そして一粒のひかり

2012年09月16日

貧しき厳しい現実の中でもがきながら、一人の女性として少女から大人へと成長し自立しようとする姿に焦点を絞り、それを非常にリアルに描く作品。それが「そして、ひと粒のひかり」である。
そして一粒のひかり


彼女の生まれた国コロンビアは、ほとんどの南米の国がそうであるように、決して裕福ではない。
主人公のマリアの家族は女3人家族で、母親も、未婚の母となってしまった姉も仕事を捜す訳でもなく、たった1人、バラの卸業者の所で少ない賃金で働いているマリアの得る少ない給料に頼り、生きている。
別な言い方をすると、彼女にたかって生きている。こうした状況は、発展途上国でしばしば見られる現実であろう。


その彼女が、そうした現実から抜け出すために選んだ仕事は、「運び屋」。
何十粒の麻薬を、胃の中に流し入れ、それをコロンビアからニューヨークへ運び出すという危険な仕事である。もし、その粒が運んでいる最中に壊れたりすると死に至る。ましてや、彼女は妊娠している。
その妊娠し、一人の少女から大人の女性そして母になろうとする強さが、そうした厳しい決断をさせたのだろう。
彼女は、ニューヨークで友人の死などに直面しながら、自分の生きる道を選択していく。
最終的には、彼女は、母国コロンビアには帰らずに、独りニューヨークの街へ歩き出す。
そのシーンで見せた彼女の表情に、1人の母親として新しい地で強く生きていこうとする意志が強く感じられた。
現実の世界をリアルに抉りだしした非常にすばらしい映画だと思う。

総合評価「90点」



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