ホテル・ルワンダ

2012年09月16日

見終わった後に、「早くこの映画のことを誰かに伝えたい」と心の底から思った。2004年12月、米国の劇場数館で公開された「ホテル・ルワンダ」はまたたく間に評判となり、翌月に2300館で拡大公開される大ヒット作品となり、2004年度アカデミー賞の主要3部門(脚本賞、主演男優賞、助演女優賞)にノミネートされた作品である。


日本では、この映画は、公開される予定がなかった。
が、この米国での興奮が飛び火し、20代の若者達がインターネットで「この作品を日本でも観たい!」と声をあげたちあがり、署名運動を展開し、その後、4000通を超える署がわずか3ヶ月で集まり、そうした熱い思いが日本での公開を実現化した。
(詳しくは、「ホテル・ルワンダ」日本公開を応援する会)にて)
映画を見終わった後に、すごく恥ずかしく情けない気持ちになった。教師として、これだけの史実を表面的にしか知らなかったこと…。そして、そうした情けなさと同時に、別の憤りもわき上がってきた。
見た目で区別のつきにくいフツ族とツチ族は、ベルギーの植民地支配のために恣意的に導入された民族区分である。
残念ながら、そうして恣意的に区別されたフツ族とツチ族がなぜ、ここまで残忍なまでに相手を虐殺できるのか?
その憎しみがどこからわき上がってくるのかは?この作品の中から理解することはできない。
しかし、1つ言えることは、 隣人同士が殺しあう愚かな内戦に、米英仏ベルギーといった「民主主義国」が止めに行かなかったという事実に見られるように、大国は自国にメリットがないと判断した場合には、愚かな判断を当たり前のように下すということだ。
なぜ、イランやイラクにはアメリカ合衆国は喜んで介入するのに…。
石油という利権が絡んだ時には、お願いされなくても出向く彼らは、産油国ではない遠いアフリカの小国の虐殺には無関心であるということに憤りを感じる。
そして、同時に、多くの日本の若者が、日頃の平和な日常に慣れ、地球市民としての感覚を失っているのだということを痛感した。
遠い国のこうした悲惨な事実を私たち日本の若者がどれだけ知っていたのか…。
そして、知らされたとして、どのような受け止め方をするのだろうか…。
「虐殺の映像を見ても、先進国の人々は『まあ怖いわね』というだけでディナーを続ける」。西側テレビクルーのこの自嘲的な言葉が胸に鋭く突き刺さった。

多くの方々にこの映画を見ていただき、何かを感じ、考えてもらいたい。




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