ウェザー・マン
2012年09月16日
「『アメリカン・ビューティー』、『アバウト・シュミット』に続く問題作
ファーストフードのように手軽に物が手に入るこの世の中で、“価値ある人生”の意味を問う。」
という作品紹介を見たら、借りないわけにはいかない。
「アメリカン・ビューティー」、「アバウト・シュミット」、両作品とも奥の深い善い作品でしたから…。
ニコラス・ケイジ主演
「ウェザー・マン」
人生は予測困難な天気予報と同じ。風向きひとつで全てが変わる・・・。シカゴのお天気キャスター、デイヴ・スプリッツ(ニコラス・ケイジ)は1日2時間勤務で24万ドルを稼ぎ出す男。さらに彼には全国ネットの仕事への誘いも。だがそんな誰もが憧れるようなビジネスの成功も、私生活での失敗を前に輝きを失っている。離婚。自分から離れていく子供たち。そしてピューリッツァー賞受賞者である父親(マイケル・ケイン)からの信頼も得られない…。「アメリカン・ビューティー」、「アバウト・シュミット」に続く問題作。ファーストフードのように手軽に物が手に入るこの世の中で、“価値ある人生”の意味を問う。
題名の通り、全体としては、「人生は天気予報のように予測しづらく、思い通りにはいかない」ということを表現している。
次々と家族をめぐるトラブルが発生し、対処に苦慮する主人公を通じ、情けない中年男性の悲哀を描いた、シニカルな作品である。
一見すると、非常に退屈で面白味のない作品と捉えられがちだ。だから、劇場公開されなかったんだという極端な感想を述べる人もいる。
しかし、私は、確かにそういう側面を持つ作品ではあると思うが、その裏には奥深さ、考えさせられる部分を多く含む『良作』だと受け止める。
世の中のほとんどの人が、「人生は自分が思い描くようにはいかない」と感じているのではないか。でも、人は人生から逃げることはできない。
当たり前のことだが、人生は今ここに存在しているし、人はまさにそこに生きているからである。
私の人生の師匠ともいえる國學院大學名誉教授の竹内常一先生は、かつて「運命を担わないかぎり、運命は突破できない」とおっしゃった。
「運命から逃げるな、背負え」まさに、人間ある時にそういう覚悟が必要になると思う。
私は、いつも苦しいときに、この言葉を思い出すようにしている。
この作品は、まさにそのことを言おうとしているのだと思う。
自分が思い描いたように物事や人生が進んではいかないことを嘆いて生きるより、今ここにある人生をしっかりと受け止めて、真摯に生きていこうと…。
この作品の大事な場面…
社会的成功者であり、主人公にとってずっと壁となって立ちはだかってきた父親。
その父親が人生に落ち込む息子にしみじみと語りかけるシーン。
「人生はクソだ…人生には捨てるものも多いんだよ…捨てなきゃならんときもあるんだよ…それがクソ人生だ…でも親心は別だぞ…お前には時間があるじゃないか…」
人は常に「自分とは、何か」「自分はどのように生きていきたいのか」「自分が生きている意味は何か」と人生の節目節目に自分の存在を等のだと思う。
「自分づくり」は、青年期だけに課された作業ではなく、人は人生を通して、今ある自分に悩み「自分を崩し」、新しい「自分をつくる」作業をしているのではないだろうか。
そういう作業の中にこそ、「生きがい」が感じられるのだろうと思うし、そういう作業をスルーしてしまえば、人生なんてつまらない空虚なものになってしまうような気がする。
人は時として自分の存在を問う事がある、自分は一体何者なのか、自分が生きている意味はなんなのか。でも考えても答えは何処にも無い、人生が終わるまでその問いは続く。
そういう奥深さがこの作品にはあると感じた。
公式サイト→ここをクリック!
ファーストフードのように手軽に物が手に入るこの世の中で、“価値ある人生”の意味を問う。」
という作品紹介を見たら、借りないわけにはいかない。
「アメリカン・ビューティー」、「アバウト・シュミット」、両作品とも奥の深い善い作品でしたから…。
ニコラス・ケイジ主演
「ウェザー・マン」
人生は予測困難な天気予報と同じ。風向きひとつで全てが変わる・・・。シカゴのお天気キャスター、デイヴ・スプリッツ(ニコラス・ケイジ)は1日2時間勤務で24万ドルを稼ぎ出す男。さらに彼には全国ネットの仕事への誘いも。だがそんな誰もが憧れるようなビジネスの成功も、私生活での失敗を前に輝きを失っている。離婚。自分から離れていく子供たち。そしてピューリッツァー賞受賞者である父親(マイケル・ケイン)からの信頼も得られない…。「アメリカン・ビューティー」、「アバウト・シュミット」に続く問題作。ファーストフードのように手軽に物が手に入るこの世の中で、“価値ある人生”の意味を問う。
題名の通り、全体としては、「人生は天気予報のように予測しづらく、思い通りにはいかない」ということを表現している。
次々と家族をめぐるトラブルが発生し、対処に苦慮する主人公を通じ、情けない中年男性の悲哀を描いた、シニカルな作品である。
一見すると、非常に退屈で面白味のない作品と捉えられがちだ。だから、劇場公開されなかったんだという極端な感想を述べる人もいる。
しかし、私は、確かにそういう側面を持つ作品ではあると思うが、その裏には奥深さ、考えさせられる部分を多く含む『良作』だと受け止める。
世の中のほとんどの人が、「人生は自分が思い描くようにはいかない」と感じているのではないか。でも、人は人生から逃げることはできない。
当たり前のことだが、人生は今ここに存在しているし、人はまさにそこに生きているからである。
私の人生の師匠ともいえる國學院大學名誉教授の竹内常一先生は、かつて「運命を担わないかぎり、運命は突破できない」とおっしゃった。
「運命から逃げるな、背負え」まさに、人間ある時にそういう覚悟が必要になると思う。
私は、いつも苦しいときに、この言葉を思い出すようにしている。
この作品は、まさにそのことを言おうとしているのだと思う。
自分が思い描いたように物事や人生が進んではいかないことを嘆いて生きるより、今ここにある人生をしっかりと受け止めて、真摯に生きていこうと…。
この作品の大事な場面…
社会的成功者であり、主人公にとってずっと壁となって立ちはだかってきた父親。
その父親が人生に落ち込む息子にしみじみと語りかけるシーン。
「人生はクソだ…人生には捨てるものも多いんだよ…捨てなきゃならんときもあるんだよ…それがクソ人生だ…でも親心は別だぞ…お前には時間があるじゃないか…」
人は常に「自分とは、何か」「自分はどのように生きていきたいのか」「自分が生きている意味は何か」と人生の節目節目に自分の存在を等のだと思う。
「自分づくり」は、青年期だけに課された作業ではなく、人は人生を通して、今ある自分に悩み「自分を崩し」、新しい「自分をつくる」作業をしているのではないだろうか。
そういう作業の中にこそ、「生きがい」が感じられるのだろうと思うし、そういう作業をスルーしてしまえば、人生なんてつまらない空虚なものになってしまうような気がする。
人は時として自分の存在を問う事がある、自分は一体何者なのか、自分が生きている意味はなんなのか。でも考えても答えは何処にも無い、人生が終わるまでその問いは続く。
そういう奥深さがこの作品にはあると感じた。
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「総合評価 ★★★★☆ 85点」
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Posted by no-bu at 22:38│Comments(0)
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