いを分類する地図が作られていくようで、ある香りを嗅ぐと、一気に昔のことを思い出すことができたり、香りによっては、悲しくなったりうれしくなったりするのもそのせいらしい。
また、上記の本能に関係する大脳辺縁系とのかかわりでいうと、ストレスが私たちの脳の中でも特に大脳辺縁系にダメージを与えることが最近の脳科学の進歩によって判明しているようなのである。
大脳辺縁系は “脳の中の発電所 ”と言われているようで、食欲や衝動、感情、気分を作り出して、私たちを行動へと駆り立てている。
上記のように、この脳の発電所たる大脳辺縁系に匂いの刺激がダイレクトに到達するので、それゆえ脳を活性化するには、五感の中でも嗅覚がもっとも大きな効果があり、ストレスによるダメージからの回復にとって「匂い」の持つ効果はかなり大きいという研究結果が出ており、医療の現場でもアロマテラピーなるものが発展してきているという訳である。
今回、本書を通して、香りの持つ絶大なる効果をさらに実感し、さらに香りに対して知識を深めることが大切だと感じた。
以前までは、誰かが淹れてくれなければ、しいて飲まなかったコーヒー。
しかし、最近では、職場で仲間と飲むコーヒーも、家で飲むコーヒーも私がすすんで買いに出かける。
なんでこんなにコーヒーが好きになってきたのだろう?不思議なものである。
コーヒーを好きな人に共通して言えるのは、その味もさることながら、あのコーヒーを淹れた時のあのふわっとした香りを好きなんだろうと思う。あの香りには、なぜか人の気持ちを落ち着かせる何かがあるはずである。
匂いに関して、私の最近の二つ目の変化。
それは、アロマを始めたこと。これは、最近体調の優れない私の状況を見て、職場の女性が勧めてくれたもの。
アロマデフューザーなるものに興味を持った私に彼女がお勧めのデフューザーとアロマオイルを紹介してくれたことに始まる。
良いと思えるのものはすぐに取り入れる好奇心旺盛な性格。
その場にて携帯でAMAZONから検索し商品を購入。
そして寝室で使ってみて数日たった後、今までよりも入眠と朝起きてからの爽快感が違うことに気づいた。
子供たちも寝る前のラベンダーの香りが好きになったみたいで、自分たちですすんでディフューザーのセットを始める。
「これは良い!」と実感し、現在は、リビングでもかなり大きめのデュフーザーを購入し、香りを楽しんでいる。
さて、動物にとって香りを嗅ぐという行為は至極大切な行為である。
ネットをググってみると、動物にとって匂いは大きく分けて二つの働きを担っているという。
一つは、自分の行動範囲を他者に知らせる働き。
マーキングという行為は敵に自分のテリトリーを知らせたり、あるいは求愛のための行為だったりする。
匂いは種の存続のためには欠かせない。
もう一つは、食べてよいものと悪いものを識別する働き。
食べるという行為は、動物にとってその生命維持のための第一条件となる。
自分の命を維持するために有益かそうでないかを一瞬のうちに見極めるために匂いをかいで判断するわけである。
このように動物が生き抜くために必要な機能が「匂いをかぐ」という行為であり、動物からその能力や行為を奪うことは、すなわち「死」を意味する。
食べ物が安全かどうかの判断や敵が近づいてきたときの察知能力が弱まることは、子孫繁栄のための機会の喪失などを引き起こすからだ。しかしながら、野生動物と異なり、人間は嗅覚が退化してしまった。
これは、人間が外界の情報の7~9割を視聴覚、いわゆる「見る」「聞く」に頼ってしまっていることによるものらしい。
仮に人間に嗅覚がなくなっても生きていけるようになってしまっているという訳である。
たとえば、蓄膿症になって匂いをほとんど嗅ぎ分けられなくなったとしても人間は簡単に死ぬことはない。
では、なぜ動物にとって最も大切な嗅覚が、人間にとってはこのように視覚や聴覚よりも大切にされなくなっていったのか?
それは、人間の脳が発達したためであるという。
嗅覚をつかさどる部分は、脳の前頭葉にあるようだが、人間は前頭葉が高度に発達したがゆえに、嗅覚をつかさどる部分の割合が追いやられてしまったらしい。
人間が文化的な暮らしを営むことによって、嗅覚は必要ないものとして退化していったというのである。
しかし、匂いが人間にとって大切な機能だったという名残も、味期限が迫った食べ物を確認するため、人は無意識に匂いをかぐ行為などに見て取れる。
大分、前置きが長くなってしまったが、今回は、この人間の脳と香りの関係に迫った本を紹介したい。
いい香りを「嗅ぐ」だけで、重度の認知症患者の症状が改善されたり、がんによる疼痛がやわらぐ
――<香り>の成分は、私たちの脳や体内に、どのように吸収され、作用しているのか。
西洋医学では太刀打ちできなかった「治りにくく予防しにくい」疾患の画期的な治療方法として、いま注目されているメディカルアロマセラピーを、嗅覚のメカニズムや最新の臨床例からわかりやすく解き明かす。
[編集担当者より]
「アロマセラピー」と聞くと、「リラックスや美容目的のマッサージ」「女性を目的としたもの」という印象がありませんか?
本書は「医療を目的としたアロマセラピー」について、嗅覚のメカニズム、精油成分の人体への影響に関する最新の研究に基づいて書かれた画期的なサイエンス書です。
重度の認知症、がん性の疼痛、潜在的な患者数が非常に多い動脈硬化性の疾患やPMSや更年期障害などの女性特有の疾患など、特効薬がなく対症療法が行われてきた疾患や、ずっと薬を飲み続けなければならず体への負担も医療費への負担も大きい疾患に対し、画期的な治療法になりうると注目されているメディカルアロマセラピー。
その背景には、精油に含まれる〈香り〉の成分が、どのように人体に吸収され、脳に直接はたらきかけるのか、という〈香り〉の作用についての研究が急速に進んでいることがあります。
急速に解明されるヒトと香りの謎の中でも、私が興味深く思ったのは、「嗅神経は、海馬の歯状回などと並んで、年齢に関わらず再生可能な神経細胞であること」です。
視神経など多くの神経細胞は、通常、一度ダメになったら再生しません。
しかし、嗅神経は外部からのにおい刺激を与えると、活性化して周囲にも働きかけていることがわかってきました。
これまでの西洋医学ではなすすべもなかった認知症の患者さんでも、においを嗅ぐだけで認知機能の改善が見られるのです。
「いい香りを嗅げば、まぁリラックスするよね」ぐらいにしか考えていなかった私にとって、「におい物質が直接的に脳を刺激する」という嗅覚のメカニズムはまさに「刺激的」で、この話を著者から伺ったことが本書を企画するきっかけとなりました。
すでに臨床で用いられているエビデンスに基づいた〈香り〉の医療を紹介しつつ、まだ謎の多い「香りと人体の関係」についてもわかりやすく解説した本書。普段身近に感じている「嗅覚の謎」や「香りのパワー」を知りたい方は、ぜひご一読ください。
(NHK出版 松原あやか)
本書によると、香りと脳がいかに密接な関係にあるのかがわかる。
まず、嗅覚にかかわる神経は、味覚、聴覚などと違い、中継地点を経由しないでダイレクトに脳に入ってくるようで、その途中の経路で、大脳辺縁系と呼ばれる本能に関係する場所を通過したり、海馬に近いところを走っていくので、記憶にも関係していくということである。
脳の中には、経験の中で、匂いを分類する地図が作られていくようで、ある香りを嗅ぐと、一気に昔のことを思い出すことができたり、香りによっては、悲しくなったりうれしくなったりするのもそのせいらしい。
また、上記の本能に関係する大脳辺縁系とのかかわりでいうと、ストレスが私たちの脳の中でも特に大脳辺縁系にダメージを与えることが最近の脳科学の進歩によって判明しているようなのである。
大脳辺縁系は “脳の中の発電所 ”と言われているようで、食欲や衝動、感情、気分を作り出して、私たちを行動へと駆り立てている。
上記のように、この脳の発電所たる大脳辺縁系に匂いの刺激がダイレクトに到達するので、それゆえ脳を活性化するには、五感の中でも嗅覚がもっとも大きな効果があり、ストレスによるダメージからの回復にとって「匂い」の持つ効果はかなり大きいという研究結果が出ており、医療の現場でもアロマテラピーなるものが発展してきているという訳である。
今回、本書を通して、香りの持つ絶大なる効果をさらに実感し、さらに香りに対して知識を深めることが大切だと感じた。
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Posted by no-bu at 06:54│Comments(0)
│読書