読書「弁護士 探偵物語~天使の分け前」
2012年03月30日
来年度、三年生対象の“総合社会”なる授業を担当することになり、その内容を構想中。
基本的には、教科書はなく、授業者自身が自由にどのような授業内容にするかを決定しても良いとのこと…。
だから、通常は、受け持つ側に嫌がられる科目となりがち。
しかし、見方によっては、ちょっと違ってくる。
毎週、2コマの授業で、それも2時間連続。
この2時間連続というのが私にとっては非常に魅力的。
マイクロバスに乗って野外観察なども可能だし、非常に使い勝手が良いと思う。
そこで、まだおおざっぱな構想ではあるが、私はこれまで見た映画をテーマにして、2時間を利用し、作品を鑑賞した後、それぞれの作品が提起する社会的問題点を明らかにし、それをもとに小論文やディベートでそれぞれの見解を深めていけるような授業ができないかと考えている。
そこで、再度、自身がもっている約200本のDVDコレクションの中から、教材になりそうな作品をチョイス中。
その中に、「それでもボクはやっていない」がある。
本作では、日本の裁判制度が孕みもつ問題点を辛辣に描いている。
一端、起訴されると99%有罪となる日本の刑事事件裁判と冤罪の問題点について、裁判員裁判に関わることになる可能性のある当事者として、裁判にどう向き合うか?や憲法中の自由権の学習を深めながら、仮に冤罪で逮捕された場合にどのように自己防衛し不当な国家権力の行使に挑んでいなかければならないか?を個々の生徒が考えていければと考えている。
そうした中で、たまたま書店で平積みされてる本書を発見。
「弁護士 探偵物語~天使の分け前」法坂一広著、宝島社
第10回『このミステリーがすごい!』大賞に輝いた作品。

法曹界の“常識”にくみしない酔いどれ弁護士が連続殺人事件の真相を追うミステリー小説。
物語の冒頭は、一人称的な語りが続き、ちょっとした軽口がくどいなーと感じる人もいて、ここらあたりで、この語り口が個人的に肌に合わない方にとっては、嫌になるのかも知れない。
ネットでの低評価もこのあたりに原因があるのかもしれない。
しかし、総合的には非常に楽しめる内容になっているのではないかと思う。
ストーリー展開は次のよう。
主人公の「私」は3年前に起きた母子殺害事件をめぐり、裁判所、検察と対立し、1年間の業務停止処分を受ける。
その後復帰したものの、今度は自らの事務所で殺人事件が発生。
その後も周囲で起こる殺人事件に巻き込まれていく。
著者は福岡市在住の現役弁護士で、物語は福岡で展開される。
たまたま、九州大会の引率中に佐賀、福岡で本作を読んでいたので、いろいろ思いを巡らすことができ楽しめた部分もあった。
本作で、著者は、法曹界が抱える問題を提起しており、推定有罪に傾き、結託する裁判官と検事の姿をリアルに描いている。
本作もある意味、教材と成り得る作品ではなかろうか。
「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」
基本的には、教科書はなく、授業者自身が自由にどのような授業内容にするかを決定しても良いとのこと…。
だから、通常は、受け持つ側に嫌がられる科目となりがち。
しかし、見方によっては、ちょっと違ってくる。
毎週、2コマの授業で、それも2時間連続。
この2時間連続というのが私にとっては非常に魅力的。
マイクロバスに乗って野外観察なども可能だし、非常に使い勝手が良いと思う。
そこで、まだおおざっぱな構想ではあるが、私はこれまで見た映画をテーマにして、2時間を利用し、作品を鑑賞した後、それぞれの作品が提起する社会的問題点を明らかにし、それをもとに小論文やディベートでそれぞれの見解を深めていけるような授業ができないかと考えている。
そこで、再度、自身がもっている約200本のDVDコレクションの中から、教材になりそうな作品をチョイス中。
その中に、「それでもボクはやっていない」がある。
本作では、日本の裁判制度が孕みもつ問題点を辛辣に描いている。
一端、起訴されると99%有罪となる日本の刑事事件裁判と冤罪の問題点について、裁判員裁判に関わることになる可能性のある当事者として、裁判にどう向き合うか?や憲法中の自由権の学習を深めながら、仮に冤罪で逮捕された場合にどのように自己防衛し不当な国家権力の行使に挑んでいなかければならないか?を個々の生徒が考えていければと考えている。
そうした中で、たまたま書店で平積みされてる本書を発見。
「弁護士 探偵物語~天使の分け前」法坂一広著、宝島社
第10回『このミステリーがすごい!』大賞に輝いた作品。

法曹界の“常識”にくみしない酔いどれ弁護士が連続殺人事件の真相を追うミステリー小説。
物語の冒頭は、一人称的な語りが続き、ちょっとした軽口がくどいなーと感じる人もいて、ここらあたりで、この語り口が個人的に肌に合わない方にとっては、嫌になるのかも知れない。
ネットでの低評価もこのあたりに原因があるのかもしれない。
しかし、総合的には非常に楽しめる内容になっているのではないかと思う。
ストーリー展開は次のよう。
主人公の「私」は3年前に起きた母子殺害事件をめぐり、裁判所、検察と対立し、1年間の業務停止処分を受ける。
その後復帰したものの、今度は自らの事務所で殺人事件が発生。
その後も周囲で起こる殺人事件に巻き込まれていく。
著者は福岡市在住の現役弁護士で、物語は福岡で展開される。
たまたま、九州大会の引率中に佐賀、福岡で本作を読んでいたので、いろいろ思いを巡らすことができ楽しめた部分もあった。
本作で、著者は、法曹界が抱える問題を提起しており、推定有罪に傾き、結託する裁判官と検事の姿をリアルに描いている。
本作もある意味、教材と成り得る作品ではなかろうか。
「評価 ★★★★★ ★★★☆☆ 80点」
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Posted by no-bu at 08:59│Comments(0)
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